Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》The Story of a Little Souvenir
vol.79
「指輪」(近鉄アート館)
「小さな記念碑の物語」という美しい副題を持つ
本展は、2/7まで近鉄アート館で開催中。
指輪は単なる装身具の域を越えて、独特のアイテムとして
世界の文化史を彩ってきた。
呪術の法具、権力の象徴、致富の示威、回想の縁、
美意識の符号・・・。
経済的な価値はともかくとして(どうせ買えないし・・・)、
目を惹いたものが幾つか。
まず、11のロケットを環状に配した指輪。
小さな小さな11の箱の中には、指輪の持ち主が愛児の
髪を入れていたらしい。
少子化の現代にあっては、11人の子沢山は殆ど居ないが、
愛児に交じって愛人の髪を入れる輩なら掃いて捨てるほど居る。
変わったところでは、カメラ・リング。
小型のカメラが装着されていて、撮されたモノクロの写真も併せて
展示されている。古いスパイ映画の小道具の様で妙に懐かしい。
超小型ビデオで女子高生のスカートの中を撮影する不届き者に
新たなヒントを与えないか少し心配。
小ぶりの展示作品が多い中で、比較的大きかったのが蛇形のバングル。
金、ダイヤモンド、ルビーで出来た絢爛豪華な逸品。
巳年に合わせた訳でもあるが、スポットライトを浴びて悠然とまばゆい姿を
晒していた。
葬儀場の様に静かであるのを常とする展覧会場が、今回は騒がしい。
騒ぎの元は、女性観覧客たちの嘆息であった。
高嶺の花とは知りながら、ケースの中の指輪をわが指にはめてみた姿を
想像しながら同行者と話し込んでいる。口と耳は相手を向いているが、目は
絶えずケースの中。
「罪作りな展覧会じゃわい」と出ようとすると、
売店ではさりげなく指輪を販売中。
近鉄百貨店さん、ちゃっかりしてます。
「福井栄一の問わず語り」の扉へ
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