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「京扇子・京団扇にみる意匠展」(京都伝統産業ふれあい館ギャラリー)

古来より、日本で神が宿り来たる依代(よりしろ)として有名なのは、松である。

天の羽衣伝説は松に縁が深いし、能の鏡板にも松の木が描かれている。

依代のもう一つの代表格が扇だ。
日本の芸能と扇は切っても切れない関係にある。
筆や銚子や煙管などに見立てて小道具として使われるばかりでなく、
雨や風、水の流れなどの気象・情景描写、そして、
主人公の心理描写にも絶大な効果を発揮する。
展観された扇面には、我々の先祖たちの扇への畏敬の念が横溢していた。

優美に開かれ飾られた扇の数々は、少し離れて見ると、
極彩色の蝶の大群の様だ。
でも、それらは、いわば虫ピンで刺され、固定された蝶。
ガラスケースの中でじっとしているだけで、決して京の夏空には飛び立てない。

やはり扇は舞台で見てやらないと。
能や座敷舞の舞台に妖しく乱れ遊ぶ扇こそ、
美しく、尊い。

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