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vol.10

「ピエール・ベルナール展」(DDDギャラリー)

DDDギャラリー(大阪・堂島浜)の第92回企画展は「ピエール・ベルナール展」。

芸術による社会革命を目指し、1970年代にフランスで立ち上がった、
勇ましいグラフィックデザイナーの一人である。
名画や写真のコラージュを多用しながら、
混迷の現代政治・経済が抱える矛盾を色鮮やかに告発してゆく。

思い起こせば、20世紀は喧噪の時代だった。
世界戦争が勃発したし、無数の○○イズムが横行したし、
経済も唸りをあげて発展した。
そうした足早で、がさつな20世紀という時代の喧噪を告発したのが
ベルナールであった。
が、皮肉なことに、その彼の作品自体が最早、一個の喧噪と化している。
メッセージ性に富んだ彼の作品に囲まれていると、
知らない街の雑踏に放り込まれた様な気分になる。
さざめき、足音、爆音、叫び声・・・。

ここまで声高な主張が必要だろうか。
今の我々に必要なのは、ハンドマイクでがなりたてる様な告発、
「現代人の、現代人による、現代人のための告発」ではない。
肩を抱き、耳元でささやく、過去からの告発である。
秘めやかな、しかし芯の通った異議申し立てである。

ベルナールの才知ばしったコラージュよりも、

一片の古伊万里の方が時代を鋭く照射している様に私には思われる。


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