Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》competition-1
鈴木英生さんからメールが来ている。
《異ジャンルアーツの交流「アーツ・コンペティション in 大阪マジックランプ」vol.1。開演/3月28日(木)19:00、入場料金/1500円、問・会場/大阪マジックランプ 06-6958-2333問/特定非営利活動法人芸術文化ワークス:03-3986-1909(fax兼) Arts_Works@arts-calendar.co.jp》
私はこれについて鈴木さんに任せっぱなしで(NPO法人アーツワークスの主催なのに)宣伝を怠っていた。せっかく5組の面白い参加があったのだけど、客席に空席が残ってちょっと残念。でも、ジャンルが違う人たちと無理なく交流もできるし、参加した人たちには、自分のパフォーマンスを他ジャンルの観客に提示できるこの試みについて評価してもらったようだった。
【4/30にも第2回をします。そのあとも月の終わりに行う予定なので、どんどん応募ください。講談や浪曲などの民衆芸能でも、新作ばかりでなく、珍しい復刻とか演出に少し手を加えたものも大歓迎。】
アーツマネジメント担当の田丸隆生さんに挨拶して2階に上がる。1階に今回参加の澤田麗さんによる美術作品が展示されていたとは思わなかった。車が置かれていたからかも知れない。鑑賞者のほとんどは終わってから彼女の作品を見て、それから、5組などに500円分を投票したようだ。
ここで、入場料金の内訳を書いておかなくてはいけない。普通、お客さんはこの鑑賞料がどのように配分されるかを知らないままにお金を払う。ライブハウスで複数のミュージシャンが出るときに、誰を聞きに来ましたかと尋ねられて、そうか、贔屓の客の数で出演料が決まる(あるいはノルマを達成できなくて出演者が払う)のだなあと気づくことはあるが。
チラシに今回は内訳が書いてある。ここがアーツワークスのアイディアなのである、つまり「お客さまの応援する1票が、出演者の創作活動の力となります!!」。
入場料1500円のうち、500円は会場・運営費。500円は出演者のギャラで等分配分。たとえば、30名だとしたら100円×30=3000円が払われる。あとの500円が「出演者または芸術文化ワークスの中から応援したい方々へ」1票100円につき5票を投票する分となる。もしあるアーティストにすべて投票されると500円×30=15000円が渡されることになる。そんなことはないだろうけれど。
19:18〜20:21。15分間が持ち時間である。今回はダンスが2組、演劇、美術に音楽が1組ずつ。マジックランプにライブでも現代音楽が演奏されるのはとても珍しいこと(きっとはじめて)だった。芝居向きなのでとてもデッドな音響環境、しかも京阪電車がひっきりなしに通過する音が挟まる。そのなかで、でも、なかなか聴かせてくれるマリンバだった。
1)パフォーミング・ダンス/ポポル・ヴフ『はじまりについて』。3月28日(おお、今日だ)・・・たぶん構成・演出の徳毛洋子の今日の日記が読まれる。ゴミ出しの日だったらしい。晴れた日の櫻はぼあぼあして好きじゃないという。青空には雲しか似合わないって。なるほど。
主演:原和代、松本育枝、はまだくみ。読んだ人ははまださんという人のようだ。今日の気象情報を読んで、はまだくみはひっこむ。二人のダンス。ダンスダンスしていないところはトリイホールと同じだが、即興でない分、構成がかっきりあって見やすい。今日の半日分のことをダンスで反復していると思って観てもいいなと思う。ぜんぜん、なぞっているんではないとても。
でもコンテンポラリーダンスを始めて観る人にはどうだったろう。言葉がある分(幼稚園の原和代ちゃんはおばちゃんのくしゃみにとても反応したらしい)、手がかりがあったかも知れない。
2)即興演劇/即興集団吉兆(ジージャオ)。メンバーは6名。台本がないアドリブ。お客さんとの一体感を目指すという。したがって「ストーリーの中に出てきたアイデアは全てポジティブに受け入れる」ことを守っている。
今回は、まず客席に聴いて、4人で作る動物はコアラになった。次に「半分劇場」。應典院の大塚さんからのお題で、桃太郎を1分間→30秒間→15秒間と短くしていく。
最後は「ペーパーズ」。20名に単語や台詞を書いてもらっていて、即興でお芝居を作る。お題もそのなかから選んで今回は「鳥」だった。
3)現代美術/澤田麗。この春に卒業したばっかりの彼女は、大阪市中央青年センターでのセミナー受講者でもある。ずっと具象の油絵を描いていて、大学3年から「廃材や土などの自然物を用いて立体作品を制作」しだしたという。舞台では彼女が少ししゃべるだけで、観客は終わってから彼女のさまざまなオブジェに出会うことになる。
親しみやすいものが多く、揺らしたり(ぷちぷちするクッションシートがカルダーみたいな吊すオブジェになっている)覗いたり回したりする感じだった。舞台に出てきて、すたすたと1階に案内して自由に観てもらう15分間でもよかったかも知れない。
あるいは、スライドでちょっと解説するとか、ビデオを上映するとか、そんなこともこれから美術ではあっても面白いかも知れない。舞台ものと美術が一緒にあるというのはかなり珍しいが、けっこう出来るものだと思わしてくれる、瓢箪から駒ていうやつね。
4)マリンバ演奏/山根亜美子。
2曲目は山根とチャンベを抱えた山下嘉範(同じく大阪芸大出身)との共演となる。後ろから民族楽器が聞こえてびっくりした。マリンバより強い響きでバランスが難しい。
マリンバの演奏でも現代物なので初めの方は隙間が多く、電車音が入ったりしたが、この場でこういうシリアスでぴりりとした演奏が聴けること自体予想外で、とてもびっくりして楽しかった。ダイナミックな曲で(M.シュミット作曲「ガナイア」というものか)、色んな想像が浮かんでくるタイプの曲。
5)藤原理恵子『即興で、おどる1』。彼女は伊藤キムのワークショップによる成果発表公演が23日、24日とあって、24日は岩下徹さんとも呼応して踊ったという。岩下さんもそのあとトリイホールで踊ったのだから、すごい。年度末はダンスの渦が回っていた!彼女も23時頃に打ち上げだけには行ったという。
だから、今回は今日まで何の準備も出来なかったらしい。場所も今日が初めてで、イメージがだいぶん違ったらしい。客席から、客席を伝わりつつ、ステージに駆け上る感じを考えていたらしくて、「でも、来てみたらカラビンガ」(笑い)。うーん、ちょっと違うと思うけれど。寝ながら駆けるダンスはシンプルで面白い。
音楽の選択が面白かった。こういう激しくリズム中心の音楽でも踊るんだ。無音になったとき、客電もついたままなので、この条件での即興はかなり厳しい条件である。
彼女のつま先立ちと身体を掻いたりする仕草に前列の女性陣がかなり反応しているのをみるのは面白い。即興というのは、自分のボキャブラリーをその場の空気や反応によっていかに自在に引き出しつつ、自分自身を裏切るかにかかるのだろう。
だから、即興といってもそのボキャブラリーを整理したりかく乱したりする何とも言えない作業というものが準備と言うことになるのだろう。そういう面では伊藤キムワークショップは長い準備になったかも知れない。でも、かなりのロングランなチャレンジだったらしくて、終わったらぼうーってしていたという。
有給を今日は取っての参加。1時間が練習時間。終わってビールで乾杯のあと、お腹をすかせた中西恵子さんらと一緒に食事。中西さんも出ようかなと話している。
「こぐれ日記」の扉へ
無断転載禁止 掲載:アーク編集室