Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》Toughness in subtlety

vol.22

「須田剋太展」(大阪・うめだ阪急)

9/11(月)まで開催中の「須田剋太展」(大阪・うめだ阪急)。
初公開作品約30点を含む全122点が一挙展観され、
須田ワールドのほぼ全容を体感出来る稀有な機会。
没後10年という時の経過の早さに驚かされる。

須田というと、司馬遼太郎が「週間朝日」に長期連載した「街道をゆく」
の挿絵を想起する人が多いし、あれ自体、確かに悪くない作品だが、
本展で特にお勧めしたいのは彼の人物画、それも歌舞伎などの古典芸能に
取材した作品たちである。
骨太のタッチと極彩色で造型された男女は、今にも絵からヌッと出てきそうな迫力。
厚く塗り重ねられた絵の具に生々しく筆使いの跡が遺るあたり、
ルオーの筆致を思わせる。
彫刻でいえば、ジャコメッティではなくロダン、
音楽でいえば、サティではなくて伊勢神楽という趣か。

須田にせよ岡本太郎にせよ、多くの日本人が失った荒々しさ・逞しさを

まだかろうじて体現していた芸術家が、次々居なくなるのは淋しい。

飼い慣らされた羊ばかりが列島を埋め尽くす頃、ようやく21世紀がやって来る。


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