こぐれ日録 KOGURE Diary 2002.4
4/26(金)
京都橘女子大学は今日の授業のあと、学生は地元に帰ったり旅行したりして(ドイツに行くから休み明けの事例研究を休むと言っていた学生もいた)、長いゴールデンウィークに突入して閉まってしまう。
私の方は立命館の授業が30日にあり、メーデーというものに初めて参加したり5/2は大阪市役所だし、学生ほど余裕はないが、それなりにのんびりすることが出来そうだ。
今日の事例研究は、この前決まった担当のアーツプレースに各自で訪ねる日なので、私はインターンシップの具体化の書類が出ていないアルティに担当の植田さんをつれて行くだけにする(16時から1時間弱、野崎課長から丁寧に説明を受ける。隣接する知事公館も彼女たちの担当だと初めて知った)。電話がいつも話し中だったから、京都芸術センターにはファックスで依頼しておく。
大阪芸術創造館はまあ大丈夫だろう(乾館長以下、よろしくお願いします、インターンシップの希望もあるし)、アートコンプレックス1928は学生がちゃんとすでにアポを取っていた(小原さんにはメールを送ってはいる)。
アトリエ劇研スタッフは今日は新風館でプレイベント。それで劇研の担当学生たちは、寒いのにずっと『ヨルの可能性』を見ていた。ところが、どうして彼女たちがいるのかが分からないでいて、川上=石野組に教えられる。ぼけてるなあ。
川上=石野組(和田も入っている)はアーツカフェ担当、今日は違う形の3つのカフェに行って、色々食べて飲んでから、レジで実は・・・と話を切りだしたという。
この調査も楽しそうでそれなりに苦労がある。相手に名刺をもらうばかりで自分たちはないのが気になったと二人は言うので、名刺を作る需要が学生も多くなるだろう。
これをTAM研のオリジナル通貨ビジネスに出来るかも。アルティで野崎課長から説明をもらった植田さんも名刺があれば確かによかったかも知れない。
なお、ライブ調査を担当する学生には先に京都橘女子大学文化政策研究センターのレターを渡している。
新風館での『ヨルの可能性〜わたしのからだはどうかしている』は19時から始まっていたのだが、組合の春闘要求を提出していたので、40分ほど遅れて到着。
野外なのでかなり寒い。月が秋のような光を放っている。芝居を見せるのには音響などの面で難しいから、ほんとにプレビューという感じ。でも、舞台上でしか会えない役者などがぶらぶらしているので、それはそれで面白いお祭りだった。
ちょうど北村成美さんが新風館の上の方へ行って踊っていた(暴れていた)時に着いたのだが、そのあとも彼女は踊っていたまんまの元気な恰好でずいぶん立っていてみんなに聞かれると「まだ寒くない」と答えていた。前の席でずっと座って熱心に見ていた人たちはほんとに寒かっただろうと思う。こちらはカフェラテを飲んだり会場をうろうろしていた。
砂連尾理+寺田みさこのダンスは20時10分ぐらいから始まって、激しい動きとは対極の普段の動きの構成から入るわけで、野外では地味だから大丈夫かなと思ってみていると、すーっと客席が踊りに集中していくのが感じられた。
ダンスの強さ(芝居に比べて台詞がないだけ野外ではシンプルな吸引力がある)をみた感じがした(木村英一ともう一人の男性がコンタクトインプロビゼーション的に踊ったときも同じように思った)。
ジャレミサの踊りに一緒に出てきて歌ったはなも、トルコ行進曲付きは同じ歌詞がちょっとうるさいかなと思ったときがあったが、なんとかこなしていたようでほっとする。繰り返しの所はスキャットにすればいいねと帰ってからはなと話す。はなは、ジャンクフード(ポテトチップス)を袋からつまんで食べミネラルウォーターを飲んでいたが、砂連尾さんからはだるそうに出ていくようにと言われたそうだ。
午前中、京都みなみ会館で『まぶだち Bad Company』(99分、2000、プロデューサー/仙頭武則、監督脚本/古厩智之)を観た。『害虫』と比較しながら、内容はアーツ・カレンダー「こぐれ日記339」にてアップすることにする。
4/27(土)
こぐれ日録を書いて、昨日観た『まぶだち』をこぐれ日記の方に移す過程でちょんぼ。『害虫』の最後のレビュー部分を消してしまった。まあ、これでもいいかなあと短くなったこぐれ日記を見て、ため息。
大事なことを書いていたような気がするが記憶していないし、記憶していないものは復元は出来ない。それに、たいしたことはなかったのかも知れない。『まぶだち』よりも『害虫』レビューのオリジナルは長かったが、同じぐらいの分量となる。だんだん日記も日録も長くなるから、ちょうどいいのかも知れない。
今日は、2つのアートフェアを見て、少し「時間つぶし」をしてから森ノ宮プラネットステーションで「みかんがむ」というグループのお芝居をみた。黒子さなえさんから、天満橋のgalerie ouというところで踊るというハガキをもらっていて13時のダンスに間に合わせたかったけれど、これは出遅れてしまった。
「時間つぶし」とは書いたけれど、具体的にはプラネットステーションの広場に座って保坂和志の思索している新書を10pほど読んだ、というのが「時間つぶし」の中身で、これはお芝居とかアートフェアとかよりも重要でないということでもない、少なくとも「結果的」には。
「結果的」と書いたけれど、これもいま(4/28の朝)の時点=これを書いているときにそう思ったことで、1ヶ月後や1年後にはまた違った結果がでるだろう。・・・という書き方を保坂和志の『世界を肯定する哲学』(ちくま新書、2001.2)に影響されて真似てしてしまうぐらい、保坂という人は、記憶や夢、リアリティについて独特の思考をしている。アフォーダンスの考えとも近い。
お芝居を見終わっての帰り。京橋のJRから京阪に移る広い通路で演奏していた『サクソフォンタイムズ』(というグループ)の演奏を、「偶然たまたま」聴いた。ここはギターを抱えた人たちなどが競って演奏する場所だ。雨がしのげるし通行量も多い。クレズマーバンドを梅田で聞いたことがあるが、ここもアカペラとか最近種類も豊富になってきている。
先ほどの保坂もどきを続けて「時間つぶし」云々と同じようにいえば、ここで「偶然たまたま」と書いたが、それはそうなのだが、ひょっとしたらこのバンドといつかまた遭遇することがあるかも知れない。大学の行事に呼んだらいいなと思っているから、TAM研のメンバーに相談されて彼ら5人組を紹介することがあるかも知れない。もしそうなったら、今夜の「偶然たまたま」が重要な出来事だったと思い出されることになる。
『このサクソフォンタイムズ』のソプラノ2本、アルト、テナー、バリトンの演奏がつまらなかったらここにいま書こうとしていないから、ただ「偶然たまたま」であっただけでもない。それに、彼ら(一人は女性)の演奏する曲の設定が、ポップス、ジャズ、演歌で、ジャンルにとらわれず多くの世代にストリートを中心に聞いてもらいたいとチラシに書いていることにも興味がある。
実際、輪になって聞いている人たちの年齢層が広くて、古い曲ににこにこして聞いている年輩のカップルと、生音のアンサンブルが新鮮なカップルが隣り合わせなのが嬉しい。
さて、アートフェアは大阪なのに敢えて2カ所に分かれていて、バラバラという評価もあるけれど、同時開催だし住友倉庫関連ということでも共通しているから、同じ学会の長谷川さんもそうだしぼくもそうだけれど、両方回ってみる感じになっている。
ぼくはまずSUMISOへ出かけた。
osaka art fair2002『St ART』。8つの画廊が展示している。面白いのは画廊の人やそのデスク回りが一緒に集まっているので、1つ1つのギャラリーを回るのとは違って、画廊の人とか癖、その雰囲気が同じ空間に集まっているから、比べてみるとそれ自体が面白い集合体になっていることが分かる。
ただ、時にはそれが息苦しいまでの空気になっている場所もあって、美術品を売買する現場が並ぶことの不思議さを感じる(それが専門の幕張などのメッセ会場ならば当たり前いなるのだろうが)。特にCASO『ART in CASO 2002-Portal』の方では、画廊の人の場所が空間の真ん中に何の支えもなくあって、その人がいる回りは落ち着いて見づらい感じもする。
『ART in CASO 2002-Portal』をしているCASOは、地下鉄大阪港駅を降りて行く。大阪市アーツアポリア事業が行われている築港赤レンガ倉庫の隣にある。見ていると池内美絵さんが小暮さんですねと話しかけてくれる。ずっと、大阪市アーツアポリアニューズレター(この前に創刊号が出たところ)のデザインをしていて、ぼくの顔写真をいらっていたから目に焼き付いてしまったらしい。たまたま、3つの手ぬぐいの1つを今日は巻いていた。違うものをしなくちゃいけないな。
(詳細はアーツ・カレンダー「こぐれ日記340」をみてね)
夜は、森ノ宮プラネットステーション1Fパブリックスペースへ。【みかんがむ】Lucky 7 stage『四月はお茶会(症候群)』19:05〜20:17。作/演出:森美幸。4階でも別のところのお芝居が催されていて、来たとき間違ったかと思った。
そうそう、ある芝居を見に行ったとき客演女優の後ろにかっこがきで「みかんがむ」という劇団名がついていて、名前とかに惹かれるところもあり気になって来てみたのだった。
大事件がまるで起きないような劇団名である。そこでのお茶会というのはちょっと古風なテイストを入れつつあるいまどきのカフェ物語りなのかなあと思ったら、もう少し古風な女子寮での話だった。
(詳細はアーツ・カレンダー「こぐれ日記341」にて)
4/28(日)
地下鉄恵美須町すぐ(少し迷ったけれど)のジャングルインディペンダントシアターは、実に賑やかな電気街(でんでんタウン堺筋)の裏側にあった。自主映画の拠点として特に名前はよく知っていたし、お芝居を打つところでもあると聞いていたが、やっと実際にこの場所へ行くことが出来た。
実は、ぼくのこぐれ日記を読んでいる100%ORANGEのファンの役者(河野美苗)さんがそこで公演をすることになったというメールをいただいたから行けたのである。
日記で『最後から2番目の邪魔物』のタイトルがまるで分からないと私が書いたら、それに対して彼女の解釈をきちんと送ってくれて(ぼくもそういわれると最後から2番目の邪魔物が虫歯なのだろうと思えてくる)、ついでに(かどうかは分からないが)彼女たちのお芝居の誘いがあったのだ。
劇団乾杯第4回公演『り』(Re[ri])13:03〜14:25。劇中に大和川とがが出ているし、協力に堺市立青少年センターとあるので、大阪南部の人たちのよう。作・演出:山本握微。「欠伸」「悪日」「あっ首」・・名前からして言葉遊びが好きそうな人である。7名の役者が登場するが、月光飯店の出前(すもも)役の河野美苗は客演。
(詳細は同じくアーツ・カレンダー「こぐれ日記341」にて)
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