Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Maenad
ドン底の関西浪曲界にあって、一人気を吐く重鎮・春野百合子。
彼女の人と芸に迫る「春野百合子の世界」が1/20(土)にワッハ上方
演芸ホールで催された。
分野が分野だけに集客面が心配されたが、関係者の心配をよそに、
雨天にもかかわらず、ほぼ満員の入り。
第一部の対談では、司会の棚橋昭夫(ワッハ上方専門参与)を相手に、
春野が自身の父母の芸や思い出を語り、後半は四十余年来の芸の
パートナー・曲師 大林静子を迎えて、「百合子節」の出来上がるまでを
解説して見せた。
更に、浪曲の様々な技巧を、お馴染みのだし物のさわりをサンプルに
実演して聴かせてくれたので、ファンは大喜び。
第二部は、おまちかねの「梶川 大力の粗忽」。
殿中松の廊下で吉良上野介に斬りかかった浅野内匠頭。
あと一太刀という浅野を後から抱きとめたのが梶川与惣兵衛で
あった。
その功で加増を受けた梶川に、老中・土屋主税は曽我兄弟の
仇討ち話を語って聞かせる。浅野を抱きとめるにせよ、どうして吉良を
討たせてやってからにしなかったのかとの真意である。
呆然とする梶川。屋敷に下がった後、梶川は出家した。
浪曲としては異例の劇中劇を含む本作を春野は熱演。途中のヤマ場では
何度も拍手が起き、涙ぐむ老人も居た。
春野自身は、自分を「浪曲師」とは呼ばず、「浪花節語り」という。
「上方の語り部」の今後の活躍から目が離せない。
「福井栄一の問わず語り」の扉へ
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