Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》Tsukiyama Ikuyo Exhibition-2

vol.481.
10/4(土)
(その2)つき山いくよ展『ほとりで。』GALLERY TWINSPACEとパフォーマンスなど

さて、つき山いくよ展『ほとりで。』スペシャルな、毎土曜日恒例の「ボンジュールツアー」である。身近なパリスへ、いざいかん(いきめやも)。

準備中に、つき山さんがハット帽子の下にカワイイ小鳥を隠したのを目撃した。彼女のあっけんからんとした真っ青なパンツはおフランスだ。タスキはミスニッポンみたいなレトロ感がただよう。旅行案内仕立てのパフォーマンスのはじまりだ。

かなりの人数がギャラリーを狭くしている。山下残さんや納谷衣美さん、上田假奈代さんにモトキシノブさん。久しぶりに見かける顔もちらりほらり。ベートルズファンももちろんかなり交じっている模様。固まってあるいてくださーい、とつき山嬢。

名所案内の始まりは、天満青物市場跡碑である。水運が作った市場。京野菜も届けられたのだろうか。ここに埋まっておりますのは江戸時代のにんじんであります。みると石碑の斜め前に赤いにんじんがちょんと埋まっている。一度なくなってしまったらしい。吉永小百合のうた(天満橋の歌だったか記憶があいまい)がラジカセから流れる。

公園でフランスの国技らしいペタングを実際にしている様子を観察。そこで球技しているみんなは、とつぜんおおぜいの観客が来たので真剣な感じがする。これもちゃんと時間を設定したのかもしれない。ただみても、ルールが今ひとつ分からない。どうもゲートボールと同じでみるよりもするスポーツのようだ。

白いエッフェル塔はこっそりと人知れずベンチの下から生えだしていた。これもゴミと間違われて棄てられていて、また拾ってきたそうだ。蘇生する天満橋のエッフェル塔。

天満子守唄碑に、淀川三十石船舟唄碑。気がつかないだけで、いろいろと置かれているものである。これを発見するのもつき山いくよのアートワールドなのであろう。

(どっちかの碑で記念撮影し、どっちかの碑で)お祈りをして色とりどりの球をもらう。さあ、対岸にある白い大きな球(野宿者たちのお布団干しの横にそれはあった)を念力で動かしましょう。声をそろえて、唱えてみる。
白い大きな玉はお腹の白い大きな辻野さんと一緒に動いてこちらに向かっている。小さなパフォーマンスなのに、距離は長く、仕掛けはローテクなのに大きい。なんと百貨店の屋上にも念力者?が・・

白い大きな玉に向かって、私たちもペタングをする。ビヤンビヤン。うまく投げられると球と球をぶつけそうして囃すそうだ。でも、つきちゃんは何でもビヤン(bien)なのね。投げられた球に飾られてここが次第にステージらしくなってくる。
お疲れでしょうからお茶を。食用菊がどんと入ったコップが設えられていた。食べている人もいて。

さて、ミニコンサートとパフォーマンスのはじまりはじまり、つき山いくよと渡辺智江(ベートルズ)の。川面をみていた親子(おばあさんは足が悪くて娘さんがお世話をしている)が、帰ろうとしてすこし足を止めている。少し雲が出てくると、出るときに干した布団を心配する人もいる。天気の変化を感じる大きな木のもとでの天然のステージである。

ベートルズはCDのジャケットの似顔絵にそっくりだった。予想外だったのはとても彼女の背丈が小さいということ。でも大きく声を出さなくともよく歌詞が聞き取れる。この場の雰囲気で歌詞を創っている。つきちゃんも一所懸命に歌い、そしてシャンソンでは二人が離れまた出会う。シャンゼリゼ通りが身近にやってきて、ストップする二人がじつおかしい。

敷物がしかれていっぷくのアイスクリーム。そして川をバックにパフォーマンスを。ちょうど飛行機の影がビルに映っていく。高速道路と普通の道路が上下にあって、遊覧船はその橋の下を潜り下っていく。公園の小径を自転車に乗った人がすーっと過ぎ去る。目の前を通る自転車がとてもナチュラルだ。

ここだけ、いまだけのアートなのだ。アイスクリームを食べる。朝まで飲んでいた人が集中的に蚊のえじき。アリンコがぼくの溶けたアイスクリームを舐めに入る。意地悪くつつくと、思わず溺死する黒い蟻、悪意が不慮の事故に重なる。一瞬のことだ。

ミニライブのコーナー。ベートルズのソロ。そんなに大声でないのによく聴き取れる。それでも船が通るときなどを計算したりしている。

「イエーイ」に「引越し」は一緒に口ずさんだ。いまは彼女は主婦であって、ふだんは1キロメートル四方を移動する日常なのだそうだ。主婦はエロいといいますが(素敵な人に目と目が合うとそれをそーと自宅に持ち帰るのだそうだ)。MCもさすがにうまく、歌にみあっている。

「ほとりで。」が歌にもなってデュオする二人。
つき山いくよのパフォーマンスでは、帽子から小鳥が見え隠れ。ホホホッ。一瞬でも照れたりすると成立しない彼女の集中アーツは、独特のばくだんである。

《それぞれの方法で それぞれの速さで みんなどこかに むかっている》。
F-I-N。天満橋から川面に向かって大きな終わりの記号が垂れ下がる。


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