Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Black Thunder
vol.49
「中村文博写真展」(ギャラリーナダール)
ユニークな企画展でファンを喜ばせているギャラリーナダールで
29日(日)まで開催されているのは、「中村文博写真展」。
モノクロの落ち着いた物腰で、建物の配管、外壁の割れ目、
流水のしみなどを丹念に接写する。
細部への偏愛というにはあまりにスマート、
通行人の一瞥というのはあまりにも粘着質な視点が、
黒と白の玄妙な対照を写し出す。
「目は心の窓」というが、写真を視るたびに、
人間の「まなざし」が感情のみならず認識全般と
如何に深い関わりがあるかを実感する。
ミシェル・フーコーやロラン・バルトに引っかけて
言えば、まなざしは美学そのものなのだ。
「何をみるか」「どうみるか」−視線の行方が思考を
規定する。
その視線のベクトル(無論、向きと長さの両方が問題なのだが)
で勝負する写真に逃げ道は無い。
中村文博の勝負は続く。
(編集室註/文頭、29日とあるのは2000年10月29日をさします)
「福井栄一の問わず語り」の扉へ
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