Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》TSUKI to KAERU at NEGA-POSI

vol.513.
2/24(火)
「月と蛙」【もちつきLive in ネガポジ】(ライブハウス「NEGA-POSI陰陽」のことにも触れて)

とても楽しみにしていたライブに出かける。といっても、新年度のタフ4(京都橘女子大学文化政策研究センター企画「関西女性と希望のアーティストファイルvol.4」の略)の企画を考えるヒントにしようとも思っているから、動機は完全には純粋にはならないけれど。

月と蛙 第一回【もちつきLive in ネガポジ】。「月と蛙」は三味線(三線やチンドンなど鳴り物も)で和風の音楽(民謡や懐かしい歌謡曲など)を演奏する清水彩月と、洋楽ばりばりギターの岡部わたる(脚に鈴をつけていもいる)の二人組であり、一番はじめの出会いは、清水さんと出町柳の三角州であった野外のライブでお話ししたのが最初。

さて。地下鉄丸太町から5分のライブハウス、ネガポジ(陰陽)は京都でも生き生きとしたミュージシャンを暖かく迎えることでは有数のライブハウスである。http://web.kyoto-inet.or.jp/people/negaposi/

このHPでも徒然の日記がライブの様子を丹念に教えてくれるし演奏しても反応がないことの多い昨今、ここでのフォローはきっと関西のライブシーンをこれからも面白くするのに寄与してくれるだろうと思う。

去年の夏頃に改装され、50席は座れるようになり、居酒屋カウンターとか2畳の座敷もある。早く来てしまったので、この座敷に上がる。結果的にここはいろいろと面白い場所だった。まず、子連れが二組来たのだが、その一組がここに上がってくれたのだった(もう一組は清水さんの親族関係だと思われ、小学1年生のお姉ちゃんと妹が椅子に座って彩月さんの登場をおばあちゃんやお母さんと一緒に待っていた)。

ぼくと一緒に座敷に座っていたご家族は、昨年11月に誓願寺本堂で行われた「平和を願う心のコンサート」ではじめて「月と蛙」を聴き、子どもたちともどもよかったので来られた家族で、お父さんは誓願寺の職員(つまり若いお坊さん)の方だった。その家族の3歳の男の子が、第2部でお餅つきをさせてもらったのだが、終わって、ちゃんと「ありがとうございました」と可愛く言ったのには驚きさすがお寺の息子さん!と思った。

座敷でよかったのは、足の裏が痛かったのでそれが和らいだということもあったし、そのお餅つきのお餅が出来ている様子が上からよく見えたというのもポイントだった。何より、アグラで座りながら演奏を聴くとよりリラックスできる(どうしても手拍子がエンヤとっとと民謡風になるが)。ライブ鑑賞というよりも、親戚の集まりに姪っ子たちが歌っている、というような親密感が漂うステージだった。

第1部は、後ろに案山子がいるステージで、客席の真ん中前にどーんと臼と杵がある状態(地下の暗闇で餅つき、これって健康なのか不健康なのか・・と彩月さんのMC)で10曲演奏される。はじめの2曲はMCなしで、その後に清水さんの絶妙なMCつきになる。小鹿ゆかりさんがこのころに来る。

ただ、色は匂えど散りぬるを・・の始まりを持つしっかりとした第1曲目(「君は子どもだねともっと子どもの君が言う」など歌詞のセンスが光る諸常無常節)や、第2曲目の軽快な「おてもやん」(民謡もこんなに楽しくなる)もタフ4を任せる彼女に聴いてもらいたかった(そのあとは、オリジナルな曲が多かったので)。

3曲目はイノシシをペットにしたオジサンの曲。ポップな感じ。

4曲目は笑い薬についてのもの。これは軽い風刺となっている。京都駅員やお医者さんが笑ってしまうとどうなるかしら。そして、3番のお坊さんが笑ってしまうというところで、誓願寺のお父さんを見ると一緒に笑っていた。狂言的な感じもあるが、歌として人工的に笑うのは難しそうだ。

5曲目は、まつりばやしの頃に。6曲目。賛美歌のようなシンプルなメロディの曲かなと思ったらすぐに転調してロシア民謡みたいな短調になったりと意外と複雑な曲。三味線ではなくすずなどの鳴り物(というか、赤ちゃんをあやす楽器のようなもの)を使う。感じはいささかふちがみとふなと風。ろうそくの火を捧げるように歌う。

7曲目は、不思議な夜。なかなかドラマチックな曲作り。ギターは自在で「エリーゼのために」のメロディが流れたりする。商店街などで演奏するのはちょっと難しいかなと思いつつ、でも素材は秘密倉庫のお店の話なのでぴったりとも言える。何の変哲もない大型店が建ち並ぶ国道を・・・。トーク風の始まりは浪花節的な語り芸とも関係づけられるかも。

8曲目は大地の花。調子のいい曲。歌の感じがふと上々颱風の歌姫たちを思い出す。このメロディと歌い方には受け継がれていく郷愁がある。9曲目に、手作りぽいチンドンを三味線にかえて胸の前につける彩月さん。ヒッチハイクという曲らしい。旅ゆくゴンザエモン・・。

そして、第1部のラスト。どんまい音頭〜餅つきヴァージョン。客席からも手拍子。「どんまいドンマイどどんとマイマイ/あの世もなかなかいいもんだ。」

つねに歌詞はその場に応じて作っていく趣向の音頭だから、もちろん山科三条ヴァージョンとか、タチバナ共学どんまい音頭とかになることができるわけ。こういう歌詞づくりワークショップとかも面白そうだ。

休憩後、演奏つきお餅つきへ。お餅をついてくれるのは、兵庫県和田山町からやってきた「ありがとんぼ米問屋」(黒大豆や玄米セットなどを購入する)のお二人。「こっつんこ」演奏でまずは回ってこずき、そして上手に合わせて杵を下ろす。彩月さんは衣装が替わって手拭い頭にもんぺ姿で再登場。

「百姓小唄」や「恋する季節」でも餅つきをする。客席の男性陣、女性陣、子どもたちも杵を持つ。そして出来たてのお餅がお皿に入れられて配られる。きな粉餅をぼくは食べたが、大根おろし餅もあった。22時になりそうだったので、そのあともう1曲ほど合唱(2枚目のCDにその会場音を入れるのだそうだ)があったと思うが、失礼した。


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