Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》OSAKA arts barrier-free
娘のはなが、NPO法人アーツワークスの鈴木英生さんが全体を請け負っている青年芸術劇場『多様と個性_芸術のバリアフリーを体感する6時間』に来た。ちょうどぼくの司会で宇治市立平盛小学校の糸井登(すすむ)さんの話が始まったときだったように思う。大阪市立中央青年センターのこの事業も自分が関わって3年目になる。
でも来年度の予算はないということ。大阪市におけるアーツ関連予算はいま危機的状態だ。糸井さんの次に話してもらった餘吾康雄さん(大阪市文化振興事業実行委員会チーフ)も、C/Pが休刊となり(アーツアポリアニュースもそうだ)、次の展開を自分として考えている話しをしてもらったりはしたが、ぎゃくにC/Pの役割の大切さを聞きながら思った。
ぼくとしては、去年の秋頃の号のC/Pにあった「途中で放り出すわけにはいかない」(山口情報芸術センター)というフレーズや、糸井さんの日記にあったことば「学校現場でどう変えていくか、どう斬り込んでいくかを考えていくのが、私の役目だ」を引用してとりあえず、30分のトークを締めくくった。
そのあと、濱谷由美子と8名の参加者による創作ステージの完成披露会。後半、ファッションショーになったときのぎこちないみんなと、この衣装を全部作った女性の堂々とした登場のアンバランスな対照が面白い。本田さんなどはじめからつき合ったみんなはさぞその変わり様に感慨を深くしただろう。
あとの打ち上げで知ったことだが、最後の群舞の振付は、クルスタシアの初舞台(95年、横浜STスポットでぼくは見ていたのだが・・)のものだったという。これを聞いて参加者はとても感動していた。ぼくも感動しつつ、覚えていないことが悔しかった。
11時からは、3つのワークショップが同時に行われた。
演劇「心と体の体操〜サイコ・フィジカル・トレーニング〜」、山梨から来ていただいた市川みゆきさん(ゼン・ヒラノゼミナール講師)には、演劇のなかで感情をどう開放するか、そしてそれはこの空間だからこそ安全だという参加者間の了解の仕方、そのテクニックをじつに巧みに見せてもらえた。これだけに参加して帰った人も多かった。
市川さんのワークショップと対照的に、持続する時間が気持ちよくすーっと静かな雰囲気だったのが、ダンスワークショップ「無題のワークショップ〜自分の足で自分を超える〜」。清水啓司さんは、最小限のナビゲート〜「自由にしてください」〜によりながら、自分も自由なパフォーマー群の一員になりつつ、どこへいくかわからない即興の気持ちを、彼がいるだけで、どんどん引き出していた。
参加者には長いなあと当初思われた2時間が、ゆるやかできちんと確かに過ぎていったそうだ。きっと、一人一人の存在と、他者と自分が形づくる空間の関係に優しい注意を向けることで、それを可能にしていったのだろう。
途中のぞくと、はっとするほど美しい景色がそこにあった、みんな自分の居場所を見つけつつあったのだろう。清水さんは、その景色があまりにも素敵なので、20分ぐらいの作品として最後にパフォーマンスしてもらったのだという。
3つめのワークショップは音楽ワークショップだった。三木俊治「音を楽しむ・音を作る〜多様化社会での、より楽しい音楽のあり方をさぐる〜」。二胡のキットは9つになったこともあって、少しはじめ参加者が少ないかなと思ったが、そのうち濱谷組のメンバーなども駆けつけちょうどいい感じになる。横から見ていると、受講者が、三木俊治さんの話術、情熱、突飛な機転におどろき楽しんでいたのがよく見えた。
予定していなかったそうだが、珍しいビデオを見たあと、参加者が答えるクイズ番組になっていた。さてこれはどういう意味があってこの人は笛を吹いているのでしょう?ノーヒントで当てた人にはここのオリジナル楽器(ほとんど瓢箪製だが、とても小さなリコーダーとかいろいろ持ってきてもらった)をあげましょうという。誰ももらえなかった。
映像のなかでも、イヌイットの女性二人が至近距離でナンセンス言葉を歌い合っている姿が強烈だった。ボツアナの子どもの遊びには、複雑で高度なポリリズムが叩かれていて、こうして音楽の伝承が遊びとして自然と行われてきたのだということがよく分かる。葉っぱの音楽。葉っぱは、木からもぎ取るということによって、楽器になる。とても古い楽器である口琴と同じく、音楽でものを言っているようだ。
マラウィの軍楽隊もすごかった。瓢箪のバンドになっていて、腰をかがめて踊る軍隊なのね。闘いも踊りだったことをふいに思い出す。
さらに、その場で楽器を作っている貴重なフィルムとして、竹筒楽器があった。
獲物が捕れると、竹を切って楽器にする。それをみんなで鳴らしながら村に帰る。楽しい帰り道の行進。
さて、どうして狩りのあと音楽を鳴らすのでしょう。このクイズは本当にびっくりするし、これからの企画を考えるためのヒントがいっぱい隠されている。種明かしをすると面白くないので、また三木さんのレクチャーを聴こう。
お昼休みは30分弱だった。13時半からアーツコンペティション。マジックランプの田丸さんらが進行してくれる。60名ほど入っていたのではなかったか。関西でもダントツに多いアーツコンペだった。ただし、無料なので得票は確か施設使用券かなにかになったはずだ。子どもが出る狂言にライブペインティングというセレクションは、このセンターにふさわしいものとなった。
女性コーラスもこうして聴くのはじつに普段着で気持ちがいい。手拍子の民謡にゴスペル。映像とダンスとか朗読劇とかさまざまなバリエーションがありよかった。朗読劇は、素材の良さが大きい。村上春樹の「もしょもしょ」はとくにおかしかった。
そのあと、15時から1時間トーク。これはワークショップのコーディネーターほか出演者にマイクを回して、どんなことが行われていたか、様子が分からないワークショップを中心に話しをしてもらうことを中心にした。山梨の市川さんはいなかったが、ちょうどワークショップを受けていた人の中に八木優美子さんがいたので、彼女にその様子を詳しくしゃべってもらった。
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