Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Mean tricks
vol.45
「三代目林家染丸三十三回忌追善興行 染丸まつり」(国立文楽劇場)
人なつっこい笑顔と華やかな芸風で一世を風靡し、
テレビ番組「素人名人会」の審査員としても人気を集めた
三代目林家染丸の三十三回忌追善興行。
「林家一門、ここにあり」と天下に喧伝する絶好の機会で
あったのに、多くのファンの期待を裏切る内容であった。
まず、驚きは客の入りの薄さ。かろうじて6割程度か。
東京から、名人・古今亭志ん朝を客演で迎えてこの入り・・・。
動員してでも何をしてでも会場を満杯にする
くらいの覚悟で臨まないと、彼に対しても失礼だと思う。
通常は中入りの前の「口上」が冒頭に置かれているので嫌な予感が
したが、幕が上がってみると、予感は的中。
おふざけが過ぎ、口上として「凛」としたところが全く無かった。
続いて、漫才の酒井くにお・とおる。元来、緻密な構成で攻める芸人ではなく、
同じネタを行きつ戻りつ、逍遥して笑いをとるタイプなので、口上と同様、
締まりが無くて食い足りない。
志ん朝は十八番の「寝床」。
病み上がりで、まだまだやせ細った容貌が痛々しいが、高座はそれを忘れさせる
出来。会場の多くの若手落語家も大いに勉強になっただろう。
ただ、噺半ばであったのが残念。
四代目林家染丸は「宿屋仇」。
普段は器用でそつの無い人なのに、この日はセリフを一部飛ばしたり、
言い淀んだりして、いま一つの仕上がりであった。
下座との息もしっくりいっていなかった。
中入り後の大喜利「素人迷人会」は、若手の弟子達の芸披露合戦であったが、
ひどい。ヒネリもセンスもなく、学芸会のノリ。
審査員の受け答えも平凡。
三代目林家染丸は、「素人名人会」審査員として、放送中、参加者に
敢闘賞を連発する気のいいオッチャンであった。
けれども、弟子達のこの惨状には、さすがに敢闘賞は出せまい。
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