こぐれ日録 KOGURE Diary 2004.2
2/9(月)
創造都市の国際シンポジウムが大阪市の国際交流センターで1日中あり、昨日のように抜け出すこともできず、何とか沈黙のなかでやり過ごす。
無反応をできるだけ自分に課していたが、それでも仕方がないので、エクスカーションで空堀と應典院に行く前に、35分ほどぼくの発表をする。あとで聴くと一番早口で通訳者泣かせだったという。エクスカーションは時間がかなり余ったし、外国の人たちはあんまり興味なかったみたいだから、結果論だが16時ぐらいからの出発でよかった。だから少しキチンと45分ぐらい使ってしゃべるべきだったなあと思う。
2/10(火)
処世訓を得た日(「嫌々の義理ボランティア労働は疲れる」)。
それにしても、昨日のエクスカーションは空堀の六波羅さんや應典院の秋田さんにはお世話になった(秋田住職や池野さんら3人で行っていただいた浄土宗のお勤め、これを体験したのは、3日間のなかでの唯一の開放タイムだった。葬儀のときでないお焼香ははじめての経験だった)。
この3日間のお仕事はボランティアだということがはじめて分かって驚きつつ新世界へ。開演まで、週刊朝日が郡山にある冠婚葬祭互助会の破綻の記事を書いているというので買って読む。
いつもに増してアートシアターdBに行くとほっとする。DANCE BOX vol.106“Kimono Series Dance Project”振付:ハイディー.S.ダーニング。由良部正美の身体は、似ていると思った伴戸さんらの花嵐とはやはりぜんぜん別の力があることを改めて思う。Rosa ゆきも久しぶりに見る。音楽がえらく神妙でどうしても睡魔が襲ってきて困った(3日間の会議労働のせいなので、許してくださいね)。
帰り、カフェ4デシリットルのカウンターにあったカワイイ大きな皿を5枚=750円で買って持って帰る。2枚あったのでほっこりと芳江と一緒に使おうと思ったが、5枚あるというのでみんないただき家に持って帰った。カウンターの展示空間にフリマのようにしておいてあるのだという。
この期間に読んだのは、吉見俊哉『「声」の資本主義〜電話・ラジオ・蓄音機の社会史』(講談社選書メチエ、1995)。「大道の蓄音機屋と街頭音楽隊」という節がいちばん読みたかった部分だったが、それ以外の話〜電信から電話に変わるところや、初期のラジオの混信など〜もなかなかに面白かった。
2/11(水)
暖かくなる。
クセノス+さらんプロデュース合同企画公演『ひまわり迷宮』構成+演出:杉山準、75分。6公演の最終回に間に合う。限定50席で前売と当日が同じく2000円。学生は1000円となっていてぼくら大学関係者には嬉しい設定。
内容的にも、若者への媚び(流行のネタとか音楽とか)があるわけではないが、学生たちにも馴染みやすい設定となっている。暗転によるポエティックなシーンのモザイク構成は杉山的ワールドなのだが、転換ごとの跳躍は比較的穏やかなものとなっている。
30歳になった男(葛西健一)とその妻(内海佑子)の今(年老いつつある母との関係にも言及される)が軸になりつつ、高校時代やそれ以前の男のフラッシュバックが随所にあって、甘酸っぱい懐古とほろ苦く後ろめたい感情などが混入した作品だった。
昨夜アートシアターdBに行ったときもそう思ったが、アトリエ劇研まで歩きつつ、こうして劇場へ向かえる幸せを思う。3日間のストレスのあとだからまた格別なのだ。この辺り、松ヶ崎駅前にはりっぱなマンションができつつあるし、中の住宅街には大きな建て売り住宅が販売されている。水が流れて静かなところだから、いつも観劇後はおしゃべりをして歩いたりしないように気をつけなくてはいけないわけである。
この松ヶ崎駅から歩く行き方は、パナクリエイトの松本茂章さんが劇研にアドバイスしたと彼が言っていた。パナクリエイトでいらなくなった座布団がアトリエ劇研にも敷いてあったので、そんなことを思い出す。
アトリエ劇研、旧アートスペース無門館にはじめて行ったのは、10年ほど前、まだ地域創造が出来たか出来る前ぐらいのときで、橋本敏子さんらとここへ遠藤寿美子さんを訪ね(ちょうどその頃井上明彦さんらの自由工場が岡山市と京都で行われていて、その調査と一緒だった)、いろいろと話を聞き、事務所の方からホールを見せてもらった。
真っ暗な小屋で、家屋から続くので、劇場と言うより大きなガレージみたいだなあと感じたのを思い出す。チラシを一所懸命畳んでいる若い人たちがいた。海外でのNPO的小ホールのネットワークのことを教えてもらったりした。遠藤さんは、ぼくらと同じくやはり東京から熊倉夫妻も来たと嬉しそうに話していたなあ。
40分の開場ですと安藤きく(京都橘女子大学の4回生〜文化政策学部が出来ていたら絶対にこちらに入っただろう学生)が知らせている。彼女が制作の責任者なのか。うちらの学生が制作スタッフになることが増えている。この動きをもう少し加速し、目に見えるものにできるかも知れない。若手制作者の懇親会も開かれたようだし。
(詳細はアーツ・カレンダー「こぐれ日記509」をみてね)
2/12(木)
久しぶりに大学に行く。16日にインターゼミで発表する上溝さん、石野さん、大川さんがやってくる。ちょうど小鹿さんから送ってきた写真をパソコンで見る。これを使いながら20分間の発表の練習をしていた。
午後にアトリエ劇研(NPO法人劇研理事)の杉山準さんが来てくれる。いろいろとお願いしたいことがあるが、まずこれから改修しようとしている体育館のスペースを見てもらう。天井までが高いのがいいという感想。問題は天井から何も吊せないことと、電気容量のこと。なお、ここを当分“たちばな芸術交差点「A.C.T」(仮称)”と呼んでおく。
小アリーナを見せるとダンス公演などには最適ではないかという。冷暖房はないけれど(これも電気容量の問題はある)。あと、前にセレノグラフィカさんが踊った場所や清風館のピロティ下を見せる。2005年度のタフ5は演劇のアウトリーチ的展開に絞りたいなあと思う。大学内の劇場化ことはじめである。
17時半から、東部文化会館創造活動室にて、ふれあい“やましな”2003区民ふれあい文化祭『区民ギャラリー』審査会へ。ぼくは去年からはじまったリサイクルアート部門の審査員なのだ。去年は始まりだったのでいろいろ相談を受け担当者まで作ったりしていたが、今年は静か。応募も8点で少し寂しい感じはしたが、けっこう、地味+かわいいもの(玉子の殻を綺麗に装飾したものや、ヤクルトを使ったお雛様など)があって、そういうのに賞を差し上げることにした。
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