Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》ALTI BUYOH FESTIVAL-3
アルティ・ブヨウ・フェスティバル公募公演、3日目。18:00〜20:29。アフタートークの当番は昨日の上念省三さんにアナウンサーの岩崎裕美さん、近大教授(美学)の井面信行さん。円にしたので話をするのは結構和めたが、関係者以外がまったく帰ってしまったから、これもまた一長一短のイス配置だったな。でも日曜日だし、もう疲れているから観客も早く帰りたいだろうし。
1)LOUMA(フランス)『CODA』28分間。振付:アラン・ミシャール。始まるともなく始まる。終わるのもまあそういやあ時間が来たからという風情である。ラジカセを楽譜台に置くなって変。シンバル。
題名はそうかコーダかと。つまり、まあ本当のダンスはすでにフランスでは踊り尽くされて、ここにあるのは終わることもないヌーベルダンスのコーダという終結部分の繰り返しである。「ダンスモードを諦観する」ダンスなのかも知れない。
この人は踊っていなくて、二人の小柄な女性が踊るのだが(三好絵美、徳居幸)、三好さんて見たことあるなあと記憶をさぐるが何も出てこない。終わってから、ヤミーダンス、つまり松山ダンスウェーブの卒業生たちだったことを教えられる。すごいことだ。こんな、結構、頭でっかちなダンスを、ビデオみながら予備練習してから約1週間でできてしまうなんて。
でも、もともとのコンセプチュアルダンスなのだかよく分からないが、とりとめのなさから何かを見つけるのはぼくには出来ず、でも、素明かりぽいありかたとか、ハモニカで話す音楽即興のおかしさとか、部分部分に反応していた。
2)ルツボMPA(大阪)『Co-Existence』22分間。振付は世界を点々として大阪に流れ着いた山内智子。で「この人こそ大阪土着度民だ」と惚れた原住民ミスターヨギー(実はルーツである沖縄にもう少ししたら帰ると聞いた)を引き込んで彼女がヨギーと踊った作品。前のダンスと正反対に思い入れたっぷりの、まあいえば、べたべたの演歌みたいな自分こだわり主観丸出し作品。
リボンつけた髪の毛切ったり、音楽もうるさい(演奏INDICARDA)。ヨギー君は前の東山青年の家で竹の内淳のワークショップで滑稽な踊りをやっていた人で、元々踊っていたことがあるとは思えず、間違ってダンスの道を通ってしまった人かと勘違いしていた。
昨日とは違って、床はフラット。ほかの人たちも公演中に上下したりはほとんどしない。二人が繰り返す滑稽なシーンがあって、その繰り返しはまあ吉本新喜劇というものなのかも知れないが、少年王者舘のリフレインをも彷彿とさせる。ぜったいに少年王者舘をみて、エンドレスになってしまうループ感覚(いけどもいけども元に戻る悪夢感覚)もぱくってしまうと面白いと思う。
3)浜口惠子舞踊研究所(大阪)『煙突の空』。25分間。なんだかキューポラのある町みたいな、戦後間のない舞台みたいで、それがまた新鮮。演劇の舞台である。たこ焼きや。夕暮れに仕事帰りのドラマー、サックス吹き、なぜかビオラ。屋根の上のバイオリン弾き京橋版ってかってに思った。
「1000円でマフラー2枚」という商店街の呼び込みが、2)でも効果的に使われていたが、こちらは土着民惠子ちゃんが馴染んでいるおばちゃんたちのたくましくも暖かい風景である。デカルコ・マリーも、10名の工場の労働者になって、なにかひっぱっていた。
4)白水俊子(京都)『Himmelspiel 1〜花の色は』。17分。岡村夏枝(呉夏枝)さんからメールがあって、‘私が白水さんの衣裳を造りました、また、卒業展も来週です’とあった。チョゴリをベースとした羽衣が消え入りそうな薄さなのだが、それが曲面をつくり空気を微妙にねじ曲げていく。
腕の細さが衣裳に包まれながら自己主張していて。小鼓(高橋さん。ショートカットが凛々しい若い女性囃子方)が下手から上手へやってくる。奥と上手の床が上がってい、左右対称でないステージが何か東洋風。
でも、冒頭の女声の‘ららら’はもうなんとも‘ららら’なのだ、西洋クラシックな。戦前の大正ぐらいの木造の、よき時代なのかどうかは知らないが、そんな時代の女学校に集まった若妻たちの同窓会に、一人行方知らずだった女性が声だけでやってくる、まあ、かってな想像を白水俊子が出てくる直前に妄想してしまった。
腕が垂直になって重力を感じさせない。それまでずっと直線を避けていただけに、くっきりと空を向く腕と回る舞のスピードが際だつ。紅い上着を脱いで、襟元だけがぽっと染まって、それが胸に部分的に滲んでいるような白い衣裳がとてもエロチック。大仰なドラマをあえて感じさせないまま、すっと静かにいつの間にか下手へ消えていた。さっぱりした後味感。
5)石原完二モダンダンス・スタジオ『Bon Voyage』17分間。電車でうつらうつらとしたときの夢(イリュージョン)のなかで、ちょっとひどいことが起きたということだったらしいけれど(手紙を破ったことと関係があるのかしら)、自分は、明確なストーリーを読まないまま眺めていた。このダンスがおわったら、多くの関係者が席を立ったので、客席が急に寂しくなる。
6)SORA(横浜)『絵あわせ』17分間。地唄舞ということである。なるほど。ソロも踊った古澤侑峯の演出。白水俊子の衣裳とはまるで違うのだけれど、何か趣がとても共通する女臭さというか、深遠さというか、そういうものを感じる。
もちろん、ちゃんとしたお作法、手順があるものを組み合わして、リッチにしていこうとしていうのだろうと思いつつ。石笛(いわぶえ)と声の横沢和也という恰幅の良いおじさんが着物でなかなかの存在感。
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