Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》Pascals-HEKISUI

vol.619.
5/28(土)

ボーダレスアートギャラリーNO-MA『おばあちゃんに教わる縫いもの作り』&碧水ホール*パスカルズ



朝、のどかにパソコンをいらっているうちに、二人のお弁当が出来ている。ちょうど、ボーダレスアートギャラリーNO-MAあたりで12時になるだろう。
大学院のアートマネジメント1の日なのだが、NO-MAへ、15日分として振替しているので、ゆっくりと10時過ぎに芳江と一緒に出かける(今日も2名来ていたし、前にも数名NO-MAに来ていたので、話が今後しやすくなって助かる)。

今日はぼくの方にかなり身体のハンディがあるので(喉の痛みや昨日グネた脚)、ゆっくりと歩いていく。と。マンホールの絵柄に注目。鳥が二羽いるではないか。八幡市の下水道局の蓋なので、八幡市のマーク、鳥が2羽、仲良く「八」の形なのである。二人が見ていると、自転車の女性がわざわざ、八幡市のマークですよと教えてくれる。鳥は何の鳥でしょう? 鳩です。えっ。伝書鳩と思いますよ、と。

もう、5年目になるのに、鳩が八幡市のマークにいるとは思わなかった。近江八幡駅下車、大杉町。この前麩を買ったお店で、少しおかずを買う。あと、食後のアンパン。NO-MAへ。ギャラリーに入ると、中の人が忙しそう。野間さんが来られているのだそうだ(2階へ行かなかったが、降りてこられたときに挨拶した:ひょっとしたら、野間さん本人ではなく、そのお子様かどなかだったかも知れないが)。

芳江はとくに山本純子のアップリケに釘付けになる。わたし、ここなら3時間でも5時間でもいられる、というのを、無理やり、まだ人が来ていないから、庭に行って(そうだ、入り口の方の樹に巣ができたのを見損なった)、お弁当を広げる。こっそり食べていたつもりなのに、プーアール茶を錦織さんに持ってきてもらって、こういうおうちでは、すぐにばれてしまうのだと思う。毒イチゴと芳江。蛇イチゴだろう?いいながら、実はよく知らない。

2階で、芳江は刺繍をやりだす。誰がやった刺繍かわからないけれど、その刺繍に合わせていくものだから「連句」のようなものである。彼女は、二つの青い点があったので、そこを囲うようにしている。蛇?そうか、両方あわすと、お化けかオオサンショウウオみたいになっている(と、ぼくは言う)。秘密らしい(きっと、何も考えずにやっているのだ)。

小鹿さん(自分のTシャツに刺繍していた)とお母さんが来る。いつもオジーのお母さんは若いのでお友達かと思う。この大学院生など二人が来る。4人は、第三区自治会館でのワークショップ『おばあちゃんに教わる縫いもの作り』にも参加した。学部学生が二階に上がってきて、ぼくを間近に見てびっくりする。そうか、明後日の試験対策か。でも、とおくまで来て感心である。

つきちゃんも来る。つきちゃんは、ぼくらと同じく、ワークショップ(古くて綺麗な布を二種類選んでかわいいお手玉を作るところからゆるやかに始まる)は途中までいた。つきちゃんはずっとお手玉の上手なおばあさんとお話をしている。お手玉(おじゃみ)って、いつから始まったのでしょうか。そうねえ。わたしが小さいときからあったのだから、その前のことはわかりませんねえ。なんだか、神話学のような会話である。

つきちゃんの連れとぼくはおじゃみに挑戦する。片手で投げるのがなかなかできない。最高が10回どまり。3つ投げるのも、小学校に行く前、ずっと女の子たちしか近所にいなかったので、出来たはずだったが、これはまるで出来ない。女の子の遊びは小学校に上がると出来なくなる。ときどきみかんでしていたぐらいだが、たしか、おじゃみの歌みたいなのがあって、それでどんどん投げたり重ねたりくずしたりしていたと思う。たまにままごとに呼ばれておじゃみや綾取りをしたことをどんどん思い出す。

82歳のおばあちゃんは、昔は4つや5つも出来たんだけれど、といいながら、3つのおじゃみを平気でする。それも投げ上げる距離が短く、この調子なら、いまでも4つも出来る寸法だと思う。彼女がきっと一番の指導者のはずなのだが、彼女は一人で自分が作ったさまざまなおじゃみをそこに置いておくだけで、ワークショップとしては、おばあちゃんたちの空気を知るということが最大の収穫のようである。

小学校2年生の女の子が一人出来て、やりたいという。でも、針を始めて持ったようで、芳江がなんとか、教えようとするが、はじめうまくいかない。左利きだったのだ。そのうち、熱心にやりだす。途中でぼくたちは、碧水ホールに行くので、手伝ってくれている学生にその女の子のお世話を任せるが、きっと、この女の子は上手だしみんなからほめられて、手芸とかが好きになるに違いないと芳江はいう。わたしも、小学校に入って絵だけほめてもらったから美術の道に行こうとしたのだからという。

貴生川から近江鉄道に乗る。前方に煙。少し出発が遅れる。放火ではないかと乗客の人が言っていた(のどかそうだが、田舎と都会の接点というのもいろいろなひずみが出るのだと思う)。はじめてのパスカルズの国内ツアー。そして、初めての関西。総勢15名か14名で、一人どうしても来れなかったとリーダーのロケットマツさん。

信楽のフリーマーケットとかをやっている人たちが主催で、すでに、ワイワイ広場として、12時からフリマや作品販売、そして「こだわりのフードコーナー」があっていたらしい。碧水ホールの上村さんが照明係をしている。いままでの事業の積み重ねによって、このホールでパスカルズをしたらいいと思わせる何かがここにはあるのだと思う。時代劇映画だったら、ここを借りようと思うのだろうし。

はなたちも来ている。子どもたちがわんさか。手づくりのTシャツを着ていたり、お客さんたちのファッションもちょっとヒッピーとまではいわないが、マイルドなフラワーチルドレン風である。そのうち、お客さんは、座りきれずに、ステージの縁に座っている。ライブのときは、ステージの緞帳をおろして、客席(椅子がかたせられる)だけで、ライブとなっているから(いつもこうしているが)。

ライブの様子は、もうハッピーそのもの。しまいにはやっぱりランニングになる(はじまりのカツラもおかし)石川さんのパフォーマンスもよく出来ている(はなに言わせるといつも変わらないということだが、それでも、いいトリックスターぶりである)。知久さんのかけた前歯がユーモラスである。口琴にも少し影響があるのだろうか。坂本チェロの火花も久しぶりに見た。のこぎり音楽も素敵。トイピアノのあかねさんとバイオリン・リコーダーのうつおさんは双子のようだ。

そうだ。武満徹の話をするならば、この映画音楽『どですかでん』にしよう。きれいなメロディー。そして変化を活かした編曲。アンコールに新曲(初演〜ギターの金井さんによる曲)をしたが、どうも、これでは終われないと判断したのか、もう一曲しますって。こういうところがいいよなあと思いつつ、帰る。




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