Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》spiral 202&ending messe
『エンディング見本市』主催:大蓮寺・エンディングを考える市民の会。今日のメイン企画は午前中の公開模擬葬儀だったと行ってみると分かる。でも、この前お会いした死装束の提案をしている寿衣専門の桜さんの展示〜「自分らしい葬送」提案コーナーとして出展されている〜を観たりしてなかなかに有意義だった。
「世界の寿衣」展では、死装束を生前から用意する文化をどうしたら復活できるのか(死後コミュニティで縫うという文化ももちろんあるが)がテーマだと思う。花嫁になるときに、花嫁衣装としてつけたスカートが死装束=寿衣にそのままなる地域や、日本のように嫁ぐときにすでに用意しておく所など、文化人類学的な興味まで喚起されるものであった。
紹介コーナーにはエンバーミングや海洋散骨のビデオ、宇宙葬、骨壺や環境に優しいダンボールの棺、メモリアルオブジェ(京都博國屋〜清水焼)などがあった。
とりわけ、遺骨で作るメモリアルグッズの株式会社レイセキの社長、桝田剛さんは、もともと日本原子力研究所に勤めていた人であったこともあり、どうしてこのような仕事をしているかなどいろいろ話を聴いて面白かった。
彼は墓地開発などをする建設会社や不動産会社などに勤めたあとにこの仕事をはじめたという。遺骨が数珠や曲玉のようなアクセサリーに変身して保存される。お墓になかなかお参りできない人などをターゲットに。子どもさんを亡くされた方などが作られるらしい。ペットをメモリアルにする陶器なども開発していて、ペット葬のことも気になる。
ロビーで少しぼんやり。橋口譲二『職人』写真集をぱらぱら。すると、10年以上前の小鶴家さんが写っていた。チンドン屋ももちろん職人技なんだけれど〜英語でadvertising bandとあった。先週の日曜日、ぼくの目の前に座っていて(病身を押して来られたのだ)、チンドン太鼓を机に置きながら演奏している小鶴家の大将の姿を富山で見たばっかりだったので、写真の保存という機能が驚きになることを確認することになる。
大阪市立芸術創造館。
水の会のvol.8『じ・あんだぁていかぁ』を見損なっていたので、vol.9『スパイラル202』(作・演出・出演:奥野将彰)はぜったいに見ようと思っていた(帰り、『じ・あんだぁていかぁ』の脚本を『スパイラル202』とともに買って読むと、実に面白そうに町の葬式屋さんをコメディ化していた。葬式の時間を描くお芝居はけっこうあるが、その裏の葬儀屋オフィスを描くのは珍しい。でも、葬儀業は実に舞台裏仕事であるという面で演劇ととても近い世界だということがよく分かる)。
19:07〜20:18。
女のマンション(スパイラル202号)に居座る「ヒモ」みたいな男、中西伍郎(原真が、こんな奴いたらホントに避けねばやっていけないなあと思わせる演技)の酔っぱらい帰宅が、お話のはじまり。彼女の誕生日っていうのにね。
このマンションの家賃を払っている女、福田一美は、仕事を探してもいない中西に対して、寂しくなることに耐えきれず強くでることがなかなかできない。得田晃子が、特別に美人でもキャリアウーマンでもない人の良い普通の女を演じるのだが、意外にこういう女性を演じるというのは難しいことではないかなとあとで思ったりする。
そして失業して就職までをこのマンションで過ごすことになる永田宏(橋本浩明)が、酔った勢いで中西とともにやってきて、しばらく奇妙な3人生活を送ることになる。そんな不安定な三角関係をコメディタッチで描くのがメイン。永田は中西とは対照的に炊事も洗濯も掃除もする几帳面な男。再就職だってハローワークにキチンと通って獲得する。
しだいに、一美と永田は共稼ぎの夫婦のように仲良くなっていく(少なくとも中西にはそうみえる)。それは、一美の戦略なのかも知れない(商店街でいいから中西には就職して欲しい〜よりを戻すことだって視野に入れ〜)。が、表面上一美はすでに中西には別れ話をしていて、とても宙ぶらりんな三角関係同居になっている。
吉江(奥野将彰)の役どころは、几帳面なくせに男女の機微には疎い永田に対して、その心理の綾を悟らせる役どころ。でも冒頭ではとても酒癖の悪いサラリーマン役でもある。
もっと観客が多くてもいいのになあと思った。チラシにあるように「とあるマンションに集う男女の話。なれ合いの生活の中で依存しあう人々の姿を描い」た作品である。時間的にも、出演者的にも小品なのだが、こんなに出来の悪い登場人物〜とりわけ、中西伍郎〜をモチーフにしながら、最後は結構爽やかな余韻に持っていくのは、並大抵でないと思う。
そういう面ではこの前見た劇団魚灯「笑役」(山岡徳貴子)と同じ部分に感心したわけであり、あまりにも不況が続いた後にようやく景気が少し上向き加減のいまの気分と近いのかも知れないが、たまたまのことだろうとも思う。
トリムネ肉38円/100グラムの肉屋の話は、それが重大なことだと思う一美と永田、それについて何の関心もない(あとで関心があるように言うことにはなるが)中西の対比など、ディテールの面白さにこのお芝居の出来の90%ぐらいが左右されると思う。
そうするとニュースに流れていた鳥インフルエンザ関連の話が過去のものになった場合、どう再演されるのか、ぜひ再演が見たいからこそ少し気になったし、その演出について楽しみであったりもする。
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