Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》winter sunflowers&nature works

vol.519.
3/19(金)
兵庫県立ピッコロ劇団オフシアターvol.9『冬のひまわり』&天神橋商店街・フジハラビル『描写展』

兵庫県立ピッコロ劇団オフシアターvol.9『冬のひまわり』。JR尼崎駅と塚口駅の間でトラブルがあって普通だけが運行されない。そのために10分間開演をずらして公演がはじまる(14:10〜15:26)。これはテロとは関係ない(人身事故?)が、どんどんまちに出ること、劇場に行くことの障害が増え続けている。

携帯電話のスイッチをオフにさせられることがいやで仕方がない(=怖い)人たちだってすでにいるのではないかと前々から思っていて、それが劇場から人びとを遠ざけている原因の一つではないかと考えたりしているが、まちの危険さの増大だって大きな問題であるのかも知れない。

おっと、『冬のひまわり』でした。作、鄭義信。胸がぎゅーっと締め付けられる長台詞があるお芝居だった。演出は、佐野剛、藤池俊館長によれば、まだピッコロ劇団に入って2年目ということ。出演者のなかにも、1年目、2年目の役者もいて、オフシアターを見るというのは、これからのピッコロを探るのにとてもいい企画である。年配の人たちも多く、春休みに近づき高校生もやってくる。金曜日の午後開演というのもそれなりに成立するのだ、仕事が保証されている県立劇団の劇団員たちだから出来ることだろうが。

ピッコロ劇団は、男優の層が女優とともにかなり分厚いこともまた県劇団の強みなのだろうと思う。今日観たゲイやおかまの人たちの話でもあるから男優が活躍したのだろうけれど、なかなかに多様で魅力的な役者たちだと思った。中ホールながら、美術(柴田隆弘)も本格的。財団法人尼信地域財団からの助成あり。

作品の内容は分かりやすいもの。ゲイで吃音の息子が一応の中心。息子が愛する男、その男がホストクラブで働いていたときに一度彼とホテルに行った女が途中から絡む。

さらに、息子の母とポルノ小説家という上の世代の恋愛関係があり、母離れ、子離れできない息子と母の関係が縦の糸。ただ、おかまの人と息子の関係が、友情で結ばれているのかどうかが少し紋切り型のどろどろ関係を救っている(擬似的な姉と妹関係と考えるといいかなとふと思った)。

谷町四丁目。OSAKA・ART・KALEIDOSCOPE[OSAKA 04]〜19世紀バラの宮廷画家ルドゥーテから奇才の写真家アラーキーまでの12作家から繰り広げる花物語〜へ。地下鉄でリクルートスーツの女子学生から声をかけられる。立命館でアートマネジメント論を受講したという。うちの学生たちもがんばっているのだろうな。

大阪府立現代美術センター。この企画について、ぼくも初期の段階で少し意見を言ったような気がするが、それからは、加藤義夫さん(プロデューサー)や、原久子さん(展覧会マガジン編集)らが、大阪府立現代美術センターとともにやってきた展覧会である。

展示室Bは、そのルドゥーテの植物画。古い図鑑の原画を見ていく感じ。科学がアーツでもあるような世界。高知県立牧野植物園所蔵のもの。ここの施設はユニバーサルデザインということもあり(時の経過を意識する内藤廣の設計でもあり)行きたいところでもある。

展示室Aは、ちょうどgrafの人たちなどのシンポジウムがあって(高いテーブルで話しているのを床に座って若者たちが窃視しているようなスタイル)、あんまりちゃんと見れずに残念だったが、押江千衣子や古巻和芳の平面は目立っていた。

予定より早く天神橋商店街へ。アーケードの入口付近でギターを持った男性が緊張して座っている。まだ聴衆は誰もいない。掲示をみると、毎金曜日の17時から2時間、ここの天神橋3丁目商店街の入口付近でライブをするのだという。ここの商店街はまだまだ魅力を持とうと努力しているのだなあと思う。

時間をつぶすのに古本屋が一番手頃。もちろんつい買ってしまうのだが。『アニマル・セラピーとは何か』『歌声喫茶「灯」の青春』『全-世界音楽論〜路上の音へ応答せよ(東琢磨)』『『韓国の伝統音楽』『思い出の童謡・唱歌・わらべうた』。あと、新刊だがミーツ・リージョナル「京阪神建築マップ〜近代建築という街の遊び方。」。

商店街というのは、普段知らない世界を商っている店もよく観察するとあったりする(そもそも何の店かも分からない店舗すらある)。折り箱の店、ハンティングの店、刃物の店などなど。代官山のかまわぬ製の手拭いを売っていたので、ツバメ柄を買う(ナンシー関デザインのお辞儀する部長柄にも惹かれたのだが)。

18時になったので大正建築のフジハラビルへ。大阪府の大阪楽座事業nature works by KIRINDO〜水都への回帰『描写展』の内覧パーティ。石に淀川水系の魚などを描く人中心のもの。かなり大勢の人たち。子どもも石に描いている。これは4階だが、1階にも何やら作品が・・(これはオーナーの藤原さんのいたずらだということ)

パーティのあいだ藤原さんが亡き母堂の思い出と共に作ったサンルームでビールを飲んでいる。そこでぼんやりとNO-MAの話をしていたら、実家が近江八幡にあって、いまはそこを老人憩いの家に貸している初老の男性に会った。

祖父母とか祖祖父母から孫、曾孫への続き、つまり、100年ぐらいののんびりした単位でまちと自分との関係を感じるのに、こういう建物が本当に大切だなと思う夕べである。


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