Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》idolatry
近代日本洋画の巨匠黒田清輝は1866年鹿児島生まれ。
1884年に絵画ではなく法律を勉強するべく渡仏したが、
画家に転向して1893年に帰国した。
1896年には白馬会を創設、1898年東京美術学校教授となった。
油彩60余点、写生帖などの資料約80点が来館者を出迎える。
代表作「湖畔」は重要文化財で、郵便切手の図柄にも採用された
ことがあるので、ご覧になった方も多い筈。
どれもよく描けている。的確なデッサン力、落ち着いた
色調、破綻の無い構成・・・。
だが、それ以上の何かを求める向きにはツライかも知れない。
打率堅調ながら、場外打や満塁打は叩き出しそうもない選手の
打席の様だ。奇妙な安定感が作品を支配している。
「湖畔」の女性はまちがってもあれ以上、胸元をはだけそうにないし、
「赤髪の少女」の後姿には、ダリが描いたガラの背中の持つ訴求力に
欠ける。それを近代日本という時代のせいにばかりしていては、
彼の評価を誤ると思う。
回顧展は同窓会ではない。
観る側に再評価という営為が無ければ、
回顧展はお墓参りになってしまう。
(「黒田清輝展」は2/18まで。
なお、彼の「針仕事」が「フランス グレー村の画家たち展」
(於:西宮市大谷記念美術館)(3/4まで)に出品中。)
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