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vol.73
「京友禅の華 田畑喜八の美」(京都・高島屋グランドホール)

昭和30年に友禅染めの分野で初の人間国宝となった三代田畑喜八。
その作品70余点を通じて、京友禅の飛翔をたどる本展は1/16(火)まで
京都高島屋グランドホールで開催中。

古典的なモチーフである筈の春夏秋冬の花鳥風月が、田畑に新しい命を
吹き込まれ、斬新な意匠として小袖や振袖を彩る。
歌舞伎の衣裳よりも大胆で、狂言の装束よりも優美な図柄の横溢は
観る目にまばゆいほど。

残念なのは、美しい作品たちが綺麗に「陳列」されてしまっていて、
着物本来の「まとわれた」貌で観ることが出来ない点だ。
シワ一つなく拡げられた作品群は、
虫ピンで壁に留められ標本にされた極彩色の蝶。
完璧なのだが、どこかよそよそしく、迫ってくるものに乏しい。


京の骨董屋で買い求めた屏風を額に入れて壁に飾り、
悦に入っていた米国人の知己のことを、
ふと思い出した。
用途の美を欠いた器玩は一種の奇形であろう。


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