こぐれ日録 KOGURE Diary 2001.6
6/25(月)
とても暑い。梅雨の中休み。期末の試験のことやらぼそぼそ考えている。立命館の方は早い締めきりなので、とりあえず作ってしまう。ゼミ生が二人来て、イチハラヒロコの言葉のアートを通じ南芦屋浜のアートワークに興味を持ち出したので、場所を教える。段々畑はどうなっただろう。
京阪三条からアザーサイドへ。9月からはBALの近くに場所を移すと月下美人の山本さんがライブの中で話していた。
そう、今日は待ちに待った月下美人のCD(第2作目)の発売記念コンサートの日。始まる前から席は埋まりつつある。はなもバイトのお金をもらってやってきた。
私の前ににこやかな若い男性が座る。どうもぼくを知っているようだ。ぼくもどこかで会ったか見たことがあるような。異国幻燈舎でお芝居をしていたんですが(なるほど、ヘップホールで彼の姿は役者として見ていたわけだ)、声をつぶしていまは色々劇場にお芝居を観ているという、滋賀県甲南町の生越さんだった。
レッドライオンでの深夜のお芝居(嘘つきだったか)で月下美人の山本佳名子のソロを聴いてファンになったという。さきらにいた中村さんの話や万歳の内藤さんにコメントをもらってびびったことなどを聞く・・・。異国幻燈舎が世田谷パブリックシアターへ行ったときも手伝いにでかけたという。客席までがとても遠くに感じたそうだ。
『ショートケーキ』とタイトルされたCDは2100円、50枚分はバラバラで工場から届いたので、その中にジャケットの撮影のために撮った写真が入ってある。ジャケットはもちろんショートケーキ。白いクリームに濃い臙脂が彼女たちらしい渋さと強さを出している。
20:42〜21:52。このCDに入っている曲はすべて披露した。
出だしはいつもより慎重で緊張している感じがした。重くゆっくりなテンポ。全体的に最近の月下美人は明るく軽くなってきたように思っていたから逆に新鮮。
今日こうして聴くと深い音とどきっとする歌詞、一瞬のとぎれのあとから溢れる抒情が昔から彼女たちの味なのだとしみじみ思う。
ふちがみとふなとに続いて関西に来ていいデュオ(山本佳名子のヴォーカルとギター、石田珠紀のベースとコーラス)に出会えたなあと思うし、滋賀人であることもやはり嬉しい。
(詳細はアーツ・カレンダー「こぐれ日記235」をみてね)
JAM West事務局長の松本さんが大学に来て、11/17の全国大会の打ち合わせ。100人の有料人員を集め本部や協賛金を入れても、せいぜい予算は40万円ぐらいだから、大きい話はできない相談。
蹴上で降りてギャラリーすずきへ。室井絵里さんが「イメージの新様態」シリーズを再度キューションした。金沢健一の鉄の長方形のオブジェが壁に並んでいる。横の縞は腐食によるものだろうか。金沢健一は音のかけらシリーズでお名前はよく知っている(CDブックが新津市美術館から出されている)。が、まだ実際にその鉄を叩く音のワークショップとかコラボレーションなどの実演をみたことがない。
反対側の壁には、(元々は版画出身の人)片山雅史による油絵の正方形の画面がやはり同じ高さで横に並んでいる。色は鉄と違って鮮やかな暖色(黄色からオレンジ)。画廊の4面のうち小さな面は2つとも片山雅史の作品で、日記のようにデジカメで撮られたスナップをもとに一部を切り取って描いたもの。大きさは横に並んでいる中小の正方形と同じもので、縦一列などに組み合わして並べられている。
ART SPACE NIJIでは、嵯峨芸術大学の研究生(混合表現)、松尾有美が、真っ白な壁に白い取っ手をだして、ほんとに小さなものを乗せたり、ピン留めを小さく描いたりしていた。みんな紙くずや種みたいな微少なもので、OBPなどの吹き抜けた空間ならあっという間になくなってしまうだろう。
タクシーで法然院へ。入り口からマリンバとヴァイオリンの音色がするのに、そこは閉まっていた。背後で二人(通崎睦美/マリンバ、喜多直毅/ヴァイオリン)が弾いていたから入りたくて開けようとする。中の人たちは馬鹿な人たちが扉をがたがたしているなあと思ったに違いない。
第51回善気山念佛会のなかのコンサート。梶田住職が法話したあとに、すでにマリンバが軽快に音を響かせていた。16:30からだったはず(10分ほど遅れる。終わったのは17:31)。1曲目はSomething Doing(S.ジョプリン)だったが、これをアンコールで再度やってくれて、私たちはラッキーだった。(内容はアーツ・カレンダー「こぐれ日記236」をみてね)
お金は自由な額を置いていくという仕組み。講話などに遅れたし包み紙も持っていなかった。少ないかも知れないけど1000円ずつ置かせてもらうことにした。
通崎さんに下駄のことを言ったら喜んでくれる。きっと慣れるだろうが、明日でも大学内ではくところから慣らしていこう!通崎さんには、ぜひ和服で京都橘女子大学の35周年事業あたりに来ていただいて(私が大学に提案しなくてはいけないのですが)演奏やお話をして欲しいなあ。
松本さんとよもやま話。確かにOBPに大学院のサテライトということも一考に値する。また、彼はジャーナリズムとアーツみたいなテーマで色々レクチャーできるかも知れないと話していた。
基礎ゼミ。土曜日にみんなで行った島袋道浩の展覧会の話などの学生による日記報告。また、ちょうど伊地知祐子さんの紹介記事が京都新聞にあったので、「コミュニティアート」についての簡単な解説をする。
島袋展の帰りにハーバーランドサーカスで「ラッセン」の絵(イルカ→癒し、ということなのだろうな)を見て感動したという学生の報告があり、「インテリアアート」(商業的に価値が明確についている室内装飾的市場芸術)についてちょっと話す。一番安くても70万円、でも欲しかったという学生の報告に色々考えさせられる。
納谷さんが来てくれて、持参したチラシの完全版下をきかんし印刷というところの人に渡す。紙は思ったより薄い普通の感じのものだった。ポスターもちょっと伸ばして欲しいなとも心で思った。
京都橘女子大学文化政策学部の教員で行う研究会の発表。金武創さんから「文化産業」と「経験経済学」についての濃厚なレクチャーを聞く。彼はスターバックスカフェなどを例に挙げていた。いまだに「芸術産業」ということばに馴染めないので少し質問をしたが、ちょっとでしゃばって色々関係ないことまで言ってしまった(うちの大学に芸術関係の教員がいないことの不満があったもので)。
そのあと金武さんと一緒に、ホテルブライトンシティ山科へ行き、さきに行って指導していただいていた井口さんと合流。タウン情報ペーパーの取材まとめは学生6人で終わっていて、ちょうどタイトルのネタだしだった。投票で「山科に来ちゃいました」となった模様。帰ってから「山科小町」っていうのを思いついたが、すぐにネタが出せなくて残念(でも学生が出していく方がいいから結果的によかったのだろうな)。
ちょっと飲んで帰る。はなとも飲んでしまい、かなり酩酊した模様(記憶なし)。芳江は深夜バスで母親のお通夜へ。さきも一緒。
今日は事務局から人も来ず、私一人でコンソーシアム京都。ビデオはやっぱり「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」をかける。ホームページで最新の情報を調べたのでそれもコピー。それから、伊地知祐子さんが京都新聞で大きく取り扱われていたので、その記事をもとに「コミュニティ・アート」の話をする。
あんまり知識を増やすよりもちょっとでも芸術に触れてもらいたいので、児童文学でもどうかと思いトーン・テレヘン「だれも死なない」から3編を読む。「月夜のダンス」。全然違う二人(ホタルとミミズ)のお話。光が欲しいホタルと光は苦手のミミズ。
次に「痛みについて」。「激痛」を持つアリが初めは、「痛み」をばかげている、と言っていたアイロニーがどう受講生に受け止められたか興味がある。この授業にかなり関係することだし。
同じく「そいつは知らなかった!」。アリが知りすぎて頭が重くて大変になる話。前のアリの激痛に繋がっていると思ったのと、最後の結びが何ともかわいいのでこれを読んで授業とした。
午後から京都橘女子大学。テストを2種類つくり、やっとd2000の本の森岡原稿が来たのでそれを読む。医療や福祉現場に入り込んだ人であるとともに芸術関係者でもある彼の深く悩みがベースに見える原稿。
それに続く私の書いたものを久しぶりに読むが、けっこういいことを書いていて(自分はナルシストなのだろう、自分の文章が一番自分には分かりやすいし教えられることが多い)、文体はかなり違うが少し手を加えれば一つの章を構成するのに問題はなさそうだ。
文化政策研究センターの片隅に自由にチラシを貼れるコーナーができたので、来週はさっそくゼミで学生にチラシを貼ってもらおう。とりあえず、少し自分で貼ってみる(帰りながら、美術のコーナーを作るのを忘れたことを思い出した)。
京阪の普通しか止まらない墨染という駅に初めて降りる。なぜか(というのは墨染の1つ手前に藤森という駅があるのだ)藤森神社のそばの「そうぞう館」までは、5分ぐらいの近さ。飲食店が1階にあってその2階。受付があって奥は50人ぐらいが入れるスペース。小さくても音楽やダンスなどを本格的に公演できる場所だった。
顔見知りの人が多そうだった。板橋文夫のファンは昔から強烈にいて(特にきれいな若い女性が多かった)、その人たちが今もコアになって旦那を連れてきたり子どもと一緒に来ている、という感じがする。終わってから、京阪女性ジャーナル社(月刊新聞アゴラ)の安里他恵子さんという編集長から挨拶されたが、京阪沿線にも独自の文化ネットワークがあるんだろうなと初めて八幡に来てそんなことも思ったりした。
『板橋文夫(p)JAZZLIVE〜アフリカの月〜』。ゲスト:おーまきちまき(うたとアコーディオンなど)&のむらあき(ギター)。19:11〜21:55。
板橋文夫は昨年アフリカへ旅したという。大きな赤い太陽が後ろに飾られている。のっぺりした日の丸ではなく、とげとげがライオンしていて、赤い円の中も幾層にも塗られているような分厚さがアフリカの熱さだ。
前半は赤いTシャツの板橋のソロである。アップライトピアノ。途中でピアノ線を擦ったり叩いたりし出すからいいピアノを提供する所は大変だろうな。
はじまりは、そうぞう館にアフリカの風が吹く、と題して、骨太の和音が響いた。その合間にファンキーなフレーズが混じり出す。全体に大きく堂々とした構え。ブルースぽい「泣き」は一切ない。
1曲目から立って演奏する状態になる。11分。(このあとの熱い演奏についてはアーツ・カレンダー「こぐれ日記237」をみてね)
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