こぐれ日録 KOGURE Diary 2001.2



12)2/9〜2/11

2/9(金)

6:37、さきと一緒に唐崎から電車に乗る。さきは受験だ。雲がいっぱいだが、東の空は茜色。思わず手を合わせる。昨夜も東の空に月がきれいだった。人はみな、大変なときになると神頼みになる。
回答欄をずらさないように(実際、英語の試験で記号をずらしていて気づいたらしい)、他のみんなは南瓜だと思うこと(賢そうで南瓜には見えなかったらしい)・・山科までにぼそぼそ注意。(夕方仙台から電話すると、面接が楽しかった、と。ペルシャ語、イラン映画の話とか。試験が終わったらどうするの?と言われて金沢市民芸術村でイラン女性/シリン・ネシャットの映像を見るなんて答えたらしい。)

勾当台公園、定善寺通、せんだいメディアテーク(smt)。1/26にオープンしたばかり。県庁や市役所、県民会館や市民会館のある所。
伊東豊雄のガラスの建築。7階建て。威圧感がなく、すれ違う人達の顔がくっきりと浮かんで見える。金曜日のお昼ということもあり、おとしよりの顔も多く、みんな壁がないから空中にみんなが浮かんでいるようだ。「多目的トイレ」(一般には障害者用)ということばも初めて聴いた。障害のある人達は一様でないので、各階の多目的トイレは様々な仕様で作られている。

エレベーターはばらばらにタッチしないといけないので、急いでいると少し不便。最新なのに総合調整されてどれかが止まるという形になっていないのは、不思議。展示が有料だったので階段も使いづらくて、上下のスムーズな移動には工夫がまだいる感じだ。
でも、車椅子アクセスのリーフレットや、音声案内の模型などいろいろ参考になる建物だとは思う。

私は、国際交流事業企画セミナー『21世紀のメディアテーク:バリアを超えて』の打ち合わせ(ワールドミュージックなどの招聘で有名なカンバセーションが経営しているカフェ)まで、うろちょろする。

少しあとの話だけど、カンバセーション関連会社(ブラッセルズというベルギービールがうまい店)の角木さんという人が東京から来ていて、山形から来てくれていた白鷹町アルカディア財団の太田荘一郎さん(私をコグレッチと呼んでいた二人の女性からのよろしくとの伝言)と顔見知りで、二人ともびっくりしていた。
浪岡の山内秀範さんや立木祥一郎さん(夜にこの2人と地元のなみおか映画祭参加者やその友人とともにフランス料理とワインを楽しんだ)、それに山形ドキュメンタリー映画祭の宮沢啓さん(かれはつれづれ日記をきちんと保管してくれていて、すごい量のファイルになっていると)。

図書館の本も浮かんで並んでいる。そのものが何かに支え合われていない感覚。児童図書のフロアーで「すばらしいとき」を検索すると原書も含めて4冊が見つかり、フロアーにいた司書の女性に聴くとすぐにその本のある場所に案内してくれた。そこでは、お母さんと子ども、おじいさんとお孫さんが靴を脱いで絵本を楽しんでいた。

カウンターや椅子も含めて色彩プランは、楽しくなるオレンジとか黄緑とか大好きな色ばかり。すました小さな字のグレー系サインでないのが嬉しい。
あとで7階シアターにてトークショーをする鈴木明さん(建築・都市ワークショップ代表、神戸芸術工科大学助教授)がサインデザインなどをしている。かれはリテラシーを話すが、それは「子供を対象とした家づくりワークショップ」をやってきているからだろう。(シアターは真っ黒で背もたれが高いので顔があまり見えずここでするのはふさわしくなかった、モグラ叩きみたい。あるいは奈良美智の穴の中から顔を出す子どもみたいに見えた。)

若い人達が本屋(ナディフ)の写真をみて、あれこれ話している。
建物の外に本やグッズのディスプレイ。まだここのオリジナルはないから、表参道のナディフがそのまま引っ越ししたわけだけど。宮城あたりは東京がとても近いのでその影響は大きいのは仕方がないことだ。

5階、6階の展示はもっとゆっくり観たかったが、それでも各フロアーにいた女性(アルバイトだと言っていた)がフレンドリーに教えてくれて、アーツが大好きなのがこちらにも伝わってくる。日曜日にはJCDNがする日玉浩史/山崎広太のダンスを仙台市青年文化センター(ここは以前からよく聴いている所だ)に勿論行くのだそうだ。
せんだいメディアテーク開館記念イベント『メッセージ/ことばの扉をひらく」企画:せんだいメディアテーク企画活動支援室(企画協力:桂英史+内田まほろ+阿部一直)。

5階のギャラリー3300(天井の高さが3.3m)は、「メッセージの博物誌」。一番見とれたのは牛乳瓶キャップのコレクション。丸いものへのデザインってマンホールとか気になるものが多い。最近のものには雪印がないので、これはひょっとして自粛なのか?と一瞬思ったが、仙台(宮城)には雪印工場がないためだろうと推察される。各地のコレクションには雪印が多いから。
まるいべったん。古いラジオの木肌は、なでなでしたくなる。

活版印刷機で、「小暮宣雄」を印刷してもらうことができるので、紙に書いて渡す。活字がバラバラになった方がいいですよと言い加えて。結局、どんなものができたのか確かめられなかった。6階のシュビンの「お名前は?」では、kogureと打つと瞬時に(CD-ROMに入っていたからだけど)、ぼくだけの「漢字」(ハングルにも似ている)が出てきた。

入場料800円というのは少し高い感じがするし、また別の時に確かめようとすると入場料がいるのならそれはおかしいよね。ワタリウム美術館でも会期中いつでも行けるパスにしていたし、何だかそんな工夫がいりそうだ。それに6階ギャラリー4200「記憶の扉」を担当していたアルバイトの女性がここには人が少なくてって嘆いていたけど、無料でこんなに素敵な環境で座っていたりでいるから、わざわざ有料の空間にまで来るには時間が必要だと思う。

シンポジウムについては、国際交流基金の菅野幸子さんがきちんとまとめてくれるだろうから特にここには書かなくてもいいでしょう(岡部あおみさんとは久しぶり)。桂英史さんや鈴木明さんと初対面だったが、それをあとで立木さんに話すとびっくりしていた。ぼくって「バリア」が一見ないようにやっていると誤解されるのだなあ。バリアばかりなのに・・。

言わなかったことでずっと気にしているのは「消防法と芸術環境」というテーマ(メディアテークもなんだかすごい垂れ幕装置アイディア。でも一番大切なのは昔の木造やレンガ施設の再利用のこと)。これをアドヴァカシーまでやれると自分が旧自治省にいたことも無駄ではなかったとこになるんだけど。

あと「teens creators site/sight」みたいなのを作ることの是非。京都橘女子大学文化政策学部のPRのためにもなるから入学課に提案してみるか?カノン工房かNPO法人アーツ・カレンダーへの委託になると最高ではないかしら。

明日のストリングラフィの演奏のためにリハーサルをしている水嶋一江さんと制作の八重樫さんに会う。外の2階からガラス越しに不思議そうに眺めている親子連れなどが見える。装置の設置が、いまでは1時間で出来るようになったという。出だしのビバルディは確かに洗練されたなあ。美空ひばり「おまつりマンボ」が一番好きだ。子どもとのワークショップの実績も豊に。
余裕が出来たらまたコンテンポラリーアーツにも挑戦して欲しい。

2/10(土)

アサヒビール音楽講座ライブ+ワークショップシリーズ全3回京都編の最後《音楽の根源はブルースだ!!》。午後7時頃から9時頃まで。いつものように後半は一緒に演奏していたので、時間をきっちり計っていない。

アートコンプレックス1928を今回は、90度回転してステージを作っている。長方形の長辺にミュージシャンが並ぶ。見やすいし聴きやすかった。最後にふさわしくワークショップする楽器はとても大きくてお土産としてもすごくリッチ。アフリカ起源のビリンバウ。でも帰りに遊びたい女性たちはいて、それをもぼくはもらって帰った。

山科駅で高校生ぐらいの女性デュオがフォークしていたので、電車が来るまで、少しかってにビリンバウを鳴らしていると聴いていた男子生徒が不思議そうに(弓楽器を3つも持っているおじさんだからねえ)観ていた。
(詳細はアーツ・カレンダー「こぐれ日記」をみてね)

2/11(日)

神戸アートビレッジセンターにて、マチネとソワレ、具合良く2本お芝居が観れた(詳細はアーツ・カレンダー「こぐれ日記」を)。ギャラリーでは兵庫工業高校デザイン科の発表会。3/17.18はKAVCホールでアンサンブル・ゾネの久しぶりのダンスがある「かかん 果実」。

初めて下北沢OFF OFFシアターに進出する芝居屋坂道ストア商品第13号『あくびと風の威力』作・演出:角ひろみ。15:05〜17:02。前にOMSでやっていた再演を観ているが、かなり手が加えられている。

一方、MONO第27回公演『なにもしない冬』作・演出:土田英生(彼は役者でもある。町役場の文化観光課職員=村の嫌われ者の一人を演じていた)。2階のKAVCホール。田舎の町の空き地。

同じように続けてみているのは、岡山の大森さんに「劇場通い」の星野さん。招待券で入っている私を見て、どれぐらいの割合で招待券ですか?と星野さんに聞かれた。あちゃらではジャーナリストパスとかメディアパス(支援者を含めた関係者パスも別にある)と呼ばれるが、それの方がまわりを気にしないで入れるなあ。

OMSプロデュース「その鉄塔に男たちはいるという」(このMONO=土田英生の名作も戯曲しか読んでいない)が、栗東芸術文化会館さきらでも公演される。京都芸術センターで稽古があるし、できれば、京都橘女子大学文化政策学部のこぐれゼミをこれらと関係づけてやりたいなと思った。


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