Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Le Cri de la Peau

vol.69
「レイコ・クルック〜スキンアート展」(KPOキリンプラザ大阪)

某国立大学医学部には、新入生歓迎のための不謹慎な悪戯が有る。
名づけて「壁に耳有り、障子に目有り」。
解剖実習で、古諺通りの情景をしつらえ、新入生の度胸試しをするという。
レイコ・クルックのスキンアートを観て、咄嗟にこのことが頭に浮かんだ。
会場には、「壁に耳・・・」どころか、顔や性器などを象った皮膜が並んでいる。
トルソではないので、如何にも繊細で壊れやすい。

ファッションや哲学の世界で、表象や表層の議論が注目を集めて久しい。
彼女の作品は、まさにその表層でもって勝負している。
皮膜の軽さ、うつろいやすさを逆手にとる豪胆な気性が窺える。
それにしても、彼女は何と闘っているのだろう。
頑迷な個人主義? ドロドロした実存主義?

中身をストレートに問うのは、そんなに野暮だろうか。
「美女も醜女も皮一枚」と喝破していた江戸の庶民が
本展を観たら、「それで?」とこぼすだろう。

来年の1/14(日)まで開催中。

※文中、来年とは2001年のこと。


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