こぐれ日録 KOGURE Diary 2004.9



380.9/1〜9/5

9/1(水)

すきっと目覚めた。

9月ですね、ちょっとは、しゃきっとしなくちゃ。

パソコンダウンとか不便で困ったことも多いが、それも新しい変化だと思おう。とりあえず、授業用のibookを家用に使っている。

6ケ月定期が切れ、でも新しい定期を買うのはよして、ピタパと京阪カードを申し込んだ(申込用紙がセットになったものだけが駅には置かれているからで、ベーシックピタパは駅員に言わないとくれない仕組みだと問い合わせてはじめて分かる)。これもまた違うツールになる。便利なのか、お得なのか、本当は分からない。でも、どうしてこうもカードに入れ入れと企業は誘うのだろう。年会費無料とかポイントがたまりますとかいいながら、1年間使わなかったら1300円徴収しますとかちゃっかりとしている。

むかし、親の世代の人たちが新しいサービスや新しい電子機器に抵抗を示していたのを見てずいぶん時代遅れだなあと思った。ときがたち、拒否したりとまどったりする親たちの気持ちが今になるとよく分かる。1980年代ぐらいから本質的なものはすべてそろっていて、あとはどうでもいいことばかり追加されて、かつて自分たちが大切にしていたものたちがどんどん捨てられていく、その無念さが新しさへの抵抗だったのだ、遅すぎるものも多い。

午後1時、「子どもとアーティストの出会い」設立準備室の井手上春香さんが来て、アーティストが授業するときに見学できる日程のことなど、今年度事業について教えてくれた。http://www5f.biglobe.ne.jp/~codomo/

去年に続いて宇治市立大久保小学校(砂連尾理+寺田みさこ、9/23の運動会が本番)、そして新しく、京都市立石田小学校(LOCO、10/19)、そして門真市立第二中学校(セレノグラフィカ、11/9の総合発表会を入れ9回、総合的な学習の時間)が対象となった。

ちょうど、NHKのいまどき一番アーツの次が11/1(月)の予定なので、門真の中学校などいいんじゃないかなあと思って話を聴いている。とりあえず、9/9に見学に行くことにした。

あとの話だが、夜、アートシアターdBに行ったときに栗東市さきらの山本さんに会い、いま滋賀県社会福祉事業団(NO-MAでおつきあいのあるところである)が、障害者の総合的なライブステージをつくっているところで、ダンスは北村成美さん(岩下徹さんも来年度には関係するとのこと)が担当しているという。これもNHKの番組としていいんじゃないかなあと思う。コンテンポラリーダンスということばを使うかどうか、それはむずかしいところかなあとも思ったりはするが。

学生たちは真っ黒小劇場でチンドン練習。井手上さんを連れていきびっくり。エアコンがちゃんと効いていて、ひやっとするぐらいだったから。子ども向けの歌を練習して欲しいと「どらえもん」の楽譜を渡す。さてどんな楽しいものになることやら。なぜか、学生たちが腹筋をしたりするので、ぼくも腕立て伏せとかしてみせる。ここが演劇部みたいな感じがする。フローリングなのでごろごろしながら、箕浦さんがかってにひくメロディを聴いている。「わらの中の七面鳥」(オクラホマ・ミキサーとはオクラホマのフォークダンス曲という意味だがこれが代表曲なので、そうアバウトに呼ばれたりもするし楽譜もいろいろある)など洋ものが多い。

久しぶりにアートシアターdBに行く。ダンスサーカス27。20時の回は満員だった(100名もの観客だったと文さん)。舞踏が4番目だったので白塗りの掃除をするのがおかしかった。ずいぶんとダンスボックスも観客が定着したものだと思う。もちろん、5組のダンサーたちがきちんと人を呼ぶ努力を今回したことが大きいのだろうが、それだけではなく、関係者以外の観客も混じっているように見受けられた。木村英一さんらがいて27日の「ふちがみとふなとwithダンサーズ」(磔磔)は面白かったのに・・と言われる(はなが行っていた)。NHKの関係がなかったらもちろん行ったのだが、でも糾の「そらきり草」が予想以上によかったので、まあ、仕方がなかった(29日に行く手もあったがまあ台風の危険もあったしね)。

(ダンスの内容はじめより詳しいことは、「こぐれ日記558」で報告します。)

9/2(木)

えらく涼しい。雨模様。また残暑はぶりかえるらしいけれど。

朝と帰りの電車のなかで読み終わるのに、ちょうどいい分量。阿部和重『ニッポニアニッポン』(新潮文庫、2004.8)。こういう男の子(引きこもりで饒舌というのは創作的な人格らしいが、解説:斎藤環)も大学に来るのだろうか。すくなくとも同世代の学生がくるのだ。読みすすめると鴇(トキ、朱鷺)の交接と天皇制の維持がオーバーラップしていく。そしてそれはまた『シンセミア』へと行く一筋がすでにここにあった。

3回生の学生(昔のクラス生)がいたので、タフ4のワークショップを誘う。後期になると就職活動もはじまるのだから、大変だ。あんまり積極的だったり、いろんなことが出来過ぎても採用されないと先輩から聴きましたなど面白いことを言う。いろんな話題が飛び交っているなあ。でも、それは京都橘女子大学生のことではないだろう(うちはおとなしすぎるから)。二人は文化政策史という集中講義に出ていて、もうテストがあり終わったそうだ。旅行や航空交通が専門の経済学の先生らしい。どんな授業が全体としてあるのか、ぼくには皆目つかめないが、次年度からは少しずつ整理されてはいくだろう。

ダンスサーカス27の2日目。アートサーカスdB。今日は昨日よりも少し客席に余裕。はじめは「都会の魔女」。Miki Nishida & Mary-Ann Lacey。日本人と外国人の取り合わせ。空手(合気道?)があり、最後はピンクレディのカラオケそのものまで。色つき漫画が投影されていて、カナダでたまたま日本人が見たら、変な気持ちになるだろうと思ったりする。

2番目から4番目はずっと女性ソロ。

野口知子「黄金きゅうっ」。うずくまって少しずつ下手から上手へと動く。赤い歯ブラシで歯を磨きながらゆっくりと動く。最後の暗転でうがい。生活の重さを感じさせる。

戎敦子「ラッピング」。寝ているところは同じ。ふるえて動く。にぎやかな音楽と切れあるそぶり。2番目の野口とはいろいろと対照的。黄色いサランラップの効用を読み、「親切でいい」とかつぶやくところが面白い。半ダースもラップはあるのだが、少ししか使わない。サランラップをヌンチャクみたいにする(体に巻き付けないのがいい)。

野口まどか「涙ふく木綿のハンケチーフください」。女性ソロ3番目。3つのダンスがいつしか不分明になってくる。でも、そのなかでは、この作品が一番力強い感じがする。根拠のない存在感や自信ではるが、それらがその歩き方(無音のなかで)にあるように思える。ポシェットを拾い、なかから実が転がる。

5番目は一人男性の垣尾まさる「こんなてんきに どうやってとぶ」。気持ちよく疾走する。ゆらゆらと、片足バランスでもつれそうになって倒れない。手を床におとしてとんと指を広げる様が興味深い。地べたの感覚で踊っている。地下にうずもれたり(無意識への舞踏的潜入)、カタルシスを天上に求めない意識の覚醒が気持ちいい。ラスト、山下残に彼が出たときのように、壁を走ると垣尾自身が言ってから、じっさい、壁を走った。重力はいつものように彼を壁から床に戻させはしたが。

9/3(金)

今日は大学に行かず、のんびり。

人事院事務局人材局企画課長(いまの課長、今仲さんは自治省の2年先輩)から、「1種等採用職員退職者の意識に関するアンケート調査」が来ていたので、答えて投函(収入がいくらぐらい増えたかも聞かれる。ぼくのように下がったと書くのは例外みたいで、少し戸惑う)。

たとえば、公務から転職した理由を聞かれるので:

ぼくの複数アンサーは(印をつける形式)、

「より興味のある分野へ挑戦したかった」

「より自分を高く評価してくれるところで働きたかった」

「自分は公務員に向いていないと思った」

「仕事の内容(質、やりがい等)に対して不満があった」

「仕事の進め方(セクショナリズム、超過勤務等)に対して不満があった」

「公務の将来展望に疑問があった」。

でも、どうもしっくりしないので、

「その他(アーツマネジメントがぼくのライフワークだから)」と書き込む。

夜に神戸アートビレッジセンター内「1room」にて、「もしもし」(森本アリ&森山英将)のライブを聴く。遠隔電子音響デュオ・環境音楽の少し新しいカタチのライブということ。気楽な感じで聴く。ゲームボーイのほかに、カリンバとか面白いおもちゃぽいものとか。森山のギターイフェクトとゲームボーイがユニゾンしたり。カフェタイプ。500円で発泡酒のみ放題だった。調子が出てしまって帰り、生中2杯。

9/4(土)

AO入試の面談をする。ずいぶんと人数が増えた。

男性ももちろんいる。

NO-MAの関連企画で岩下徹さんの踊りがあったが行けず。タフ4の京都新聞の取材があったようだがそれも立ち会えず。クラリネットとバスクラリネットができる2回生がチンドン隊に入る。大熊亘に偶然出会い、打たれたように感動してシカラムータのCDを3枚も買ったという。学外の音楽集団にも所属しているらしい。

三浦しをん『月魚』角川文庫(04)。この夏、何をしていましたかと聞かれたら、どこにも行かず実に不活発な夏休みだったけれど(芳江に更年期障害というのは男性にもあるのよと言われる)、若い人の小説を少し読んだとは答えることができる。古本屋の父と息子の勝負がなかなかに面白いエンタテインメント。

前に読んだ、柴崎友香は出町柳や鴨川がでて身近だけれど、ずいぶんと感覚が自分とは遠くて勉強になる(安直に美術のはやりを借用すると「スーパーフラット」)が、三浦しをんのこの小説は、古典的なにおいと少女漫画の設定が馴染みやすい感じがした。ブックオフしか古本流通をしらない世代には特に新鮮だろうと思う。映画にすると、後者は、ださいものになりそうだが。

9/5(日)

碧水ホールでワイズマン映画を堪能しようと思ったが、いまいち体調がすぐれずずっと家にいる。芳江が京都芸術センターにいくので(sotto展の最終日、トークあり)、お留守番だ。

はながギターを持って来て、最近の曲を弾いてくれる。夕方地震。さきは京阪電車のなかで地震は感じなかったそうだが、停車と徐行運転などでずいぶんと閉じこめられていた。夜中にも同じく震度4の揺れ。


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