Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》2005 arts tsurezure-2


vol.636.
12/23(金)
今年一年をつれづれに振り返る(その2)

以下、月単位にて、手帳など手書きの記録を見ながら―こぐれ日記、日録や日乗を読み直すのはめんどいので―、簡単なメモと記憶のみで綴っていく。

【2005年1月】
演劇7本、ダンス4本、音楽4本、美術7本、映像6本。合計で28本。今になって振り返るとずいぶん多く鑑賞していたものである。後期の試験のあと採点、そして、地方入試と入試採点などがあったし、この月から、演劇力活用ビジネス研究会も始まっている。三田市でこれから出来る豪華なホールのための指定管理者選考のための基準づくりの会議にも出ている(その後、11月に聴いたところでは、その専門委員のうち、私だけが実際の選考委員にならなかったということで、まあ、それでいいのだが、やっぱりなあと思ったりもする)。

このなかで、いまでも印象に残っているのは、売込隊BEAMのコメディとか、西陣ガーデンファクトリーでのセレノグラフィカのダンス(岩村原太の照明と音楽の迫田浩一、小鹿ゆかりの茶水)と村上和司「マイダンス」(後者はきっとブレイクするとメモを残している)。アトリエ劇研の正直者の会。音楽では、磔磔でのこまっちゃクレズマ、京橋駅前で路上演奏していたbug four(瀬戸さんたち)。美術では、井上廣子のレクチャー、大阪成蹊大学で視た小林孝亘、iTohenでのつき山いくよの絵とパフォーマンス。映画では、「スーパーサイズミー」と「父、帰る」。

ちなみに、この月から断酒をしていた。いい人にもなろうとしているね。タフ5(タフとは、アーツマネジメントの荒野をめざしつつ、大学のアーツと社会を結ぶための外部企画でもあるもので、今年でいったん休止することになるもの)の準備もはじまっている。大学当局との温度差を実感するのは、この先かも知れないが。

【2005年2月】
演劇4本。ダンス6本(いまから思うとなんでこんなにダンスに萌えていたっけ・・と思うけど)。音楽4本(このなかには、由良部正美、谷川賢作、文楽のコラボ「古典の新芽シリーズ〜舞踏の源流」も含まれている)。美術12本(福岡に行ってお話をする機会を与えてもらったので、3つの美術館を回ったりしたのだった)。映像3本(トヨタコレオグラファー賞の関係でビデオを百数十本見たというのもあったが)。合計すると29本。すげえ。

若い人達の劇団hacoとかベテランの遊劇体「金色夜叉」とか。ニットキャップシアターとあざない。ダンスでは、ポポルヴフや福岡まな実、垣尾優。木村英一、清水啓司、黒子さなえ、うえたけもとこ。確かに良く見ているし、こうして書き出すとやっぱり関西のダンス濃度はちゃんと出来ている。京都ドイツ文化センターで聴いたシュパーリンガー、栗コーダーカルテットを、小さなスペースで体感できる。美術は、伊達伸明のナミイタが興味深く、藤浩志を地元で見たり聴いたり(彼の紙芝居ライブに出会ったのは嬉しい偶然)、松山賢はずっと追い続けたいと思ったり。「誰も知らない」は想定内の映画だった。

この頃は、人事異動の話とか、来年度の予算案とかそういうことが手帳には記されている。金沢21世紀美術館のオープニングまでずっと熱心にアウトリーチや広報をしていた友人が辞めるという連絡があってずいぶん驚くとともに、この美術館に行く気がしなくなったことを思い出す(彼女は3月末までに是非見に来て!と言っていたのに行かなかったことは悔やんでいるけれど。これが、後期になって文化施設に対して私が距離を置くようになったはじまりの一つだったようにも後付だが思ったりもする)。

東京に行ったり(早稲田大のアートマネジメント教育関係)、滋賀県米原町のホールで話したり(ホールボランティア関係)、福岡でもレクチャーがあったし(県の文化ビジョンについて)、浜松でもアートマネジメントインターゼミナールがあったりしている。京都府の演劇のコンテストとかトヨタのダンスのコンテストとか、まあ、一応研究者?の「社会活動」みたいなことをやっていたわけである。地元の作品審査などもしている。

【2005年3月】
演劇8本、ダンス11本、音楽5本、美術8本、映像3本。合計で35本。ますますすごい(いつもなら、こんなに驚かないのだが、いまが少なすぎるので、隔世の感あり)。

kbsが久しぶりにあっていたね。小さなもうひとつの場所は9回目「魔女の猫探し」であった。態変もばっちし観ている。二人芝居「背くらべ」のウェルメイド感も思い出す。かまなびごえん(いまは「むすび」)の紙芝居にはじめて出会い、橘安純のポエムパフォーマンスや合田清のピアノにも上田假奈代@ココルームで出会う。

ダンスでは、泉北高速鉄道に乗ってしげやんたちのダンスを観たり、羊さんの夢を山下残と見たりした。アンサンブルゾネは健在。「きのうよりワクワクしてきた」で鈴木明男ライブがあったりしていたし、アーツコンペが大阪市中央青年センターであったりもした。築港赤レンガ倉庫でのオープンアトリエ、そして「きのうよりワクワクしてきた」のミンパク、ブリコラージュアートナウは、空前絶後かも知れないと当事者の多くが話していたのが印象的な展覧会である。

後期入試、採点、トヨタの缶詰選考(東京)、名古屋得三、大阪府の関係の審査対象のものを見て回ったりしてもいる。浜大津の紙芝居フェスタ、泉北ダンス計画。よく動いているなあ。

京都橘大学文化政策学科として、はじめての卒業生。ゼミ生たちが、3次会のカラオケでみんな泣いたのにはこちらも心打たれる。3月そして4月にも就職が決まるので、諦めないことがどんなに大切かということを彼女たちから教えられた日々でもあった。

でも、嫌なことも多かった。
タフ5の予算が、アサヒビールからの助成や去年の最後にもらった京都市の奨励金とかをまったく考慮しないで査定され、ずいぶんと動揺しているときに、ある誘いがありずいぶん心迷う(結局は断ったのだが)。それ以外でもまるで覇気のない学生さんなどのことで予想外な出来事の多い月であった。

(注)
やっと、最近1回生を中心に曙光が見え出したところ。でも、ブログでもだいたい「学生さん」と書くことにしていて、アーツマネジメントの若き仲間という扱いなど到底ほとんどの場合は出来ないのだということをつくづく思い知らされている。学生さんだけではなく、すべてのことについていえるのだが、期待値を出来るだけ低くして、それを上回ると喜ぶように心がけることがいまの時代には大切なのである。

当たり前だが、学生さんというのは、大学経営上、親から授業料をいただいて預かっている「かわいい」雛さんたちであり〜つまりは、授業中携帯メールをされたりずっとファッション誌をお読みになっていられたりしても、隣同士で雑音をたてたり教室内外をうろうろ徘徊したりされず、つまり、ちゃんと聞いている学生さんのお邪魔をなされない限りは「かわいい」お客さんなので、にこにこ大学に来てカフェでお茶してもらって生協もご利用していただけたりすることが第一番なのである〜、こちらがあれこれ悩まなくても3回生の終わり頃になり就職活動をしていただくようになると、社会の厳しさがいやでもわかり自分で自分の甘さ至らなさが身に沁みるので、それまではもちろんあれこれ指摘し、キャリアづくりのための方策はいたれりつくせりに提示させていただくにしても、諭しても何してもまったく聴く耳持たない一部の雛さんにやたらかかわることは百害あって一利なしなのである。


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