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vol.353.
6/7(金)
ラックシステムvol.6『お弁当』へと大阪京都二往復の金曜日


9時過ぎに着いたので、京阪淀屋橋からタクシーに乗らず、中之島センタービルの(社)関西経済連合会まで川辺を歩いてみた。

30分弱。パブリックアートが並ぶ川辺と野宿者が眠るベンチ。もちろん野宿者の方がインパクトが強い。失礼なことだがついウォッチしてしまう。においの力ということもそうだが、野外で場を作って生きていることのかけがえのない価値を彼らに教えられるからだ。それにくらべて、パブリックアートの所在なさ。

10時から12時まで第1回劇場文化研究会ワーキングチームとしての会合。まず、劇場をたとえばもっと楽しく特に若者には「かっこいいもの」として伝えていただきたいメディアの人たちは、朝日放送、NHK大阪放送局(芸能部の須崎岳が明日放送するNHK-FMのFMシアター「小さな雨」のことを話したらその人はたまたま部署が違うのか知らなかった)、読売新聞大阪本社。

そして非会員から特別にFM802の谷口純弘さんが参加。彼からは南堀江でやっているdig me out CAFEの話(アーツカフェを調べている川上さんに早速教える)を聴く。また、dig me outされたストリートアーティスト(イラスト)の冊子を2冊いただく。うちの大学とも色々関係できる感じがする。

そして、鑑賞者としていままで参加していて、これからは所属する従業員の感性みがきや自由時間活用を考えていただきたい関経連メンバーの会社の方々。そのうち参加した近鉄百貨店、関西国際空港ビルディング、清水建設、博報堂、阪急電鉄の人たちにも感想や意見を言ってもらう。

さらに作る側として、近鉄劇場の松原さんやシアタードラマシティの古沢真さん、それにOMSの山納君がいた。なんとか演劇サービスNPO法人か劇場サービス会社みたいのが出来ないかと思う。そのきっかけをつくるのがこの研究会の一つの目的でもある。

私が、イギリスでの鑑賞者づくり例として、河島さんが紹介していた美容院やタクシーの運転手にアウトリーチすることで伝わる大切さを話したら、あちらではホテルの人たちがとても有効だと教えてくれるメンバーがいる。

そうそう。関経連の中でこういう話をすると、メンバー自体に交通もホテルも事業として抱えている企業があるから実に面白い。メセナや鑑賞者づくりの対象だけではなく、アーツマネジメントとして活用したい場所やスタッフの素材がいっぱい転がっている。

大阪駅でパンを買って車内で食べて大学へ。アーツリボンゼミ12名に日記を返し、2回生の事例研究にのぞむ。西本さんや福田さん、坂下さんに隣のゼミだった田嶌さんが、自分たちで訪問しヒアリングさせていただいたギャラリーについての報告をする。

初めてなので少し心配したが、質問を板書して、4つの画廊から聴いたことを的確に伝えてくれる。別に貸し画廊と企画画廊についての解説、そして現代美術について調べたことも用紙にまとめて配布。この調子ならオーケーだ。

余った時間は、ビデオで昨年度京都橘女子大学文化政策研究センターでOMSから買ったラックシステムの「お祝い」を流す。これからの発表もあるから自由に研究するために時間を使ってもらってもいいと言った。
が、生理帯を開発する話だし、コミカルだからか、芝居好きな連中中心に熱心に見ていた。

また?大阪へ。OMSはぎゅうぎゅう。めずらしく「どっこいしょ」をする。この席つめ方式は15年前にはポピュラーだったと久保克司さん。コング桑田のしゃべりはとても面白い。出演者は、橋田雄一郎(転球劇場)、落語の桂米吉など芸達者な面々。

ビデオで学生に見せていた同じラックシステムのvol.6『お弁当』である。作・演出(出演)/わかぎゑふ。19:08〜21:00。
戦後からずっと地道に生きてきて、お弁当を作り続けていた一人の女性(演じるのは、生田朗子。戦後すぐは彼女は23歳の美江役だったので、会場では微笑みが生まれた。男はみんな美江に惹かれるが彼女とはなかなかひっつかず、別の女に行ったりする)。

その女性が、ついに寄席が閉鎖されると分かった1970年に、自分で神社などでお芝居をしている若者のために劇場を作る。OMSがなくなるのでそんな話にしたと最後の挨拶でわかぎゑふが言う。

PM/飛ぶ劇場は閉鎖する話だったが、芸人がやはり主人公で、大阪でこの手の話を作るとこうなるのだなあと思う。もちろん、PM/飛ぶ劇場の叙情性や深みはここには求めることは出来ない(逆に、演出的には少し平板で臭くなりそうにもなることもある)。

が、その分、軽くなり面白いバラエティとしてのエンタテイメント性があふれる。つまり、良い意味松竹新喜劇的なべたな大阪喜劇を引き継いだとても見やすい芝居になっていた。

(水谷有希が有名芸人になってわがままぶりを発揮する)ウナギのエピソードがしんみりとさせる。見栄をエゴではなく広報手段とする芸人根性。風俗の変化がちょっと表面的ではあるが、なかなかに楽しめる。

たとえば、俳優崩れな朝深大介の強面と、猪谷洋子の母としての健気な泥棒ぶり(これも演技なのかとも思ったが、そこは分からない)。もちろん、わかぎゑふのネネ(人間腹話術人形)は、決まっている!


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