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vol.102
「ルドルフ・シュタイナー100冊のノート展」(KPOキリンプラザ大阪)
哲学者、教育者、ゲーテ研究家、人智学の創始者など多彩な顔を持つ
ルドルフ・シュタイナー(1861〜1925年)の足跡を辿る展覧会(4/5まで)。
現在、彼の講演録や研究書は汗牛充棟の観を呈しているが、引用や孫引きや
剽窃といった手垢を洗い流し、彼の生(なま)の思想に迫ろうという意欲が嬉しい。
その現れが、世界初公開のノートたち。
あふれ出る想念が言葉を突き抜けてドローイングへと形象化していく様は
メモ書きの域を超えて、それ自体一個の作品である。
ノートを垣間見てもこうなのだから、実際の講演会で、彼の語りと書き言葉と
絵の三位一体をライヴで体感した聴衆は、シュタイナー・ワールドに
陶然としたことだろう。
文章、素描、形状模型など、彼の膨大なアウトプットが
居並ぶ会場を見渡して思うのだが、一人の人間の中に
これほど沢山のメッセージが詰まっていたことが既に驚異だ。
彼の人智学という思想の当否は別にして、発信にかける彼の
異様な情熱そのものが人の心をうつ。
思想家というより、芸術家と呼ぶべきだろう。
シュタイナーのノートの内容を持参のノートにこっそり書き写す
来場者も居た。
拝金主義の世相にあって知識欲や向学心に燃えるのは奇特な
ことだが、単なる物まねで終わっては、墓の下のシュタイナーが
悲しむ。
いくら美しい塗装を施しても、エンジンの無い車は走らない。
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無断転載禁止 掲載:アーク編集室