Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》The Evening Damp

vol.8

「キュピキュピ・ジャンボリー・スーパー・デラックス」

京都・東京に続く待望の「キュピキュピ」大阪公演(於:キリンプラザKPO HALL)。

開場が約20分遅れ、詰めかけたファンは階下で立ち通しで待たされた。

場内に少しダレた雰囲気が漂い、嫌な予感。

ようやく入場。
テーブル席と立ち見ゾーンが截然と分かれている。
幸か不幸か、KPO HALLはそこそこの広さがあるため、
こじんまりしたライヴハウスの様に会場の一体感が出にくい。
「私座る人、あなた立つ人」というヒンヤリした空気が流れる。

やがて、二人の裸女の乱舞に彩られながら、客席を割って歌姫登場。
奇抜な衣裳。歌もうまい。
なのに、もう一つ、客を掴みきれない。惜しい。
みんなノリノリになりたいのに、ならせてもらえないもどかしさ。
落語でいうところの「客席が暖まっていない」状態なのだ。
時として出る、ちあきなおみ調の節回しに忍び笑いがもれる。
曲の合間のトークに機敏に反応するのは、さすが土地柄。

なくもがなの休憩を挟んで後半。

開場前からずっと立っている人、シンドイだろうなあ。

更にエスカレートするコスチューム。
でも、それがいけない。
我々は既に何年もかかって、かの小林幸子と美川憲一の
紅白の衣裳に慣らされてしまっているのだ。
目が肥えたのではない。感覚を麻痺させられてしまった。
だって、NHKホールの舞台からはみ出しそうな、
建造物のような巨大なセットで歌うんだもの。
もう大抵のことでは驚かなくなってしまった。
しかも、周囲はお化け蟹が蠢き、妖しい人形が太鼓を叩く道頓堀。
いっそ歌一本で勝負した方が良かった。
あの歌姫になら出来たと思う。本当に惜しい。

10曲ほどを巧みに唄いこなしたのに、一度として手拍子が起こらなかったこと、

そしてアンコールを促す拍手もなかったことが、当夜の会場の気分を象徴していた。

キュピキュピのみなさんには、大阪の観客を嫌いにならないで欲しい。
チケット完売していたし、みんな純粋に楽しもうと思って来ていた。
でも結果として、魂の交歓がうまくゆかなかったのは、
キュピキュピの実力云々ではなく、多くは構成・運営上の問題に起因すると
私は思う。

リベンジ、待ってます!


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