Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》bamboo music
かなり年季の入った建物。
阪神電車西宮駅下車、西宮市民会館アミティホール。
1月に川西市文化会館に行ったが、とても似た雰囲気で、並んでいる方々の年齢層も近い(50〜60歳代女性グループがメインであとは女子大生やもっと小さい子どもたち)。これには色々な要因があるだろうけれど、まず値段が1500円と手頃だし、やっぱり竹というのはとても懐かしい植物であり音色の素材だからだ。おまけに「来場者にもれなく“竹炭”と“花の種”をプレゼント!!」という惹句もチラシにあったし。
セミナーコンサート『竹響のとき』企画・構成:牧野淳子。14:00〜16:47まで。前半は客席(あらかじめ竹が配られている)も少し演奏に参加した牧野淳子によるセミナーで、後半は、ジョン・海山・ネプチューン率いる『竹竹 TAKEDAKE』という竹だけで創作された楽器演奏グループ(6名)による演奏である。
昨日はいずみホールで宮田まゆみの笙を聴いたのだが(それを光にして見せられたりして、ちょっとうるさい演出だったのが玉に瑕ではあった)、続けての竹製の楽器による音楽聴取が続いている。笙は3500年前に中国で生まれて、それが正倉院時代ぐらいには日本に来ていて、いまに引き継がれている古い古い楽器。ご多分に漏れず(琵琶もそうなのだが)、中国では笙もどんどん改良されていくのだが、日本では原形に近い形でいまに至っている。
ただ、笙の竹は煤竹で100年以上農家の囲炉裏にあったりする竹がいいそうなので、もう素材も少ないし第一、楽器職人の継承が大変そうだ。多分、笙も古典に閉じこもらないで新しい活躍をしつつあるようだから、継承の部分でも何らかの方策が生まれて欲しいものだ。
今日の創作竹楽器を見て聴いて楽しんでいると、そういう可能性はありそうに思えてくる。100年後のお楽しみに煤竹をセットしておくことだってそんなに費用はいらないで出来る子孫への希望の継承なのだろうと考えてみたりもする。
さて、開場。緞帳には「西宮酒造家十日会」と書かれている。渋いけれど黒い縁取りのある素敵な絵柄(緞帳でいいなと思うものはかかった費用の割りには実に少ない)。まず来客に細い竹が渡される。端の列には太い竹。ぼくは両方もらった。待っている間細い方の竹をビール瓶みたいに吹いてみる。いい音が鳴る。太い竹は鳴らない。これは叩くものだろうと思って(始まってからそれは石の床に落として鳴らすものだということを知る)両方の竹筒でカンカン叩いて遊ぶ。
始まりは「ししおどし」(添水)の音から。猪などを追っ払う目的であったものだと言うからふとうちの大学の奥に猪が出ることを思い出す。6/14には「五感で感じるスロースタイル〜縁側でつづるアーツ」の一環で竹のワークショップもあるから、竹の話はどんなことでもホントに興味深い。竹林が伸び放題になってしまっていて、切りに行くと喜ばれるっていう話はホントにそうだろうと実感。
牧野淳子さんの話が続く。ちょっと丁寧すぎて、もっと竹楽器の実演、竹の色々な音が聴きたいぐらいだったが、それでも面白い話がいっぱいだった。バンブーの語源は竹が燃やされて鳴る音から。竹林や竹垣を吹く風の音(もがりぶえ)。バリのサウンドインスタレーションのこと。竹炭は1000度以上に焼かないと楽器としてはすぐに割れてしまうこと。竹は燃やされても、どんなことをされても音をぼくたちにプレゼントしてくれるとても素敵な植物なのである。
1日に1メートル以上も竹が伸びるっていう話。実は大学の階段の所に筍があって、それがもう高く伸びて立派な竹になっているのだけれど、それを毎日見ている学生が結構いる。竹は植物だけど動物みたいでもありすごい生命力だ。それにどこでもある。
前半のセミナーコンサートでは、まず「吹く」で「サッゲイポ」という曲が紹介され、次に「搗く」で「トガトン」。これが客席端に配られた太い竹の音の出し方だった。そして「打つ」で南太平洋式マリンバ、竹炭チャイム&スタンピングウォーター。最後にアンクルン、つまり「揺する」だった。
このアンクルンを客席の40名ぐらいが一列で揺する参加型のウェーブ演奏。ウェーブの動きをカラダでする必要があるのかどうかは分からなかったが、楽しそうだった。特に年配の男性が熱心すぎて固くなり、両手を動かしてしまいながら演奏していたのが、とても微笑ましい光景だった。
前半最後に、会場内全員でのワークショップ。2拍子、3拍子、4拍子、5拍子に分かれて、61拍目に一致するというもの。ただ時間がかなり押していた。7名の演奏者の技術の問題もあってどうしてもコンサート部分はサンプル程度でしかないのも少し残念な感じ。もう少してきぱきと進行して(きっと第3者が舞台監督になって進行を早めてあげるといい)補助者ぐらいでの出演でよかった感じもする。
後半は、ジョン・海山・ネプチューンの『竹竹 TAKEDAKE』演奏。実は、自然系癒し音楽だろうとほとんど期待していなかった。確かに尺八が洋楽器みたいに快適に吹かれるところは、枯れた日本人の尺八とは趣が違うが、キタロウとかそんな阿るような演奏ではなく、ジャズの即興的な楽しさがメンバー間にみなぎっていて、思わぬ収穫だった。
とりわけ、山口(秋吉台)でご一緒した「クリスと祥子」のクリストファー・ハーディがメンバーにいて、あれれ?という感じで、カラダの動きまでが音楽であるクリスの演奏を久しぶりに楽しんだ。
また、ヴィブラホーン(ここでは竹で作られたバリフォーン)を演奏する浜田均は、生で聴くのははじめてで、やっぱり演奏の姿も見えるっていいなあと音だけしか知らなかった彼の演奏を楽しむ。他に、竹のドラムのマーク・ディローズ、竹のパーカッション(コンガ)の能見義徳、そしてバンベース、香取良彦。このバンベースというのは大がかりの装置だけれど、ちょっとコントラバスみたいには軽快に弾けないので不自由そうでちょっと可哀想な感じもあった。
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