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vol.51
「若冲」(京都国立博物館)

11/26まで秋深い京都国立博物館で開催中なのが、
「若冲」展。没後200年を記念した大規模な企画展である。

「こんな絵かきが日本にいた!」という扇情的な副題が
決して誇張ではない異能の画家。
青物問屋の主人だったが商売には関心が無く、20代後半から
殆ど独学で絵を書き始める。
自宅で飼っていた鶏の細密描写を通じて開眼し、虫獣草木から
先哲画、風景画なんでもござれの若冲ワールドを構築した。
大胆な構図と才知走った色調は現代アートの遙か先を往く新しさ。
「美は時空を超える」を実感させてくれる数少ない日本画家だ。

居並ぶ作品を観ていて、「これは絵ではなく、若冲というカメラで
撮った写真なのだ」という印象を持った。早撮りのスピード感が
有る。一瞬の内に細部の細部まで描写し尽くす観察眼は
精確無比。輝いていた頃のアラーキーもきっとこうだったのだろう、と
あらぬ連想が働いた。

描きたいものを描きたいだけ描きたいように描いた伊藤若冲。
彼が生涯を通じて体現した瑞々しさ、無心さを現代の芸術家は
何処に忘れてきたのだろう?


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