こぐれ日録 KOGURE Diary 2001.11
11/19(月)
大学から寄り道もせずに帰るとショッキングなファックスが入ってきた。これはJCDNメールの文章と同じなのでそこからコピーしてここにアップする。うちの大学の体育をダンスに変えて大谷さんらを雇うとか、赤レンガ倉庫を改造してしまうとか大阪市立芸術創造館と結ぶとか・・・。何か出来ないか?と迷思案しつつ(びわ湖ホールが二人を雇うことができればが一番びわ湖ホールにとってラッキーだろうが・・)。
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トリイホール プロデューサー 大谷 燠氏からの手紙
拝啓
秋もようやく深まってまいりましたが、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。さて、突然のお知らせがございます。今年12月末日をもって、私、大谷燠、及びアシスタントプロデューサーの文がトリイホールを退職することになりました。
トリイホールの運営自体にその原因があるのではなく、(株)鳥居ビルの全体としての経営の問題を見直す必要があり、このようなことになりました。いままで皆様方には、TORII HALLに対して、或いは個人的にも様々なご指導、ご鞭撻、ご協力をいただき深く感謝致しております。皆様方のご尽力なくして、現在のTORII HALLの繁栄はなかったことと思います。
現在まで、ダンスボックスを通じて、数多くのスタッフやアーティスト、助成団体、観客の皆様方と創り上げてきた関西の新しいダンスの状況を、今後どのように持続させ広げていくのかを考えなければなりません。
日本の中ではコンテンポラリーダンスというジャンルは決してメジャーなものではありませんが、IT全盛の現代にあって、身体を基点とした表現は社会にとって益々その重要性を増すものと考えています。
TORII HALLでは1995年からOSAKA DANCE EXPERIENCEをプロデュース。主として関西を拠点に活動する舞踊家、岩下徹、竹の内淳、栗太郎、由良部正美、虫丸、Rosaゆき等を中心に大野一雄や舞踏舎天鶏、室伏鴻、洪信子等が出演し、大阪での新しいダンスシーンを演出してきました。
その翌年、1996年からスタートしたダンスボックスでは、ジャンルを越えた年間約40本のダンス公演、ワークショプ等を企画制作する中で、コンテンポラリーダンスの新しいアーティスト及び観客が生れる環境を作り上げてきました。
また、昨年は大阪市との共催事業として元精華小学校を使って、「精華小劇場コトハジメ〜DANCEBOX特別企画 BODY SCAPE」を企画制作し、地元商店街及び住民の協力のもと、地域社会とコンテンポラリーダンスの新鮮な関係の糸口を見出すこともできました。今年10月にはAsia
Contemporary Dance Festival を開催し、ダンスを通じた国際交流も実施することが出来ました。
これらの活動の結果、関西から独創的なアーティストも誕生し始め、観客も徐々にですが増加しています。この6年の間に積み重ねてきた経験、ネットワークを中断することなく持続できないものかと思案いたしております。
私自身、12月にTORII HALLを退職しますが、3月まで、すでに決定しているダンスボックスの公演とTORII AWARDに関しましては責任をもってやり遂げるつもりです。
応募されたアーティスト、これから応募される方、審査員を快く引き受けてくださった方々、及びこのプロジェクトに協賛してくださった企業の方々にはお詫びのしようもございませんが、TORII HALLでのDANCE BOXのひとつのけじめとして、また関西で初めてのコンテンポラリーダンスの賞を創設する意味の重要性を考えると、規模が縮小されてもこのTORII AWARDは実現したいと思っております。来年以降も、名称が変わっても持続していけるよう努力致します。
その折は、皆様方にご協力をお願いするかもしれませんが、宜しくお願いいたします。
DANCE BOX実行委員会は今後、様々な関係者、関係機関とご相談しながら、関西全域を対象としたコンテンポラリーダンスの創造環境をより豊かなものにするため、継続して活動いたします。公演会場、事務所等、今後の活動を継続していくにあたっての良い情報があれば御連絡ください。
来年1月以降の連絡先は追ってご連絡致します。このような内容のことは実際に皆様方とお会いして、お話しなければならないところ、書面にて失礼いたします。 尚、TORII HALLは今後、代表の鳥居学を中心に活動を持続していきますので、皆様の変
わらぬご支援ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。
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久しぶりにとても怖い夢を見た。大きな楕円形の部屋にいる。そこでは希望者の首を切ってあげるということをどうも仲間同士でしている。私もその仲間の一人のようだ。
私の教え子みたいな若い女性も首をベッドに並べて大きな包丁でまさに切られようとしている。私が彼女を説得してやめさせる。でも彼女は泣き出して余計に不幸にしたかも知れないと自信がなくなっている。
もう一人の女性はリクエストを出して、出来るだけ陽気な音楽を流しながら楽しく殺してという。カウントダウンをみんながしている。そして、ゼロは唱えられずに替わりに血しぶきが飛ぶ。
私がその場を逃げようとすると、周りの人たちがあなたもこの前楽しんで包丁を握って首を切っていたではないですかと言う。それに自殺をしたい教え子を説得するなんて彼女を自分の思い通りにしたいからでしょと言われる。これ以上いたくないと思っていると目が覚めた。4時だった。
そうそう、18日のd2000の発表関係でもとても触発されるアイディアをいくつか教えてもらっていた。怖い夢のことなど書いているよりもできるだけ前向きのコミュニケーションツールを捜さなければ。
たとえば、灰塚アースワークスでも、作品ホームステイのほかに「灰塚イメージ/マーク専門委員会」の動きに注目すべきだろう。地域アイデンティティのためのマークとかキャラクターというと「地域発信」と一体感醸成のために、歯の浮いた広告代理店によるお題目フレーズや、公募あるいは有名デザイナーがご当地産物などを取り込んだような統一シンボルマーク/マスコットづくりとなり、イベントが終わったりするとただのゴミなったりすることがよくある。
そういうのをまずやめようということがすばらしい。
そうして、1)たくさんのキャラクターをそれぞれの整備箇所につける。2)各整備場所にかかわっている人がマークを作成し選ぶ。3)それぞれのキャラクターマークを関連づける。4)イメージ収蔵庫を設けマークを登録する。画期的なのは、統一してから各地域の特色をつけるのではなく、各当事者が自由に自分たちの手で作り選ぶところから出発するところがすがすがしい。
あるいは、パーティで余田卓也さんが、朝日新聞の購読者に配る販促物的な「暮らしの風」を見せてくれる。そこには、彼が前から企画していた、美大生がせっかく作ったのにゴミになってしまう作品を救うというアイディアがあった。そのアイディアを「現代美術のプレゼント!」として懸賞の形にするというのが、余田さんの今度の企画。どれに応募が多いかという調査にもなるし、懸賞と美術という思いがけない組み合わせはうちらの学生へのヒントにもなるのじゃないだろうかと思ったりする。
今日は、大学の公募推薦入試の日。午前中はテストのお世話をして午後は、プレゼンテーション(特技入試/文化・芸術)による文化政策学部の入試を、河原さんと金武さんと3人で楽しくやった。こんな学生たちがゼミにくるといいのになあというのがお二人の実感。でも、二人の受験生とも他の大学(仏教大学と立命館)との併願みたいだから来るとは限らない。
ファッションショーの企画と裏方、そして創作までした生徒と、アナウンサーコンテストに入賞して取材することのおもしろさに目覚めた生徒。後者の生徒は、ニュースキャスターにあこがれる感じのマスコミ志望かと思ったら、法学とかも勉強できるこの大学がいいという、なかなかに珍しくしっかりした受け答えだった。前者の生徒の発表は模造紙や実際の衣装、ビデオを使った楽しいもので、急きょ、大学のデジカメを持ってきて写しておいた。
AO入試と同じぐらいの比重でこれを重視した方が筆記試験だけよりもいいというのが入試判定をした3人ともの意見。夏にもすればどうだろうか?
18:30から、アルティの第2会議室で『創造空間2002アルティ・ブヨウ・フェスティバル公募公演アフタートーク打ち合わせ』。来年の2月〜3月はなんやかや忙しそうだ。
私はとりあえず、2/8〜11のすべてのトークに参加することにするが、どこかが当番になると思うのでそれ以外は楽にやってればいいんじゃないかと思う。
集まった人は、トークゲストが、上念省三、小林昌廣、伊藤茂(神戸学院大学)、井面信行(近畿大学)、高松平蔵、岩崎裕美(アナウンサー)の各氏(あと西田敬一、ケイタケイ、シアターXの上田美佐子のみなさんも当日参加予定)。それに主催者の杉山京子(京都府文化芸術室参事)、松村明日香(京都府文化芸術室芸術係主事)、野崎千恵子(府民ホール総務課長)、船阪義一(府民ホール舞台芸術課長)、矢島克亮(府民ホール総務第二係長)のみなさん。
矢島さんはJAMの全国大会にも来てもらっていたし、D2000の銀本もさっそく購入してもらったということ。アルティ最高なんて単純に思う(インターンシップも頼もうかな?府庁なのでうちらの学生には手が届かないかなあと思っていて避けていたが)。
私は個人的に公務員がダンスに触れるために、という隠れテーマを設定しようと考えていると上念省三さんにさんに冷やかされた(それでもめげない。松村さん、よろしく!)。
今日はゼミはないが、自主ゼミというか、イラストコンテストの同世代賞を選んでもらわないといけないので、京都橘女子大学文化政策研究センターに集合してもらう。
でも、科研費の申請が遅い教員などの問題もあって事務局はイラストの整理をするいとまもなく、じゃあということでゼミ生に整理作業を移行する(これも手伝う仕組みをはじめから来年度も考えよう)。
結局午後の授業が終わった後に、みんなが推薦するイラストをまず10数枚選択して、そこから残っている人たちでけんけんがくがくの選考を進めていた。いろいろと彼女たちの感じ方が揺れたりするのがとても面白い。最後は6人が19時前までかかって、3つの同世代賞と2つの補欠(万が一100%ORANGEさんが同じものを選んだ場合の対策)を選択した。
とても興味深いイラストたちが残ったと思うし、でも、同じぐらい心のこもったイラストを描いた人たちが、5人を含んで237人も応募していただいたことは、とても嬉しい。
もちろん100%ORANGEさんのサイトのおかげが大きいのだが、この高校生世代の表現力や気持ちは捨てたものではないなと思わせるし、学校とは別の本音=闇の感情を応募してきた生徒たち(学校には知らせないでください、というメッセージつき)もあって、とても考えさせられる審査状況(私はカメラを写していただけだが)だった。
帰り、インターゼミナールの2次会で打ち上げをした「うさぎや」に行ったら閉まっていた。向かいの「たぬ喜」に入ったら思いがけなく美味しい野菜の煮物やお寿司、串があって、しかも5人で5000円以内だったので、これもまたラッキーだった。
今日は、大学に行かないがゼミのみんなは明日の準備ができているだろうか?困っていないだろうか?
10時に開く近鉄プラッツのCD屋で『アメリ』のサントラ盤を買う。明日のBGM用(実はちゃんと渡里さんが買ってくれていて彼女には少し悪いことをした)。
今日は先週に引き続き、岩田宗一先生による講義。キャンパスプラザ京都、「芸術をまちへ〜癒す力」。〔芸術と宗教の「癒し」〕というテーマ。
30人弱の受講生だったが、とても強い刺激や感銘を受けた様子が提出してもらうアンケート用紙によってうかがえる。
まず、「日本の伝統と音楽」という流れで、天台宗の六道講式と真言宗の四座講式を聴く。「講式」は日本で発達した語りの声明と言ってもいいもので、このあとに、平家琵琶や義太夫節を聴いたので、流れが一目瞭然(いや一耳瞭然か)だった。
そのあとに、音楽療法の日本の現在が、ヨーロッパ音楽に偏っている現状についての反省が語られ、「音(楽)を聴く」ということの意味についての考察があった。
日本の伝統音楽をやっている人自身が、音楽を担っているという意識がなくて、ただ「能の謡」をやっているという感じだし、周りの人もそう思っているので、なかなか日本の音楽がいまの音楽環境でビビットに活かされないことについての話が興味深かった。
また、仏教(音楽)は、もっと町中に出るべきだという指摘も迫力があった。四条大橋で僧侶が「アウトリーチ」をするという伝統を蘇らせばならない、と。
みんなが顔の見える、そして音が聴こえる現場に、宗教も日本伝統音楽も戻らなければならない。儀式の中に閉じこもっては意味がない。死んだ人だけに語るものではないはずだ。病人の見舞いに僧服姿で行くことを実践しているお坊さんの話も面白かった。
明日の100%ORANGEさんに出すコップがプラスチックのものでは味気ないなと思って黄色いガラスコップを買って、えらい荷物になった(中野陽子さんからカフェの本も返してもらったし)。でも、それをもって長岡天神へ。
長岡京市立中央公民館市民ホール。赤い緞帳などが小学校の講堂を思い出させてもらって懐かしい感じがするホールだ。
2階の喫茶店でハヤシライス。サラダも何もついていないで650円は味やボリュームからしても高すぎる。たまたまカフェの美味しいメニューの本を持っていたので、公共ホールはカフェを見習うべきだという話をしようと思った。が、実際はする暇がなかった。
「平成13年度文化庁委嘱事業ブロック別研修/近畿地区公立文化施設協議会自主文化事業職員研修会」。すでに午前中に、西巻正史(トッパンホール企画制作部長にこの春からなって、水戸から東京に戻っている)さんが「企画が生まれるまで」を話してあったということ。
私が行くと、ちょうど「ワークショップ:音楽の楽しさ探し」の途中だった。まず、ベートーヴェンの「ピアノとチェロのためのソナタ第2番」第1楽章について、京都市立芸大1年生の二人が河野文昭=美砂子夫妻から指導を受けているところだった。
そのあとに、今度は、同大学院を卒業した山口真由美さんと山口博明さん(13日にヤン・サンウォンリサイタルで彼のピアノ演奏を聴いていたところだった)が、プロコフィエフの「チェロとピアノのためのソナタ」第1楽章を弾く。今度は、指導というよりも、河野夫妻と山口ペアとの解釈の対話という形でワークショップが進む。とはいってもキャリアが全然違うから、もちろん啓発されることが山口ペアも多いし、河野夫妻にとっても、このあとに実際演奏するので、大変な部分もある。
西巻さんはこういう形で西洋クラシック音楽の公開レッスンや対話のシーンを作っていて、演奏家の意識もかなりかわってきたのだろうなと思う。このあとのトークで受講者からチェロの位置の質問があった。前の下手隅にいたこともあるが、私もチェロが下手にあるとピアノとチェロの音がばらばらに聞こえて少し寂しい気持ちがしていたから、とても良い質問が会場からあって嬉しかった。
さて、私は75分間のトークを一人でしなくてはいけない(いままで賑やかにワークショップやトークをしていた舞台からポツンと一人になってしまう)。西巻さんからもらっていたお題は「アーツ、その複雑怪奇な人間の営みの面白さ、貴重さ」というものだった。まあ、何をしゃべってもいいということだろうと、何も考えずに気持ちよく思いが漏れてくる気持ちに従って17時になった。
トリイホールのこととかアルティ・ブヨウ・フェスのこととか最近の様々なことがふつふつと私の口から言葉になっているのを確認しているもう一人の自分がいる。
ただ、スタイルを出来るだけカジュアルにしたかったので、アメリや楽音ライブのCDをBGMにして、高い椅子に座って話すというものにしてもらった。学校のようにボードも使ったが。
こんなんで、6万円ももらっていいのかしら?とも思ったが、最近学生におごってあげたりもすることが多いし、色々と活用させてもらいます。みなさんありがとう(これからもお声をかけてね)。
アートコンプレックス1928。カンバセーションの前田さんがいる。明日終わってからここでトークをするので中西理さんは2回見るという。
東京の3人のダンス。クーレストね。珍しいキノコ舞踊団はやっぱりポップだけれど、確かにクールに(冷静で理知的、空気が澄みわたった感じ)ポップなソロだったと終わって。納得。
TOKYO COOLEST DANCE ALLIANCE(訳すと東京‘超冷澄’舞踊連合ってなるかな)『レニ・バッソ×珍しいキノコ舞踊団×発条ト』ソロ・アンソロジー。クール×ポップ×インテリジェンス〜世界も注目する圧倒的に面白い若手3作家の新作が顔を揃えた目玉企画。すでに東京公演(スフィアメックス)も終わり、このあと福岡市イムズ。
19:10〜20:23。20分ずつ。間に5分の場面転換。
はじめにこの企画の中心でもあるレニ・バッソ。北村明子。“dovetail”。振付・演出・出演:北村明子、作曲・演出・演奏(ライブで身体を動かして演奏するから出演でもあるんだろうけど、とりあえず「ソロ」ということで演奏でもいいんじゃないかと):粟津裕介。
Study of live Works 発条ト“衝動とミディアムスロー”。構成・振付・出演:白井剛。クールで知的なためには、題名からも情緒的なふんわかさを排除してインテリなそっけなさがいるよね、という見本。
“ウィズユー2”by 珍しいキノコ舞踊団。振付・演出・出演:伊藤千枝。アートディレクション:生意気(背の高い白いプラスチックのオブジェがいかにも微笑ましくて)。音楽:ammakasie
noka、衣裳:New World Service(セーターの黄色なかわいらしいドットと裸足の足たちの対比が、これからの展開についてどきどきと感じさせる出で立ちだった)。
(詳細はアーツ・カレンダー「こぐれ日記290」をみてね)
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