Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》kekkon style-2
331.
3/21(木、春分の日)
上田假奈代=ドクトルミキ『結婚式2』天人(大阪/中崎町)
中崎町の界隈を少しほっつき歩く。かなり痛んだ印刷工場とか、これから小さなお店になるかも知れないような味のある所も多い。4月から開店する予定だろうか町家を改装している小さな空間もある。表札だけの古道具屋さん(「かえる家」というのもあった)。天人(あまんと)ではリハーサルが行われているのでどこかで休憩しなくちゃいけない。
前に入ったことのある店が見あたらず、「より道」という、カウンターにテレビが付いている旧来型の小料理屋に入った。やっているのはお母さんと息子という感じの男女。買ってきたMDを見せると初めて見たように驚いている。ぼくよりローテクな人たち。ところが包丁さばきが気持ちよくなかなかにおいしい。
株式会社類設計室の味方慎一という人(意匠設計/外装房キャップだと名刺に書いてあった)が隣のカウンターに座りそのうちに天人の話になる。彼は天人のJUNさんに、捨てられてしまうショールームの便器を斡旋したのだそうだ。
南堀江は地価が5倍になって、東京などの資本が進出。せっかく面白いカフェがランダム+フリーダムに出来ていたのに、かなりやばくなっているという。ぼくもその話は山納君から聴いたことがある。この中崎町だって、いまは飛び飛びで集積がないので大丈夫だろうが、茶屋町の隣だからブームになってくると危ないかも知れない。放っておけないとすると、西陣の町家倶楽部の活動などをヒントにすべきかも知れない。
味方さんから聴いたとおり上田假奈代さんは白いウェディング姿だった(彼は島倉千代子の若いときに假奈代ちゃんが似ているという、ふーん)。
天人での『結婚式2 kekkon style』、上田假奈代(愛の詩)とドクトルミキ(ギターと歌)。前の「結婚式1」はアトリエ劇研で詩人の魚村さんとの結婚だった。
19:40〜21:35(20:23〜20:41休憩)。前が座布団で後ろが3列ほど椅子。見やすいが、前に入ってしまうとなかなか身動きがとれない。トイレもステージ奥にあるし、ライブ会場としては工夫がいる。ファンクラブ会員は1350円。
つき山いくよさんが『ココロのトリ ドローイングの旅にでる』(2002.2、工夫舎、1200円)を販売している。ライブの合間に假奈代さんがかわって宣伝してあげている、「空気のドローイング」ってつきちゃんは名付けていてね、私は一緒にボクシングをしたの。
私がつきちゃんに1200円を渡すと、バッグつきがあって2500円だという。おまけのバッグの方が高いというところのつきちゃんの真骨頂がある。
赤とグレーと黒があります。じゃあ、赤。オレンジのくちばしがおどおどとバッグから出ていて、羽の切り込みが「ミ」になっている。またグレーや黒も見たい。
このバッグは、機能性ということではあまり役にはたたないかもしれないが、はちゃめちゃに、かわいい。かわいいということばを47歳の誕生日以降は1個だけしか使えないという掟がもし出来てしまったら、このバッグに使ってもいいというほど、かわいい。大げさな、しかも嘘っぽい形容だなあ・・今日の假奈代さんのドレスもかわいかったし、ミキさんの口をつぼめて歌う姿も別の意味でかわいいよ。
なかなか結婚式の本体にいけない。始まる前に「より道」で生中を飲んでしまったからなあ。会場スタッフチーフは詩人の辻本真孝さん。假奈代さんにお水とか持ってくる。假奈代新婦のウェディングドレスの裾を持ち上げる役目の人も必要だ。スカートの中から脱脂綿みたいのがうわふわはみ出している。コルセットがきつくなったルイ王朝の貴婦人。
1)花嫁市場。後ろの客席でまず上田假奈代の朗読。
2)見知らぬダンス。ギター弾き語りでドクトルミキ。ミッキーマウスが首を吊っている、で始まる出だしは現代詩ぽい。3)この先は話さないよ、同じくドクトルミキ。
ミキさんが歌っている間、假奈代さんは赤い糸であやとりをしている。いや、しようとしてあやとり忘れたとかいってほどいてはまた・・。花嫁の手持ち無沙汰。赤い糸が愛の詩人の証だろうけれど。
假奈代さんが朗読しようとすると隣のおうちからお経が聞こえてきた。なにやら法事らしい。声も聞こえる。結婚式に何回忌とかいう死後の人との出会い会合が隣り合わせなのである。
4)かにょ。最近の上田詩は平明になってきたように思う。大阪の明るさ。かにのかにょさ。「かにが道楽なのである/道楽なほどにかになのである」。ミキさんがギターの伴奏をしている。流しのおじさんみたいだ。
5)犬によくある名前。ファーストCDでいつもこの囁きの小径を耳に囁かれていた。トレモロのギター伴奏。
6)跳躍へのレッスン。鮎川信夫のこの詩が好きなのだとドクトルミキがいう。上田假奈代が原詩を読む。ミキさんがこの詩に基づいて創った詞によって、三拍子の歌を歌う。「あそこまでは跳べる」というフレーズは原詩と同じ。休憩。
7)愛さない。言わずもがなの假奈代詩。途中からギター。ずっとJUN氏の照明で、せわしく替わるのが特徴。岸田コーイチさんもそうだったなあ。
8)旅に生きたいと思うのであればまずは電車に飛び乗れ。その次は改札口を抜けて交差点を渡れ。長い題名だ。「愛がなくとも、ダッコはできる。」の原詩。武富士のお兄ちゃんが愛おしい。
9)愛がなくとも、ダッコはできる。ギターのカットがかっこいい。歯切れのいいギターに歌はゆっくりなのがテクニック。聴いていると海に注ぐ河の最後のところに流されまいとしているサカナの姿がなぜか浮かんできた。
10)短詩と唄のコーナー。7つの彼女の詩を、ふたりで交互(短冊状)にしてパフォーマンスする。たとえば、「嵐電」では、最初の「来年は男と来てやる!」を假奈代が読んで、あとはミキの歌になるという形です。
11)るのうみ。エレキベースとハーモニカの2人が入ったバンドでの演奏。前はトーキングブルースだったが、全部唄にした。メジャーだし、もちろんはなの曲と比べれば複雑だ。
12)エッチな唄。これもバンド演奏。テープを売っている。
13)かなよちゃん。ミキさんが假奈代さんに捧げた唄(2/9に作った)。はじめに「君より先にいくから」なんて、まだ早すぎるよ、ミキさん。
14)県境で。今度は上田假奈代がドクトルミキに捧げる。エッチな唄への返詩。夏の歌。「視線で風を待つ」。
15)アンコールというか、それにつけてもロックンロールミュージックを客席のみんな立って身体揺らして、鳴り物も配られて踊り歌う。假奈代詩の断片が入っている。それにつけても詩人、歌人、粋人、酔人。
海人、魚人、鳥人、天人。
「こぐれ日記」の扉へ
無断転載禁止 掲載:アーク編集室