Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》in mufti

vol.93
「ルネ・ラリック1860−1945展」(京都国立近代美術館)

いつも質の高い企画展とそれに見合うだけの入場料設定でファンに
「嬉しい悲鳴」をあげさせる京都国立近代美術館では、4/15まで、
「ルネ・ラリック1860−1945年展」。
入場料は、当日券で一般1300円也。

ルネ・ラリックと言えば、アール・ヌーヴォーの旗手の一人として、
ガラス工芸の逸品で世界的に知られた芸術家だが、今回は彼の
もう一つの顔、つまり宝飾デザイナーとしての活躍が紹介される。
もちろん、ダイヤモンドや金をゴテゴテ飾り立てるジュエリーなど、
彼の手から生まれようも無い。
代わって、愛撫する様に形づくられるのは、鳥、虫、草花などを
モチーフにした作品たち。自身が生の喜びを謳歌するジュエリーを
創造し得たのは彼が最初だろう。
例えば、「櫛」<二羽の燕>の機知とほほえましさといったら!
二羽の燕の拡げた翼が交差した刹那をとらまえた。二本のブーメランが
組み合わさった様にも見える大胆な意匠は、実は日本髪にも
似合うかも知れない。

きちんとライトアップされ、おそらくは異様に高い保険料を掛けてもらって
陳列された作品たち。飾るべき主(あるじ)が居なくて、何処となく淋しそう。
ジュエリーを観ると、その美しさに酔うのもさることながら、それを身に付けて
いた貴婦人たちの風貌までも想像してしまう男の性(さが)が悲しい。
不当な一般化でないことを祈りつつ、書いておく。


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