Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》MIYAMOTO Yasuko
13時から、今出川の京都府立府民ホール(アルティ)の会議室で「アルティ・ブヨウ・フェスティバル特別公演」の打ち合わせ。『ダンスの未来vol.2〜新たなるダンス作品の創造を探るプロジェクト−音楽編−』をどのように制作していくか?という会議。
一昨年、第1回をNPO法人JCDNとアート・スタッフ・ネットワークでやった経験をベースにしつつ、今回はぼくたち京都橘女子大学たちばなアーツマネジメント研究会(TAM研)も混ぜてもらうことになった。今日は、TAM研からはこれからアルティにインターンシップをさせてもらう隈本麻理子さん(2回生)が参加。そのためにこの人が佐東さん、水野さん、長谷川さん・・という風に教えていく。
前回はダンスの他に多くのジャンルとのコラボレーションを考え、鑑賞者としてのサポーターを公募したりもした。さらにワークインプログレスを2度もするなど、実にいろいろと意欲的な企画であったが、その分マネジメントが大変だったということで、それを踏まえて、今回は音楽とダンスのコラボレーションに限ることにしたと佐東さんと水野さんから説明があった。
そして、前回、東京からの参加だったことやコミュニケーションをとるのが難しかったことなども反省点にあげられていた。今回、制作プロジェクトメンバーは募集しているが、そんなに多くを集めることはしないことも確認された。9/24に公開プレゼンテーション。
そのあと、12月と2004年1月にワークショップというか音楽とダンスにまつわる刺激的なレクチャーを公演前に2回すること。内容は音楽をダンスはどのように取り入れたらいいのかが振付家などによく分かるものをメインとするようにしようということになった。そして本番は、2004年の2/7と2/8だ。
TAM研としては審査をするというよりも鑑賞者としての感じ方を伝える役目をしたりお手伝いをしつつ、コラボレーションとか公募という制作を実践的に学習できればと思う。アーツマネージャーたちの顔が見えるだけでもいい機会だと思う。できれば、うまく後期のぼくの授業(アートマネジメント論)とオーバーラップ出来ればいいな。
ぼくの個人的な希望としては、ダンスを興奮させてくれる音楽の領域がいままでよりもぐっと広がってくればいいなと思う。たとえば、西洋クラシックや現代音楽、即興音楽あたりだけではなくて、邦楽とか浪花節、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ音楽とか。
いまどきの路上ミュージシャンとか、逆に忘れ去られてしまったヂンタ、チンドン音楽などの大衆性とか限界音楽的な発想などなど、あっと思わせる音がダンスの未来を撹拌してくれれば嬉しいなあと思っている(そう思うとたとえば、山下残が老人コーラスの人に出演してもらったり、手話〜サインコーラスとして目で音を感じさせたりした試みはいまでも実験的な驚きとしてある)。
15時からは、アルティで京の俊英演奏家シリーズvol.21、宮本釆子(やすこ)パーカッション&マリンバライブ。“Speaking Drums”。初めと終わりにクセナキスの「Rebonds A」と「Rebonds B」を配置し、間も20世紀のパーカッション音楽ばかりで、こういう演奏が大好きなぼくにはとても楽しい「クラシック」コンサートだった。
それに、隣の隈本さんもそうだったようだが、演劇的な動きや照明も多用されて、若い人にも違和感のない新鮮な驚きを与えていたようだった、若い世代の共感もあって。ちょっと演技的には臭い感もなきにしもあったが(小鳥のテープもそれはそれで危うい)、それでも、多様な楽器づかいで、静かな音への集中やボイス使いも堂々としていた。
小太鼓だけのシンプルな演奏(シドニー・ホトキンソン「高貴な蛇」)に注意を集中するときの快感がなんとも気持ちよく、囁きと小豆がざらざらっとこぼれる感触の音が耳にずっと残っていく。
ただ、どうしてこんなに野暮ったいステージ服を着るのかなあというのが残念なことの一つ。いまになると1980年代のテープとマリンバとかの演奏(ゲイリー・クレシャ「天使」)は古めかしくてシンセサイザーなどをテープで聞くのはいやだったが、結構、テープ音が静まったときのマリンバの響きが気持ちよく(もっとマリンバ演奏が聴きたかった!)、そういう反面教師的効果(対比の妙)はあると思った。
さらに、後半のマラカスとテープの曲(ジャヴィアー・アルベロス「テマスカス」)は、なかなかに面白い作品だった。それはテープの音がラテンアメリカの音楽のポリリズムを使っているのと、マラカスという素朴な楽器のダンス的身体運動が愛らしいものだったからである。
アンコールなどにカリンバを効果的に使ったり、万葉集の詞章を韓国のリー・ジョンヘが作曲したり(委嘱初演作品「こいか(恋歌)」)、植木鉢を4つ並べて叩きながら祈りの言葉を英語でつぶやいたりと、これからの可能性に満ちた演奏会だった。
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