Arts Calendar/Art's Report site/《FUKUI EIICHI no towazu-katari》primitivism
vol.76
DDDギャラリー第96回企画展は「木田安彦展」(2/8まで)。
名前を聞いて「?」の人も、作品を観れば「ああ、この人が」と
納得する筈。そのくらい作品に「顔」が有る。芸術家として大事な
ことだ。
映画や観光キャンペーンのポスター、雑誌の表紙、骨董市の案内などなど、
我々は知らず知らずの内に「木田ワールド」の旅人になっていた。
特に、小説新潮の表紙は秀逸。
十二ヶ月、毎月舞妓さんの顔が並ぶ。髪飾りにさりげなく反映する季節感。
伝統的な版画の技法を駆使しつつも、木田のモダンな視線は、十二人から
滲み出る色恋の澱を見逃さない。有為転変の世を鵺の如く生き抜いてきた
色町の匂いが彼女たちの鬢に漂っている。
呵々と笑い、ポロポロ涙を流し、頬を膨らませて怒る木田ワールドの住人たち。
日本人はあの闊達さを何処に置き忘れてきたのか。
無表情で先を急ぐサラリーマンの群れとすれ違いながら、思わず振り返った。
「福井栄一の問わず語り」の扉へ
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