こぐれ日録 KOGURE Diary 2003.5
5/5(月、休日)
帰ってきたら、芳江がさきに話したらしいはなも出た3日の荒れ地ダンスの様子を、さきが自由自在に編集して詩にしていた。ダンスを観た人から生まれたコトバを別の人が受け止め、自分流にピックアップして詩に置き直すという作業もなかなか意外感があって面白いものだ。
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【頭にバケツをつっこみたい】
ぶんぶんぶんぶん
ころがりまわって
はだしになって
木をもって うーうーうー
ぼうぼうとしているよ なつかしい人
相手にしてもらえず
何いっているかわからないと言われた
苦手な場所に
たおれこむ ばさーっと、・・・ばさーっと、
涙がでる
土の中に入る
ばかみたいに いとおしい
ああいう人がいる方がいい
橋の下で
よろしくね の一言
まかしてください
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子どもの日っていうのは、子どもに「まかしてしまう」ことなのかも知れない。朝、気持ちよく山下残ダンスをコトバにして(こぐれ日記2つ分、合計4400字も書いてしまっていた)、いざ、CAP
HOUSEへ。「いざ」なんて書いたけれど、ホントは「のほほん」だ、訂正。
ビールを飲むつもりじゃなかったけれど、村上直子個展「午前十一時」をぐるっと視てからテーブルに座って注文する。まだ午前11時すぎだったから、午前中の光の中で彼女の作品に出会えてラッキーである。「光をたたえる 時間をたたえる そのカラダいっぱいに それ自身を超えるために 午前十一時の光の下」。
新入生キャンプのときに偶然会っている村上さん。彼女はガムランデパートに来た家族連れにも自分の作品のマップをさりげなく渡している。ぼくも便乗してアーツ縁側のチラシを差し出す。広島生まれだから、村上水軍ですね、ええ、と彼女。村上姓は多いし、お墓は島だし。ぼくの母方も広島で「宮地」なのだけれど島で水軍だったようで・・何でもない雑談。
聞かなかったけれど、内藤礼の世界はもちろん彼女も好きなのだろうな。森さんらが夕方になって今度はおにぎりを作っていた。ガムラン演奏会があるからだ。村上さんに写真が剥がれていたと告げる。22カ所中一つだけ、マップの見方を失敗して見つけられなかった作品について教えてもらう。
風と光だけを感じる、静かなアーツオリエンテーリングだ。
そのうちマルガ・サリのメンバーたちによる「ガムランデパート」(デパートというより工場かも知れないと当日パンフに書いてあった。確かに伊勢丹というより東急ハンズだ。だから、ガムランハンズかな)の準備ができましたよと下田展久さん。
今度は、サウンドツーリング。賑やかになる。子どもたちもガムランの楽器群に触れてみる。即興で演奏する。家族4人組がどんどんはまっていくのを見ている。大野さんも楽器にちょこんと座って演奏している。
「ガムランデパート」というのは、一体としてのガムラン楽器群を6つぐらいのパーツに分けて(インドネシア舞踊「佐久間新」というパーツもあった)各部屋に置き、そこでそれぞれに演奏者などがいていろいろ交流できる、という仕組みのことであった。
そして楽器に触れてさらに演奏者たちと一緒に演奏できる。そんな自由な訪問形式の音楽演奏ワークショップであり楽器と音の展覧会である(かってにまとめてしまったけれど、アリオン財団がやっていた「楽器の動物園」に少し近い)。
ぼくは中川真さんに太鼓の原理(大きい面の叩き方の違いで小さい面を振動させることも出来るというのだ)と叩き方を教えてもらった。ジャンベを一度佐渡で教えてもらったことがあるがそれはずいぶんと昔のことだ。おずおずと演奏開始。
初めてですか?なんて誉めてもらうと誰でも嬉しくなる。でも顔が笑っていませんよと言われてはっとする。かなり緊張している自分がある。少しぼくも関係者だという意識が無意識に出てしまいかっこよくしようと思っているのだろうか。まあ、ぼくはそれなりに肩の力が抜けているほうだろうけれど(中川真『サワサワ』(求龍堂、2003.5.17発行)を買って帰り少し読んだ。サインをしてもらうのを忘れた)。
また村上直子の世界に入る。今度は午後の光。光がガラスに溢れてガラスが溶け出しそうになっている流しにも遭遇する。靄のような金属の音たちが聴こえる。ガムランパーツが青空の屋上でしりとりをしている男の子3人の耳にも届く。
いまどきの男の子はけっこう静かだ。いや、そういう親の息子たちだからか。ちょっと解説したい誘惑もあったが、いやいや、「まかせてください」とさきも言っていたなあと思って、やめておく。
16時半頃からのガムランコンサートは結局聴かないで(聴いていたらぼくも参加したのかも知れなかったが)、TAM研の田中さんも出ている「京都府大学吹奏楽連盟第28回合同演奏会」(八幡市文化センター大ホール)を聴いて(第3部のマーチングは見なかったが)、家に戻る。
第1部の西洋クラシックと第2部のポップス。ポップスというかジャズオーケストラでこちらも準クラシックなものだけれど、ここでジャズが楽しめるとは思わなかったので嬉しかった。なお、これを「京合」というらしくて、カホリン先輩(19回目に出たという)がTAM研のボードに書き込んでくれていた。クラシックというのは想い出の想起と縦につながるためにあるのだろうな、きっと。
5/6(火)
さあ、荷物がいっぱいなので芳江に運転してもらって大学へ。来週の金曜日の芸術鑑賞演習で、絵本レビューをしようと思いたったからだ。2時限目は振替で休講。時間が余った学生がケンマイさんのダンスについて広場で語ってくれる。途中で飽きたとかいろいろ言うがそれでいい。それをきちんとコトバとして表現すること。
16時過ぎに京都三条のラジオカフェをやっている立命館大学5年生の太田航平さんが説明にやってくる。小鹿さんらとビーグッドカフェをやっているのだが、小鹿さんもこのコミュニティFMにおける彼の行動はあんまり知らなかったのだ。TAM研の小西さん、上野さん、上田さんが聞きに来る。小西と上野が番組づくりに特に熱心。放送部を作りたいと前から思っていたからだ。
問題はお金。大学へどういう形で持っていくとうまく資金が引き出されるか。彼女たちの説得力が試される。この過程がとてもいい学習だ。
18時からのアーツマネジメント(4)はこれからが本番なのに、4名(そのうち一人は遠いから遅れてくる)。あんまり人が少ないとどうもやる気が失せる。スタジオ録画だとこれからは思うしかないな。
さきらで山崎広太さんが怪我をしたのもやっぱりそういうことが影響したのかなあとも思える。しゃべっていて空しくなってくる。観客が少なすぎるというのもe-ラーニングの問題点だ。やっぱり授業に出た方がいいと思わせるためにe-ラーニングでは発見できないものがあるぞと思わせる方がいいのかも知れない。
小鹿さんと地下茎の天満さん(笹尾さんの後任)が、6/14の竹のワークショップや後期の企画の現地調査に来ている。授業が終わってから一緒に話を聞く。6/14でそうめん流しをするというのは驚いたし実に面白い。もっと小さな事だけかなと思っていたからだ。
そうめん流しって誰がはじめたのだろう。竹関連の知識は専門(竹への愛情家)の彼女たちに教えてもらうとして、そうめん流しについてはゼミ生が調べると面白いなと思う。
5/7(水)
健康診断があるので、朝食を抜いた。体重はかつかつ60キロ代。でも血圧はずっと低いままだ(90/60)。低血圧は朝が起きにくい、というのは若い女性だけの現象なのだろう。ぼくみたいに早起き過ぎる低血圧って一体・・。
基礎演習、リボンゼミ。一人だけお休み。元気そうだし自分たちで机を並べているし、発言も素直、ということで問題はほとんどなし。というかぼくのほうがドジって小アリーナが身体測定で使えず、小鹿さんのダンスワークショップは大アリーナで30分ほどすることになった。
でも、シゲヤンの感想を話してそれに小鹿さんから話をつけくわえてもらったり、小アリーナの使用で相談に来た五島さん(介護者のためのダンスをしたことで山科の濱田さんを知った)や濱田さん(子どもさんが大宅小学校育成学級に通っているお母さん)、佐藤さん(知的障害児関連の相談員)からもコメントをいただくなど、有意義なゼミとなる。
たとえば、「頭にダンス(舞台)が直接飛び込んできたので、コトバには出来ない」、と小西さんが表現するなど、ホントに今年の学生たちの感性(そして実は表現力)は実に豊富で楽しみなゼミである。闇に驚く岩崎さんとかも、いままで本当の暗闇を知らなかったと言っていたし、本質をつく発言が相次いでほんとうにびっくりである。
昼休みに五島さんと濱田さんとで山科地域の障害児者のためのダンスワークショップがうちで出来ないかどうか、総務課と学術振興課に当たる。TAM研の流れでいくのがよさそうなのでその方向になる。始まりは7月の土曜日午前中の線で。
13時から入試関係の打ち合わせ、14時から学生委員会。そのあと学部教授会。割と早く終わったが、一回生の二人(福井さんと土屋さん)が来て実に熱心なのでいろいろ話し合う。福井さんは100%ORANGEが高校生から大好きで「classmate」を見て大感激していた。静岡県内のうちの大学への関心はかなり強いなあと思う。
19時から、春闘要求提出。実はすっかり忘れていて、二人がタフ3を申し込みに行き、その際に谷川さんから指摘されて、やっと気づく。よかった。
5/8(木)
中川真さんの『サワサワ』(求龍堂)はなかなかに本格的だった。読んでいてどきどきした。音が主役なのが彼らしいが、ここまで青春小説だとは想像がつかなかった。学生にお勧めの一冊だ。『音楽芸術論』が難しい学生は、これを読んで音について敏感になって自分の回りを聴くようになってその感想を書けば何とか中川さんから単位をもらえるかも?
雷の光と音がバリには及ばないがけっこう本格的で、パソコンが一度落ちたりもした。コンソーシアム京都、アーツ&セラピーにはそれでも37名が来ていて、ほっとする。岩田宗一さんの声明をめぐる話は、テープがきちんと編集されていて、よくまとまった話になっていて、感動した(どうしても時間が足りないが)。
彼が大学生時代にシューベルトの冬の旅を歌ったときに、それは浪花節みたいだからよくないとか、物売りの声じゃあないと言われたことへの反発が彼の日本音楽研究の原点だったこと。とか、「当道」(盲人の階級組織)による日本音楽の伝承。楽譜が出来たことはその伝承が怪しくなったからだという下りとか、実にスリリング。でも、学生のうちにはなかなか声明の音世界に入れない学生もいたようだ。そう簡単に耳は開放されないし、とても保守的だということを聴いたことがあるし、仕方がないだろうな。
大学に戻って、夜はインターンシップの事前準備会。2回生は上田さんと最近にTAM研に入った隈本さん。隈本さんは八女市出身だったのでぼくも嬉しくなって福岡のことを例にして話す。ぜひ彼女らを北九州芸術劇場のインターンシップ生として来年度からは送りたいものだと思うし、彼女のように高校から演劇部で演劇が大好きな人は是非福岡で活躍してもらわなくちゃなあと思う。
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