Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》slow style-bamboo


vol.452.
6/14(土)
五感で感じるスロースタイル〜縁側でつづるアーツ『竹のワークショップ』京都橘女子大学&竹久さんの竹林

そうだ、おにぎり握ってよと出かける前に突然芳江に言う。
この前の農のワークショップのときに、みんな自分の手作りお弁当?だったからだ。いつも食べている五穀入り玄米を炊飯器に残っているだけ全部握ってもらう。そしてぼくが残した野菜や手作りのキュウリの漬け物。そして、さきが作ってくれていたロールケーキの残り(冷凍してあった)。

着くと西門の前にテントを張ってある。雨になる確率が高いからだ。雨に素麺流しはうまく行くだろうか。そもそも、雨で竹を伐採してそこまで作れるだろうか。

オープンキャンパスの初日でもあって入学課の小川さんが出足を心配している。そういえば高校生が竹のワークショップ最中にやってきていた。スローフードは聞いたことがあるという。でもぼくはあんまり口当たりのいいことは解説しない。頭でっかちさんが大勢きても仕方ないからだ。

五感で感じるスロースタイル、竹のワークショップ。竹wsは1日だけだけど、その1日は竹の成長速度と同じく、ぐんぐん成長し収穫を得るものだった。もちろん、準備はずいぶんと周到に行われた。地下茎というグループがまず重要なファシリテーター群であることは言うまでもない。笹尾さんが秋田に戻って天満さんらが中心になって、それでも女性中心のいいチームワークを作ってくれた。

地下茎さんがうちのそばの辻義巳社長(竹久有限会社辻竹材店)を知っているという偶然(といっても、結局それはつながる必然だったといまになれば思う)がまた幸いした。彼の孟宗竹林が大学の裏にあったというのもラッキーなことで、みんなは、この前作ったスロー畑を観ながら、洛東用水を通り、山道を上がった。

そこの終点が、人間くさい廃棄物最終処分場であることも意外な展開だっただろうと思う。そこで辻さんと中村さんが待ってくれていて、竹産業のお話を聞く。雨がぽつぽつ。でも竹林の青さはそんなことをまるで気にしないようにぼくたちを染める。

雨が降り出す天気だったのでヤブ蚊は少なかった。それでもキンカンは役立っていた。キンカンの箱をよく見ると出しているのは金冠堂という会社で、キンカンだけを作ってずっとやっているのだろうなと思う。竹産業を思うのと同じぐらい不思議なこと。

青森から来た立木祥一郎さんのおでこには大きなたんこぶみたいな蚊に刺されたあとがあって、ぼくより昨日飲んだことは確実だ。
なぜ立木さんとか青森県庁のプロジェクトXの人が来ているかというと、昨日に大阪市の新世界アーツパーク事業などの説明を聞いてきたからで、今日はまあ帰りに少しぼくの顔を見に来てもらったわけだが、竹林とかお箸づくりとかを熱心に体験してもらった。青森には竹は少ないという。

昼に立木さんに見せてもらった奈良美智展の準備の映像(パワーマックがとても素晴らしいプレゼンテーションをしていた)はすごかった。レンガ倉庫の壁塗りとか新聞紙を水に濡らして掃除するとか、現場の知がそこにはある。山形の倉といい東北にある宝はこの目で見に行かねばならない。

孟宗竹は4本切り出せてもらった。太い竹だったし、この前のように竹林で半分に割らなかったので、肩に担いでみんなで運搬することは諦めた。大学に戻ってから食事。そのあとに、加工をする。

天満さんらはやっぱり職業人だ。ワークショップの人たちをうまく組織化する。6名はまず箸と素麺づゆを入れる容器を作る。作っている間、残りのみんなは、竹を割る。大きな竹をまず半分にする。鉈が入って、割っていく。竹はあるところまで行くと繊維に添ってキレイに割れる。まっすぐな線を作るのにはとても便利な植物だ。細くも薄くもなる。

びっくりしたのは、5つとか4つとかを割る道具だ。うちのこぐゼミ生達もどんどん手伝っている。農のワークショップよりも随分積極的だ。もちろん当日パンフも今度は若竹色にキレイにつくり、しかも部数は増やした。アンケートも工夫したし、終わってからきちんと関係者のコピーしながら、それを読んで反省会にいかしたのも進歩だ。

反省会で、自分たちがみんな素麺を茹でてしまって、参加者にぼんやり立って素麺流しまで待たせたのは失敗だったなあと話している。これはもうアーツマネージャーの目線で反省しているのが嬉しい。実は彼女たちは、竹のクイズとか考えていたのだったが、それまでうまく時間配分出来なかったのだ。まあ、農のときよりも格段の進歩。またこれからが楽しみだ。

素麺流しをしている時はとても雨が強かった。でもそんなことは何も気にならなかった。雨が青竹をいっそう鮮やかにしていた。流すものを工夫しようと色々と学生たちも考えてくれた。素早く流れる「ところてん」は大正解だった(ところで、ところてんは「心太」とも書くそうで、これにはびっくり)。ぼくが思いついたイカ素麺は生臭いという。ウインナーは意外と好評。

この前古川町商店街で買った野菜や果物などのゼリーと飴も流れた。かなり肉体的に疲れていたから甘いものも好まれたみたいだった。ただ袋はとって流した方がよかった。ミニトマトはへたをとるべきだった。枝豆は皮をまた流す人がいてよくなかった。

でも、でも、でも。何でも美味しかった。面白すぎた。遊びがアーツの原点だと確認できる。雨まで五感で感じる領域を増やしてくれて、味方に出来たと思う。竹の細工がこのワークショップの目的ではない。それを通じで何かが変わる。見え方、感じ方、つき合い方。そんな何かをあらかじめ想定しないで、自然体で場に臨み創発的に場を生むことが、これからも出来るといいなあと思いつつ、寝床でストレッチをしていたら、そのまま眠っていた。


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