Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》Vietnamism

vol.503.
1/12(月)
成人式は小正月だったのに+初観劇(ベトナムからの笑い声『ベトナミズム』アトリエ劇研)など

休日である。何の休日かといえば「成人の日」だという。三連休づくりのために、ハッピーマンデーになってどうも調子が狂う。それにしても姑息な手段だ、月曜日に休みをシフトするのは。きっと経済効果とかをはじいたのだろうし、少しはそういう観光とかのビジネスにはプラスに働いているのかも知れない。

シフトしない休日を考えると何が日付を大事にしているのかが分かるかも知れない。春分の日や秋分の日は変わらない。これは天体のきまりだからどうしようもないからだろうな。4/29みどりの日(実は、昭和天皇の誕生記念日)、11/3文化の日(明治節。こちらは、明治天皇の誕生記念日で憲法公布の日でもある〜というかこの日を日本政府は公布の日とあえてした〜)。そして、11/23勤労感謝の日(天皇が行う重要な日本宗教行事〜天皇の労働でlabour dayが象徴される〜である新嘗祭)も変わらない。それともちろんいまの天皇誕生日12/23も固定されている。

そうそう、「成人の日」のことを話さなくちゃ。
いまぼくが読んでいる『日本の民俗宗教』P110(宮家準、講談社学術文庫、1994)によると、もともと1月15日は小正月と呼ばれていた。そもそも15日は大陰暦では満月になる。そして満月が登るときから時は始まるとされていた古来の考えからすると、本来正月は15日だったのだそうだ。
14日夜、火をたいて年神を迎える。そして15日には農耕の模倣をする余祝や占いが行われる。この日、年神を象徴する訪問者が各家を訪れる地方もある。1/15から11/23の新嘗祭までの間、稲作関係の信仰行事が続く。

そうすると、実は1/15も動かすのはどうもよくないのだということが分かるのではないだろうか。新嘗祭がただ天皇家で行われるから固定しているがこれも11/23やその前後に各地で収穫感謝の行事があるわけだし、11/23と同じく、1/15の祝日性は固定であるべきだった。また、各地の文化は消えていき、天皇関係は強化され増加し残っていく(これは日本書紀などによる神話の正統化から続く幾度もの権力の文化選別の歴史でもある)。

では、本来的な成年式はどうだったか。前書p120には以下のように書かれてある。
《・・かつて男性は13〜19歳ごろに元服したり、褌祝いをして成年となった。また山岳修行や伊瀬神宮参拝などが成人になるために要求された。女子もほぼ同じ年齢のこと、または初潮の際、初腰巻の祝いをし、以後は成女としてあつかわれた。成年式を終えると若者組に加入し、結婚の資格が与えられる。》

もう15日でもなくなった「国家の行事である成人式」は意味がどんどん薄れているのだろう。本来のものを十分に参酌して、地域ごと、人びとの個性ごとに、アーツでなくてもいいから各種文化的な儀礼や行事を復活したり創出して、成年を自覚するための通過儀礼を考え直すことはできないだろうか。いま見ていると大学生は就職活動が通過儀礼のようになっている。さらに選挙権の引き下げなど20歳が大きな区切りにならないようになっていくとすると、もう同窓会を自治体が肩代わりするような成人式などは無意味になっているのは明らかだろう。

今日は成人式に向けてのエッセイがこぐれ日記の大半になってしまったので、豊富な芸術体験は短く。

午前中に、まだまだある小津安二郎のDVDから『風の中の牝鶏(めんどり)』(1948、83分)を見る。
14時からは、ベトナムからの笑い声第15回公演『ベトナミズム』。アトリエ劇研。作:黒川猛、演出:ジラフ教授は変わらないが役者陣はかなり変わって、そういえば馴染んでいた女優二人はいつからだろうかみかけなくなっている。モッコリ係長のマンガとかぶり物は寂しく笑い、二十七年の「本格サイコ・SF・コメディ」は繰り返しのずれを楽しみながら、意外感と既視感で大きく笑う。短い「タイムマシーン」はシュールでほほほ。ただ、お年玉公演のはずの「マンホール」は前の妖怪シリーズよりも少しパワーダウン。惨めな笑いになってしまっていて、これだけが残念だった。

時間があるので、アルティまでいってそこからニュー京都ホテルまで歩く。ゆっくり味噌屋とか手拭い屋をみながら(一条通と油小路通あたり)、新入生キャンプのときに通るべき小径をチェック。寄り道をして(京都府庁あたりも寄るか)も30分ぐらいだろう。歩いていると自転車に乗ったはなに出会う。ぼくは拾得の開場まで時間つぶし。

夢の隊列TOUR 2004。オフノートのツアーである(今日は、はなが出ないのでとてもリラックスできるのが嬉しい)。30名ぐらいは入っていたが、エミグラントだけで7名もいるのだから、本当のクリエイティブな音楽ライブというのはなんて贅沢で元を取れない活動なのだろうかしらと思う。清水さんが来てくれる。チューバの関島武郎の口琴まで見られてびっくり。リコーダーも2種類吹いていたように思うし、トランペットも聴ける。

今回はイマイアキノブのギターとボーカルを一番注意して見て聴いたように思う。川下直広のつねにマイペースで甘くて暑くなりすぎずでも暖かいテナーはありそうでなかなかにない味。船戸博史や中尾勘二、松村孝之はリズムセッションを支えている。もちろん、渡辺勝のキーボードも茫々とした声とは別人のようにくっきりと音を刻んでいる。

後半、愛知から来た、いとうたかおの歌もなかなか。PAを使わないで客席内を回って歌うのは特に好感を持った。22時になって本当は大きい音を出してはいけないですねといいながらアンコール曲を演奏。今日のお客さんはとても濃くて演奏と同じように独特の空気だった。終わってから関島さんと1時間ぐらい話して帰る。


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