Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》one day's university lectures
8時45分。じぶんの研究室前まで来て、財布を忘れたことに気づく。あちゃ。
1時限目。地域芸術文化振興論(院生はアートマネジメント1)。出席を取って、50名ジャスト。こんなものだ。今日のテーマは「アーツサービス機関」。講義の冒頭にテーマを明らかにしているかどうかも授業アンケートでチェックされるので、忘れずに黒板に書いておく。
中間テスト後はパワーポイントでの6回講義。今日はその3回目(はじめが「アーツマネジメントとは何なの?」、つぎに「アーツマネージャーはどこにいる?」そして今日の「アーツサービス機関のポジション」)。
この3回は、アーツマネジメントの静態論的な解説でかつ存在論(つまり、実態をどう把握し、分類していくかという形)であることも説明する。そして、来週から3回で、動態論でかつ規範論(どうあるべきか。とりわけ社会との関係で何が大切か)的展開をすることも予告。
丁寧に話したつもりだが、今回が一番むずかしかったという感想が多く、知らない言葉が溢れていたと言われる。1回生あたりで、講義を聞く際に必要な抽象的日本語/カタカナ語についてのレクチャーをしておく必要がありそうだ(小冊子を拵えて、事典のように使わすとか)。
マトリックスについては、2回生の端先生の授業でやっているので、分類表自体は馴染み。パワーポイントの弱点の一つは学生の様子をみないで進めてしまう点だ。ときどき顔を上げて学生の様子を見て、寝ている学生が多くなると、ハッとすることを言ったりする。
たとえば、ここってテストに出そうだ、とか、こんな問題を出そうかなとか。今日なら、アーツサービス機関を仮想で作ってもらうような問題にしようとつぶやくと少し注意するようになったし、この分析は自分の卒業研究に役立つのだとか、就職活動の場所として、こういうプラネットワークのような会社もあるのだ(KAVCなどの運営を担っている株式会社)とか、身近に感じられるネタを用意しておくことが少しは授業づくりには役立つなあとは思う。
昨日話したNPO法人DANCE BOXを割愛したりし、主に、JCDNとASIASに話を絞って説明し、感想を書く時間を作るために、9時20分頃には終了する。感想を見ながら、教務課前のメールボックスにいつも入っている様々な郵便物を持って研究室へ。そのなかに、「なにわのバスカーズ第一回独演会」のチラシがある。醍醐交流会館ホール、7/10、18時半開演。「抱腹絶倒のコミックバンド、待望のリサイタル!!クラシックってこんなに面白かったのか!?」
じつは、前に三条京阪の入口近くで、このコミックバンド(といってもメンバーは二人で今回キーボードの人が加わるぐらいだが)の一人、金岩さんの竹トロンボーンと足ピアノ(ベル)の演奏を聴いて、何だかとても健気な感じがしていたこともあり、名刺を渡しておいたところのご案内(もう一人の森本さんはフルートやリコーダーなど)。手紙には、9月のお祭りには是非参加したいとも書いてあって、忘れずに小鹿さんに伝えて、移動するアーツのアーティストファイルに載せて、できれば何らかの形で来てもらえばいいなと思う。
早い食事のあと、成績簿に出席をつけ、4限目2回生文化政策事例研究の準備。「ムック」(図録も含めて)を机に10数冊並べ、それを各自が選んで、自分の関心にしたがって、紹介する作業(ワークショップ)を思いつく。前にチラシを選んで語るという形でアーツのジャンルや場所、支援の有無やターゲット戦略、チケット(票券)戦術のことに注意を向けることをしたが、その発展形であり、そのムックのテーマやターゲットとする読者層、何をいい何をさせようと誘っているかを考えられる設問を準備しておく。
やはり3回生以上の芸術文化鑑賞演習は、自治会の関係があり、30分遅れでスタート。来週と2回で、演劇の概要を話すことにして、今日は、何と、ギリシャ演劇(というか劇場テアトロンの語句由来のことなど)、シェークスピア円形議場、芝居小屋としての能狂言歌舞伎文楽からはじまり、戦前の新劇のこと(築地小劇場など)、そして戦後の新劇を前半すっとばす。
新劇といっても馴染みがないので、杉村春子(文学座)と原節子がいる小津映画『晩春』(これを前の時間に見せたのだが、見た感想はなかなかいいものが多かった)の1シーンを見せて、関連づけたり、本題の「小劇場演劇」の導入には、唐十郎が息子大鶴義丹とマルシアのことでコメントしている写真を使ったりしてみる。
おりがあれば、60年代アングラ演劇のビデオや70年代=第2世代の代表つかこうへいの舞台ビデオなども購入しておけば、もっとじっくりと演劇史を語れるなあと、今年はじめてこのお題をやりだして思う。大学にあるのは夢の遊眠社『ゼンダ城の虜』だったので、80年代「過剰消費時代の演劇」というキャッチ(扇田氏による)にふさわしいデパートの場面を10分ぐらい見てもらう。
90年代以降の演劇というところまで駆け足。ここでも、青年団(たとえば、来年度映画『東京物語』から公演『東京ノート』という風なリンクづけが考えられる)や燐光群などもあればよかったが、唯一あったナイロン100℃の『ウチハソバヤジャナイ』を見せ(これは準備不足なので、はじめの方を適当に)、あっというまに時間が来る(本当は北村想の台詞を紹介したりすることも考えていたが)。
来週は、「関西演劇の今」、これもまたスリリングな授業だ(学生のほとんどは何も感じないだろうが、どこをどうとりあげるか、考え出すと迷いに迷うものだからだ)。鑑賞演習を14回考えるのは、なかなかに面白いしアーツを伝える醍醐味ではあるが、大変なもの。文学部が取れるようになっているが、これは次第に外部にも広げても十分に魅力的かも知れない(学部生への刺激になるかも)。
4限目の事例研究、準備をしていたこともあり、4名だけの事例研究もまずまず。人数が少ないものはだれてしまうことが多く、これもまた難しいものではある。学生が選んだのは、直島とかすずかけのアウトサイダーアートとか奈良美智などの図録ではなく(コンテンポラリーダンスのムックでも当然なく)、銭湯読本、京の市、食器の選び方、和菓子ノートの4冊だった。
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