こぐれ日録 KOGURE Diary 2002.9-10



183) 9/30〜10/3

9/30(月)

月曜日は忙しい。朝、三条京阪から初めて乗った1限目に間に合うバスで学祭委員の喜多さんにTAM研もチャリティーバザーに協力してくれそうと伝え、大学に着くとさそく234教室に行って3限目のための準備。パソコン設定に四苦八苦。

そのあと清風館に行くともうリボンゼミの中野さんと田渕さんが来ていたから驚きつつ、10/19の100%ORANGEトークショーのチラシづくりと段取りの説明をしておく(そのあとは谷川さんが来て説明を受け自主的に作業をしてくれていた)。
2限目は組合の執行委員会。

昼休みは、あわててパンを買って食べながらメールのチェック。返答。山科芸能文化祭は12/9に変更されたとのこと。

3限目に地域文化行政論。明日の授業から振り替えた学生がいて40数名に増えていた。デジカメで大阪芸術創造館の周りを散歩するように写したところは結構人気があったようだ。やっぱり文字ばかりの前半の工夫をもっとしなくちゃな。

さきらに行こうと思うとかサザンカホールも気になる、KAVCを取り上げて欲しいなど地域のアーツセンターへの関心が高まっているのが嬉しい。大川さんが和田さんと一緒に先週の劇団態変のお手伝いに行って、舞台にめちゃめちゃ感動した話を書いてくれていた(オープニングでわーと涙が溢れてきたとメグに話したらメグも同じだったと)。できれば次回にちょっとインタビューしてみるかな。

画像も音もクリアでBGMつきの授業は初めてという感想。でも、まだ字をノートに写しているとぼくの話がほとんど聞けなかったという感想もちらほら。クリックをもっと遅くして、文字数を減らすか、ここは写す所とか言って強弱をつける必要がありそうだ。

文化政策をこのあたりで復習しよう(数々の先生による定義を見せる)という所から初めて、その文化政策の一つとして文化行政があり(企業メセナ論/文化産業論、市民NPO論など文化政策の奥行きは広い)、その文化行政は国と地域に分かれ、地域文化行政には芸術政策以外にもこういう領域がある。こういう風なことを説明したのだが、少し順番を工夫しないと味も素っ気もなくなる。

そんなわけで、早く2回目まで終了したので、少し「滋賀の経済と社会」に去年書いた自分の論文の1節を「輪読」する。中條さんが高校以来人前で文章を読んだと感想を書いていた。中嶋さんは今日が締め切りの事例研究のレポートを作って渡してくれて、これで大橋さんのものと2つになった。あとアーツカフェあたりは出してくれるかも知れない(よね、川上さ〜ん)。

文学部4回生で公務員志望だった学生が研究室にやってきて話し込んでいるとあっという間に時間がたち、あわててOMSへ。売込隊ビーム『出動せず!』作・演出:横山拓也(終わりの挨拶に閉じ込められた車の中で微妙に挨拶をしていた)。19:02〜20:36。

平均年齢26歳。もうすぐ大学生時代の体力がぐぐっと落ちてくるけれどまだまだ元気そうな。「ヨーロッパ企画」とほぼ同じか少し上?「ベトナムからの笑い声」と同じぐらい?「スクエア」とは?「転球劇場」とは?
そういえばコメディ系(半分)のなかでは珍しく女優陣が充実しているのがここの劇団の特色だろうと思ったりする。

いつもは短編作品で「鋭い切り口と笑い」をこしらえてきた売込隊ビームが、長編でも笑いに挑戦した。今までは長編において、閉塞していく世界を描いていた。ところが今回は、今までの短編の笑いと長編の閉塞的メルヘン世界を合体させ、絶望的な中でのおかしさを求めた出口と結末のない長編のコメディ作品をめざしたのである。

でも、まあ両方のいいところを合わせるわけで、実験故の無理もある部分も感じはした。が、マンネリなどまだまだこの若い劇団には似合わないから、これでいいのだろうと思いながら帰った。平日の月曜日を楽日にして(それも今日はマチネもあり)結構お客さんを入れていたから、支持する層が同世代的に分厚い劇団としても頼もしい。劇団員が経営している「キングマンマ」という飲み屋にも行きたいものだ。

内容に触れずこんな書き方も簡単でいいかなとも思う。当日パンフの役者写真(山田かつろうが代表)はみんな同世代なので肌艶とかが同じでよく似ている。でももちろんそれぞれは識別出来て、両端は綺麗な青空だ。まあ、そういう青空を果たして見ることの出来る人はいるのか(幻覚で見ているという説もあるが)!ということだったのだな(と少しだけ内容に触れてみた)。

これじゃあ、見ていないと逆に分からなさそうなので、おまけにストーリーのキーワードをちょっと・・・中坊村、トンネル(破壊)、レスキュー隊、宝探し、仏像、廃仏毀釈、洞窟、暗闇、自己紹介(せず)、秘密、コスプレ、警察官の娘、薬品会社社員、先祖の言い伝え、光る植物、幻覚、死体、酸欠・・・。

10/1(火)

コンソーシアム京都での地域文化行政論は今日が初回。それでも、すぐに月曜日の京都橘女子大学文化政策学部での回数を抜かすことになる。人数はうちらの学生が月曜日に移ったり断念したりで少ない(10名)。でもまあ、板書はパソコンがやってくれるので草臥れないし、一度やっているので解説は二度目の方がうまくいく。

それに音響はなかなかよかったが、歌詞のある曲はだめという感想もあった。ビジリバ(「ふちがみとふなと」だと思っていたようだが)がよかったと植田さんらが昨日言っていたのと対照的で、なかなかにBGMというのは難しく、そこで無難なクラシックということになるのだなあ。

早く帰るが、さきははなと一緒に京都精華大学へ行って授業を聞いているという。はなよりもノートをちゃんと取るらしくて、大検も不要になればさきも勉強したくなったら大学に行けるのではないかと微かな期待。それにパンも上手に作るし。

10/2(水)

今日のリボンゼミは12名がそろって、夏休みのアーツ体験を話してもらった。時間いっぱいになったのは、人体の展覧会について発表した前川さんへの質問が続いたのと、高梁市の松山踊りで楽しんだ話を中野さんが発表したら宮尾さんも祭りの話になって、浜松のお祭り女、久野さんが西のお祭りは見ているだけ?と言い出して激しいものも岡山にあると反論があったりでえらく盛り上がったりしたからだ。

そのあと、オムソバの屋台を学祭で出すのでその担当決めでめずらしく時間オーバーしていた。コンテストの方も昨年並みには集まったようでほっとする。イラスト審査のあとの100%ORANGEさんのトークショーのチラシ案も中野さんと田渕さんが作って100%ORANGEさんからのオーケーももらったので、少しアルファベットギャラリーとかプリンツとかに送ろうと思っている。

ちょうど10年前に朝日新聞に連載されていた木下直之さんのエッセイを読んだ。『ハリボテの町〈通勤篇〉』朝日文庫、99.4。この文庫の元になった単行本を図書館で少し読んだことがあって気になっていたもの。

ここにある写真たちは読者にどこにあるのか分からないように(変に名所にならないように)気をつけているらしい(ここに写っている昔の神戸駅は知っているはずなのに、いまの神戸駅しか記憶にない)。そういう無名性を持つ写真と短く凝縮したエッセイ。難解だったり気取ったりする文章が多い美術史関係の人としては、一番簡潔でしかも文学的な言葉遣いの人だなあと思う。散文詩+写真なのね。

簡潔なだけに、なかなかすんなり分からずあれこれ推理させられることもある。脇毛を剃ることに反対する木下直之さんらの運動に対して賛同した人から送られてきた脇毛の持ち主が果たして誰なのか。いまだにぼくには謎で(252P「永久脱毛」)、その女性(たぶん)はもちろん脇毛を剃らないようにしているはずだから、どうして本人の脇毛を入れてきたのかが分からない。

まあ、木下氏が行った脇毛剃り反対運動以前に剃ってしまった毛なのかも知れないが、それを保存していたというのも信じにくい。それとも、脇毛を剃ってしまった人を見て、その人の脇毛を送ったのだろうか。でもどうしてか、その理由もつかめない。謎が謎を呼ぶ文章というのもあるものである。

10/3(木)

TAM研。学祭委員の北岡さんと喜多さんが来てチャリティバザールの説明。みんな乗り気で結構仕事を分担しようと言うことになる。チャリティマネーのデザインをすることでちょっと地域通貨の練習になるし、寄付者が複数の寄付先を選ぶ(透明のボックスを4つほど作ってここにチャリティマネーを投票する)ことで自分の意思を伝える手法の実践的な研究ともなる(ささやかなものだけれど)。

大阪市立中央青年センターで第3回目のアートマネジメント体験セミナー。25名ほどが集まって、その中には2回目は来なかった高校生二人もいてほっとする。うちの川上さんも来ていた。彼女らが来週の金武基礎ゼミでアーツカフェの事例研究を後輩に対して発表するということを金武さんから聞いていたので、ぼくにもまとめのレジメを提出してもらうように話す。

今日は特定非営利活動法人ダンスボックス代表の大谷燠さんの話。アジアのコンテンポラリーダンスの映像をまず見せてもらう。特に韓国の女性の踊りがとても興味深く、この前しげやんと一緒に踊った香港のダンスは顔ダンスだったし、12日からのフェスティバルが楽しみ。

Art theater dBと同じぐらいの大きさのメルボルンにある劇場(DANCE HOUSE)では8割ぐらいが政府からの助成で、逆にArt theater dBは8割を収益事業(貸し館など)や自主事業でまかなわないといけないという厳しい事情がある。でも大谷さんは清々しく、3000万円の借金は毎年300万円ずつ返していけばいいのだから、このNPO法人としての活動を10年仕事と思って丹念にやっていくと話した。

特に新世界の周りの人たちの乗りは実に面白いものがあるので、大谷さんとしては自分からは決して閉じないで気長に地域社会とつき合っていきたいと抱負を語ってくれ、カフェでのアートキャバレーなどアウトリーチ的プログラムにも期待が膨らむ。


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