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vol.44
「岩元大介展覧会」(ギルドギャラリー)

ギルドギャラリーで10/24(火)まで開催中の
「岩元大介写真展」。

ビデオ画像を写真に取り込んだり、写真の貼り混ぜをスキャナーで
詠み込んだりと、メディア・ミックスな作風。
そして、サイケでカラフルな画面(「写真」と言うより、こう呼んだ方がしっくりくる)
には、大・小、全体・部分、モノクロ・カラーなど様々な次元で、セルフポートレートが
登場する。
切り裂かれた自己、断片化した自我、浮遊するアイデンティティ・・・使い古された評言の
網をすり抜け、逃亡する一個の個性。

今回の展覧のテーマは、「VECTOR OF MIND」という。
代数の教科書が教える様に、ベクトルは、「方向」と「長さ」で構成されるが、
自我をめぐる昨今の議論では、どうも「方向」にばかり関心が集まっている。
曰く、「自分を解き放とう」「自分が良いと思う道を往こう」「多様なことは良い
ことだ」云々。

確かに、社会に於ける単一思考は考えものだ。
しかし、たとえ、個々の成員のベクトルが
ウニの針の様にあっちこっちを向いていても、その針の「長さ」が短いと
いうのも問題だろう。

本展も、作品のベクトルの「長さ」(分かりにくければ「絶対値」と
言い換えても良い)の点で、作家の今後の奮起を要求する出来。


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