Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Nature and Art

vol.27

「黒川古文化研究所名品展」(大阪市立美術館)

文化財保護法50年記念として大阪市立美術館で開催中の

「黒川古文化研究所名品展」(10/15(日)まで)。

大阪の実業家黒川家三代が収集した名品約400点を一堂に展観している。
国宝2点、重要文化財16点、重要美術品38点を含み、
貨幣コレクション、中国の書画、刀剣、染織品など分野も多岐に亘るなど、
質量共に期待を裏切らない。

トーマス・マンの長編小説「ブッデンブローク家の人々」を持ち出すまでもなく、
実業家三代と芸術・文化の関わりについては、
昔からまことしやかに言われている法則がある。
「創業者は苦労に苦労を重ねて財を成す。
二代目は創業者の敷いた路線を外れずに地道に商売に精を出す。
三代目は、根っからの道楽好きで書画骨董に凝り、家業は傾く・・・」と
いうもの。
日本でも、「売家と唐様に書く三代目」という川柳が、
そのあたりの事情を鋭く突いている。

この点、黒川家では、三代各々が美術品に関して
独自の見識と審美眼を持って収集にあたり、
しかも家業も隆盛を維持している。驚くほか無い。

ブッデンブローク・シンドロームの数少ない例外を

目の当たりにするという意味でも、必見の展覧会。


福井栄一の問わず語り」の扉へ

無断転載禁止 掲載:アーク編集室