こぐれ日録 KOGURE Diary 2003.1
1/6(月)
少し減ったかとは思うが、大学に行くとまた年賀状が届いているから、やっぱりかなり戴いている。この10年ほど、自分では出さないので本当に失礼をしてきていて、特に旧自治省のみなさんからもらうとちょっとノスタルジックな気持ちがしないでもない。この場を借りてお礼をいうのもなんですが、ありがとうございます。
アドレスがある賀状だけメールする。旅行を正月にしている人は別だが、「正月ぐらいは寝正月」のぼくらには、賀状は劇団などの案内にとってかなり有効だと思う。ゆっくり見えるし、歳だからか送ってもらうとまだぼくも存在価値があるのかなあと思えたりもするからだ。
岡山の大森誠一さんの賀状には、昨年行われた岡山舞台芸術ゼミナールの成果として出来上がった優秀作品を、2/22、23に水沼健演出で公演する(第1回プロデュース)という案内があった。西川アイプラザホールでだから、大学の仕事やダンスボックスがあるしちょっと無理かなあと思いつつ、心が惹かれる。
また、アートファームの新年の新企画に『スロー・シアター・プロジェクト』というのが載っていて内容は分からないがそのネーミングからしていいなと思う。そのコピーは、「感動はゆるやかに満ちてくる」、「時代に媚びない流されない。稀少や弱小や未知の価値ある芸術表現を多彩にクローズアップ。独自の視点でプロデュースする」というもの。
組合はとりあえず新3役を決めないといけない。今週が勝負。3限目の地域文化行政論はユニバーサルデザインのお話。まず、ユニバーサルデザインの概要や原則を話してから、男女共同参画と多文化共生と観光地ルネッサンスを紹介したのに、かなり時間が余る。
ちょっと時間配分を間違ったなあと思いながら、昨日の川西市文化会館などの観察について話す。これでもまだ少し時間が余ってしまった。
沖縄民謡のことなどを学生たちがどれぐらい知っているか、そういう話をすればよかったなあと後で反省。限界芸術と大衆芸術のことなどに話が向けられたのに。
シラバスの締め切り前になって、そうそう、専門演習の掲示板を作っておこうと思い、帰ってから「アーツマネジメントゼミ」(仮称)として掲示板を作っておく。
http://8206.teacup.com/kogure/bbs
1/7(火)
京阪電車七条駅付近の信号機故障。最徐行が続く。合計50分間ぐらいは混雑した車内で立っていただろうな。はじめずっと途中の駅に停車していたのだが、一人の女性が携帯メールをしていて、それが事もあろうにピコピコ音を立てている。まだ他の人はメールしている人もいるが携帯電話を掛けることは辛抱しているときなので、その脳天気で神経がいらだつピコピコ音のありかを振り返ってみる人が続出。
普通でも迷惑なのに気づいていない、その女性は。仕方がないのでぼくが肩を叩いて注意。そのうちに電車はのろのろ動き出して、その結果かなり遅れることが判明。一人の女性が「わたし、店の鍵もっているのよ、ごめんなさい、遅れるから」という携帯メッセージを居ても立ってもいられずに掛けた。
すると、一斉に「課長に朝礼には出れないと伝えてください」「まだ車内なんだよう」・・・ショップや病院、営業所、オフィスなどなどへみんなが携帯をかけ出す。
なんだか、その解禁された直後の携帯モシモシが面白くてにやにや。相手先をそれぞれに想像するし、突然一人ひとりがつながっている職場の情景とかいま乗っている人の地位、友人関係とかがかいま見られるから、この退屈な閉鎖空間をそんなラジオドラマのような想像力で紛らせて乗っていた。
午前中は書類の整理などわりとのんびり。清風館2階のインターネットの前で前田さんと渡里さん(第1期リボンゼミ出身)が日本経済史のレポート作成をしている。ついその内容を見てディスカッションしてみた。日本の高度成長はなぜ起きたのかということと、別の問題かも知れないが、いまの日本の不況を脱するための政策とは?というテーマで書くのだという。
正直、こういう経済と政治的テーマで学生と話ができるなんて、2年前には考えられなかったことなので、やっぱり学生って成長するのだなあとも思い正直嬉しいし、こういう話を出来る場があるといいと思う。でも、彼女たちだって試験やレポートがあるからこういう話をするのだから、別に場面をセットするのも無駄かも知れない。まあぼくはこんな調子で気楽に学生にちょっかいを入れよう。
研究室には1回生が3人。まだ気楽に話をしたりはできない。2期生はTAM研以外に親しい学生がちょっと少ないのでこれをどうするかがぼくの課題だ。でも、やっぱり専門演習のことが気がかり。
大学コンソーシアム京都へ。今日が最終講義。来週にテストをして早くここの地域文化行政論は終わることが出来る。京都橘女子大学は20日が最終講義だけれど。はじめに川西市と北九州市のデジカメを見せた後、最後の締めくくりをする。ハイローズの「ばいばい」(この歌はもしいまぼくがぽっくり逝ったら葬儀で流して欲しい音楽の一つ)で本当にお別れしようと思っていたのでこういう順番にした。親密圏と公共圏の話は少しこなれていないまま話してしまうが、またもう少しすればうまく体系化できるだろう。
久しぶりに「アフォーダンス」の本を読んでいて(エドワード・S・リード『アフォーダンスの心理学〜生態心理学への道』新曜社)、エイブルアートとの関連とかワークショップとか即興と「環境」との関係、あるいは「世界の認識=知覚」を芸術が行える理由とか意味とかを深めるためにこの理論を応用できないか、今年の新しい課題として考えようと思った(ハーバーマスとかもっと読む必要もあるんだけれど)。
1/8(水)
今日のアーツリボンゼミは日記提出とそれをもとに個人面談をしようと思っていた。まあ、半分ぐらいが書いて持ってくると予想したら、どんぴしゃ。学生にあらぬ幻想を抱くことも、不必要な幻滅を持つこともしなくなりつつあるのではないかとほくそ笑む。それに昨年に出した質問へこの6名はちゃんと自分の言葉できちんと答えていて、それは予想以上にすごいと思った。
ただ好きなアーツジャンルは音楽の学生が多い。それももちろん西洋クラシック音楽でなくいまのポップスやロックだ。少しでも将来の仕事と関係させてあげるにはどんなことをしたらいいのか。音楽産業の研究を河島さんはしていたなあと思い出す。個人面談というか、ぼくが座らせて話し出すと結構長くぼくの話を聞いたという感じの学生もいたが、ひとりずつ話すのはやっぱり必要だ。ゼミだとどうも茶化す者もいたりするから。
タフ3の検討ペーパーを作る。書き出すがまだ不明な点が多くこういう企画の始まりは楽しい部分と不安で仕方がない部分が交錯するなあとしみじみ。16時すぎから学部の協議会。予算要求の話や大学院関係のことなど。ぼくは、インターンシップの体系化や就職への対応などを総合的に考える時期が来たと言うことだけを指摘しておいた。
帰るとさきはにこにこ。あることで面接を受けて、ちゃんと高校を中退した理由などを話して伝わったからだという。
1/9(木)
TAM研。√TAMの安藤さんが来て、劇団を結成したけれど、劇団員からいろいろ注文されて大変だと話して帰る。滋賀県日野町の田中さんが碧水ホールのガムランワークショップに参加するかどうか(誰も連れがいないので)で悩んでいる。大丈夫、優しいスタッフだよ。
小西さんがデジカメを買って持ってきてくれた。これからどんどんTAM研の活動を自分たちで記録して、ファイルを作ってもらうとぼくの仕事も減って助かるし、これがアーツマネジメントの仕事の一つ「記録すること」の勉強にもなるんだということを今日は伝えたつもり。あとは、仕事をうまく分担することを学ばなくちゃなあ。
そういえば今日の研究室はずっと学生たちが出入りしていて、あっと言う間に夕方になった。大学に久しぶりに来た学生(彼女ほど自分が追求したいテーマをしっかりと持っている学生はいないぐらいなのだが)は神経的に胃がキリキリするという。そのユニークな学生を見ると、はなもこんな感じなのだろうなと思う。
ブライトンシティ山科の平さんからの誘いで井口さんと木下さんとで夕食。どうしても大学に来れない学生に会うため遠くまででかけた話とかになる。それぞれの先生たちの活動をお互いに知ることもなかなかないなあと痛感。
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