Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Heritability

vol.18

「世界遺産写真展」(大丸ミューアジム・梅田)

大丸ミュージアム・梅田で9月3日(日)まで開催中の「世界遺産写真展」。

世界遺産の大型写真百十点が並ぶ。
山、河、海、動物、植物、建造物・・・地球と人類の美の競演である。
圧倒的な自然美には心うたれ、荘厳な歴史美には身の引き締まる思い。
地球がこんなに美しかったこと、人類がこんなにも
懸命に生きていることを、ここ数年、すっかり忘れていた気がする。

今後も世界遺産の認定は続くだろう。
しかし、見落としてならないのは、
自然や史跡を世界遺産という貌で囲い込まないと、
もはや原状を維持できない、護りきれないという厳しい現実。

かつては、今の世界遺産級の風景や歴史的遺構が
そこらにゴロゴロ有った筈だ。
それらが急速に失われ、
いつしか「世界遺産」と奉られるほど貴重な存在になった。
世界遺産は文字通り、「かろうじて遺されたもの」なのだ。
決して健全な成り行きとは言えない。

美しさを愛でるだけではいけない。
世界遺産は、鑑賞のための消費材ではないのだから。
今後、どう遺すか、あるいは、どう再創造するか、
重大でしかも緊急を要する課題を、
百十点の写真たちは我々に突きつけている。

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