Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》KOGAI-JUGYO&SAKIRA-2
喫茶六花でのお茶で校外授業の疲れととりつつ(何もしていないのだが学生らとずるずる対応しているだけで彼女たちのエネルギーに圧倒されることもあり、悪い意味ではないが疲労が積もっていく)、JR栗東駅へ。
空き店舗になっていた元サティに平和堂がようやく入りオープニングセールスをしていて、駅前に活気が戻ってきていた。需要はあるはずだから、閉まったあとはみんなどこで買い物をしていたのだろうと不思議に思うほどだ。
宇治市立平盛小学校に移った糸井登さんが来ていた。野村誠さんとのプロジェクトも動いているようだ。はなのコンサートに5/10は来てくださるという。有り難いこと。蓮行さんの授業になかなか立ち合えそうにないことは残念ではあるが。
CANの菊丸さんがいて(小山田徹さんときむらじんじんさんらの読書会の話〜喫茶六花で聞いた〜に微笑んでいた)、さきらの山本さんを自分に紹介したのは小暮さんだといって、そんなことは忘れていますよねえと笑う。もちろん。何でもいいから手当たりばったり紹介しておけば、こうして有り難がられるから実に簡単なことだ。
足立智美は東京にいることにとても注目していたのだなんてまた自慢する。昔はかっこいい好青年という風情だったが、ちょっと若オジサン風になっていて風采を構わないのだなあと思う。それって何だか作曲家らしくていいけど。最近出たCD「Yo」を帰りに買う、前は「nu」。合唱ばかりで迫力あり。「ナマハゲミント」は本当に声明でやったら爆笑だろうなあと思いつつ、まあぼくのテーマソングみたいなものだから大事にしなくちゃな。
さきら小ホール。山田うん。『カンテン』。彼女は何を着てもかっこいい。もちろん脱いでも。無音に裸足。指さし。足の移動はミニマム。微かなピアノ。情に流れない踊り。ファーブルなのか知らないが、蜂の記述。蜂は動きの順番を変えることはできないらしい。彼女自身の朗読が交じる。有名なオーケストラ曲。
右手の指の震えからやっと彼女の力の偏在が見て取れる。生きているということは、どこかバランスを失することだ。力が動く。いらぬ力の偏執がそこに渦を作る。平穏な心のなかにも忍び込む欲望。赤いタンクトップが現れる。青い照明の薄暗がり。20分はあっと言う間だ。彼女のような委ねない踊りに会えてほっとする。
彼女の身体一つのダンスを観ていると、安易な参加とか子どもや地域、お年寄りにすり寄り和んだ振りをする文化企画(芸術発信)など糞食らえとも思わしてくれる。でも、これは、さきらのリビングルームへの言及ではないから安心してね。実は別の意味での地獄が、参加型プログラムにおいても地域の闇を見据えればちゃんと見えるはずなのだが、それに触れないままの表面的な企画が多すぎるから困るのだ。阿(おもね)るダンスの死へ。
今日なんか、山田の服の色はホールに溶けるように地味である。上下のパジャマみたいなもので、だぶだぶしている。彼女の興味は外見ではなく、表現ですらなく、ただに世界と自分との位置を探る「観点」であり「自画の内面」だけであるかのようだ。
観点はあるいは寒天なのかも知れない。寒い天にすっくりと立つ。斜め位置。動きは少ない。あるいは干天。でも最近じとじとした天気ではある。だけれども、慈雨のない「干天」のような世界であるからして、花粉症が蔓延し、またもや新しい肺炎が黄砂とともにやってきそうなのかも知れない。
休みのあと、『VACA短編集』、40分間。面白すぎる。驚かせてくれすぎる。笑いが出てもそれが宙に浮いたまま安直に解消されずに自分の顔の回りをぶんぶん蝿のように飛び回ってしまう。「あなた5」。これはポエムリーディングへの影響がありそうなシンプルな二人の世界である。
「話とか」は、会話の骨格とボカリーズの飛躍。声が出ない口音に籠められた「声量」ということを思う。山田うんのタンクトップがまぶしい。足立智美のコンピュータ増幅装置をあとで見させてもらう。小さくてガシェットっていう感じ。自由度が強くて名前はない。そのちっこい手仕事みたいな装置から雄大な音の世界が生まれる。
黒いスーツの山田うんにはセンターが。不自由なダンサー。「情けない音出し機械」にされている彼女。不自由さが滑稽さに転じる。手を広げて音がしない逆転もおかしい。これは「せみ」なのか、「話とか」の続きなのかは分からない。
一番好きなのは、こういうミニマムな「50の小品」のようなもの。漢字が「金」からはじめて50並ぶ。それを足立が声(音)にし、うんが動く。平板ぽいなと少し思わせて最後の素早い逆送り、の技。すっきり爽やかな快便後のトイレ音を聞くが如しである。技あり過ぎ。
株式会社RYUの関社長が準備していたなと思ってたら最後は雄大な赤いセンサー指つけステージ。影がいい。そうそう、闇での電球ピカリも最高だった。あれってなんというタイトルのものだったのか。まあ、何でもいいや。そうそうそれは赤いセンターのあとのことでこれらが「せみ」かな。何で、せみ?、いいや、せみで。
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