Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Olympia damned

vol.21

「オリンピック ポスターアート展」(大阪市立美術館)

候補地正式決定に沸く大阪の市立美術館(天王寺公園内)で

9月24日(日)まで開催中の「オリンピック ポスターアート展」。

公式ポスターや関連ポスターをはじめとするオリンピック・アート
約300点が来場者を出迎える。

あの異様なまでの期待、亢奮、感動の数々が、
ポスターという二次元の四角い世界に封じ込められ、
整然と並べられている。
美術館の静謐との強烈な対照・・・。

第1回アテネ大会から第27回シドニー大会までの100年の歴史を
概観する本展は、サブタイトルとして「20世紀の美と感動の軌跡」
を謳っている。
抜け落ちているのは「政治」の二文字だ。

世界大戦、東西対立、歴史的和解などなど、オリンピックほど、

その時々の国際政治情勢を忠実に映し出す鏡は他にない。

ポスター横の解説板はそのあたりの事情を懸命に補足するが、

ポスターの華やかさに負けてしまって、影が薄い。

かと言って、長大な歴史の「お勉強」をポスターの脇で強いるのも野暮な話。

落とし所として、政治史年表との対照表を一枚パネル化して、
出口付近に設置するだけでも、随分印象は違ったと思う。

オリンピックにおける政治色の排除が叫ばれて久しいが、
国別に選手が分かれて競いあうオリンピックを完全に政治から切り離すのは
出来ない相談。
無菌室育ちのひ弱なオリンピックではなく、政治的なダイナミズムを巧みに
乗り切る逞しいオリンピックを志向して欲しい。
本展は、そのケーススタディを沢山示してくれている。

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