Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》burning silence

vol.24

「秋深き頃−名残の茶事」(湯木美術館)

大阪市中央区平野町の湯木美術館では、

12/10(日)まで、秋季展「秋深き頃−名残の茶事」。

与謝蕪村の掛物「石の画賛」、仁阿弥道八の大根絵鉢、

伝紀貫之筆の高野切など、美術愛好家垂涎の逸品が揃う。

今でこそ「日常茶飯事」と言うが、その茶事、飯事にこそ、

日本美の宇宙があった。その美に命をかけた男たちが居た。

春風駘蕩と悲壮感が同居する、そうした究極の営為に比べ、

今日のグルメブームが何と底が浅いことか。

器と料理の調和を愛でる感性も無く、
美味さを表現する繊細な語彙も持たず、
他者と「座」を共創する嗜みにも欠ける者が集う茶事・飯事にあっては、
いかなる逸品もただの一品に堕する。
その際限の無い繰り返しを指すが故に「日常茶飯事」と言うのだ、
とは穿ち過ぎた解釈であろうか。

味わうべきは茶や料理ではなく、時間であり空間なのだと

気付いてやらねば、湯木美術館のコレクションは片時も浮かばれまい。

「名残の」という副題が痛々しい。


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