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vol.97
「伊東深水展」(大阪・高島屋)

大阪・高島屋では、「伊東深水展」が開幕(2/27まで)。
現代日本の風俗画の巨匠と言われる伊東深水の
60余作品が展観されている。

深水の声望を高めたのは美人画。
マニエリスティックな曲線美と襟足の艶めかしさで
女性美の極致を示す「指」(記念切手にもなった)や、
手拭いをしぼった滴りや盥に撥ねる湯音までが
描き込まれた「湯気」は、畢生の代表作である。

名作の多くは、夫人をモデルに描かれたとか。
執拗なまでの観察眼と対象への溺愛ぶりは、
かのサルバドール・ダリにも負けないだろう。
外国の例を出さずとも、谷崎潤一郎の感性に
通底すると言えば良いか。

小西来山という大坂の俳人は奇人として知られ、
一生を独身で過ごし、傍らに土人形の女を置いては
愛玩したと伝えられる。
深水の作品を観ていて、ふとその逸話を思い出した。
他意は無い。


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