Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》CAP HOUSE's Children Day
帰ってきたら、はなも出た3日の荒れ地ダンス(「こぐれ日録5/3」を参照してください)の様子を、さきが自由自在に編集して詩にしていた(芳江がさきに話したらしい)。ダンスを観た人から生まれたコトバを別の人が受け止め、自分流にピックアップして詩に置き直すという作業もなかなか意外感があって面白いものだ。
****
【頭にバケツをつっこみたい】
ぶんぶんぶんぶん
ころがりまわって
はだしになって
木をもって うーうーうー
ぼうぼうとしているよ なつかしい人
相手にしてもらえず
何いっているかわからないと言われた
苦手な場所に
たおれこむ ばさーっと、ばさーっと、
涙がでる
土の中に入る
ばかみたいに いとおしい
ああいう人がいる方がいい
橋の下で
よろしくね の一言
まかしてください
****
子どもの日っていうのは、子どもに「まかしてしまう」ことについて試される日なのかも知れない。朝、気持ちよく山下残ダンスをコトバにして(こぐれ日記2つ分、合計4400字も書いてしまっていた)、いざ、CAP
HOUSEへ。「いざ」なんて書いたけれど、ホントは「のほほん」だ、訂正。
ビールを飲むつもりじゃなかったけれど、村上直子個展「午前十一時」をぐるっと視てからテーブルに座って注文する。まだ午前11時すぎだったから、午前中の光の中で彼女の作品に出会えてラッキーである。「光をたたえる 時間をたたえる そのカラダいっぱいに それ自身を超えるために 午前十一時の光の下」。
新入生キャンプのときに偶然会っている村上さん。彼女はガムランデパートに来た家族連れにも自分の作品のマップをさりげなく渡している。ぼくも便乗してアーツ縁側のチラシを差し出す。広島生まれだから、村上水軍ですね、ええ、と彼女。村上姓は多いし、お墓は島だし。ぼくの母方も広島で「宮地」なのだけれど島で水軍だったようで・・何でもない雑談。
聞かなかったけれど、内藤礼の世界はもちろん彼女も好きなのだろうな。森さんらが夕方になって今度はおにぎりを作っていた。ガムラン演奏会があるからだ。村上さんに写真が剥がれていたと告げる。22カ所中一つだけ、マップの見方を失敗して見つけられなかった作品について教えてもらう。
風と光だけを感じる、静かなアーツオリエンテーリングだ。
そのうちマルガ・サリのメンバーたちによる「ガムランデパート」(デパートというより工場かも知れないと当日パンフに書いてあった。確かに伊勢丹というより東急ハンズだ。だから、ガムランハンズかな)の準備ができましたよと下田展久さん。
今度は、サウンドツーリング。賑やかになる。子どもたちもガムランの楽器群に触れてみる。即興で演奏する。家族4人組がどんどんはまっていくのを見ている。大野さんも楽器の前にちょこんと畏まって座って演奏をはじめる。
「ガムランデパート」というのは、一体としてのガムラン楽器群を6つぐらいのパーツに分けて(インドネシア舞踊「佐久間新」というパーツもあった)各部屋に置き、そこでそれぞれに演奏者などがいていろいろ交流できる、という仕組みのことであった。
そして楽器に触れてさらに演奏者たちと一緒に演奏できる。そんな自由な訪問形式の音楽演奏ワークショップであり楽器と音の展覧会である(かってにまとめてしまったけれど、アリオン財団がやっていた「楽器の動物園」に少し近い)。
ぼくは中川真さんに太鼓の原理と叩き方を教えてもらった(ex.大きい面の叩き方を変えると、大きい面を叩いたのに小さい面を振動させることも出来る)。ジャンベを一度佐渡で教えてもらったことがあるがそれはずいぶんと昔のことだ。おずおずと演奏開始。
初めてですか?なんて誉めてもらうと誰でも嬉しくなる。でも顔が笑っていませんよと言われてはっとする。かなり緊張している自分がある。少しぼくも関係者だという意識が無意識に出てしまいかっこよくしようと思っているのだろうか。まあ、ぼくはそれなりに肩の力が抜けているほうだろうけれど(・・・そうそう、中川真著高橋ヨーク写真『サワサワ』(求龍堂、2003.5.17発行)を買って帰り少し読んだ。サインをしてもらうのを忘れた)。
また村上直子の世界に入る。今度は午後の光。光がガラスに溢れてガラスが溶け出しそうになっている流しにも遭遇する。靄のような金属の音たちが聴こえる。ガムランパーツが青空の屋上でしりとりをしている男の子3人の耳にも届く。
いまどきの男の子はけっこう静かだ。いや、そういう親の息子たちだからか。ちょっと解説したい誘惑もあったが、いやいや、「まかせてください」とさきも言っていたなあと思って、やめておく。
16時半頃からのガムランコンサートは結局聴かないで(聴いていたらぼくも参加したのかも知れなかったが)、TAM研の田中さんも出ている「京都府大学吹奏楽連盟第28回合同演奏会」(八幡市文化センター大ホール)を聴いて(第3部のマーチングは見なかったが)、家に戻る。
第1部の西洋クラシックと第2部のポップス。ポップスというかジャズオーケストラでこちらも準クラシックなものだけれど、ここでジャズが楽しめるとは思わなかったので嬉しかった。なお、これを「京合」というらしくて、カホリン先輩(19回目に出たという)がTAM研のボードに書き込んでくれていた。クラシックというのは想い出の想起と縦につながるためにあるのだろうな、きっと。
「こぐれ日記」の扉へ
無断転載禁止 掲載:アーク編集室