|
こぐれ日録 KOGURE Diary 2006.6 こぐれ日録490 6/19〜6/25
4回生ゼミ(と大学院)は、山科地域体育館の1階会議室にて。机と椅子を取り外すとなかなかフローリングが気持ちのいいダンススペースになるのである。五島さんしかいないのかなと思ったら、Iがいて話している。そのうちにぶんちゃんやくろちゃんも来て、うちのTも来る。今日も2名の小学生がヘルパーさんと一緒に来るのだが、高学年になって、15:30というのは早すぎるようになったそうだ。 からだをつかってあそぼ。ダンスinやましな。ダンスを活用したワークショップのありようが体感できてなかなかに素敵な時間が流れる。しんどくはないのに、気がつくと気持ちのいい汗。障碍を持つ小学生がいることで展開に意外性があり(そのとおりにしてくれないし、面白いことを言ったりしてくれたりするのだ)、あらかじめ定められない部分があるので、その自由さ、隙間の多さがいいのだろう。 一人の男の子は部屋と廊下を行ったり来たりするのだが、今日ははじめてぶんちゃんのトンネルをくぐったし、そのあともずいぶん部屋のみんなのことをキャッチしていることが顔にも動きにも見られるようだと五島さん。目線はあわすのだが、私もこちらから体のコンタクトはとらず、でも、何か手を握ったりしたいなあと思ったら、タッチ遊びに彼をターゲットにしだして、さすがだなと思う。 始まる前、五島さんが林さんに東京で会った話とか四方山話。こうしてアーツマネジメント関係の情報は流れるのである。くろちゃん、あるいはクロクロこと黒子さなえさんが帰ったあと、黒子さんは一人しかいなくても来るのだよなあというはなしをブンブンこと分藤香さんとする。今日は黒子さんと一緒に踊る一瞬があって(ペットボトルダンスをデュオでどんどんかわってすることになったのだった)、結構気持ちよかったが、自分がどう黒子さんと絡んでいけたのかが見えないのでもどかしくもあった。 もう一人の子は数年前にうちの体育館にも来ていた男の子で、はじめはヘルパーさんがしないのでむくれていたが、体を動かし出すとどんどん自分で真似っこするし、最後のペットボトルを持ってデュオをするときには、ほぼでずっぱなしだった。うちの学生たちも楽しそうでよかった。学生と私だけでこんなダンスワークショップが出来たら最高なのになあ・・・来週は飲み会なのでホットペッパーとかをずっと見ていたが結局笑笑か魚民の空いている方でいいやということになる。人数がわからんものね。 ゼミのとき、俳句を作ろうとしてこねくり回すがなかなかいいものが出来ない。
出かけながら、最終テストの一つの案が浮かんでくる。アーツスペース研究は中間テストと同じ形式で行い、応用問題をあとは出そうと思っていた。以下のその案ですでに授業ではこういう仮定の問題を出す予定なので、事前に企画案を考えておいて欲しいと伝えておいている。 ≪(問い) 東大阪市役所の職員となったあなたが文化担当に配置されたと仮定します。そして、東大阪市内のある会社のオーナー会長から、毎年1000万円を文化企画のために市役所へ寄付したいと申し出があったとします。そこで、あなたは上司にその企画案を提案することになりました。あなたならどういう企画書を出すでしょう。寄付者からは「地味でもいいので、市民のみなさんや東大阪市を訪れる人に有意義で心豊かになれるような企画にしてほしい」といわれています。 夜お芝居を見る予定だが、眼がどうもアレルギーで(鼻はずいぶんいいのだが)早く帰ってアートマネジメント論の来週分のレジュメや上のような問題案づくりをした。
さて、大学は基礎ゼミのみ。一人が怪我をしてやすんでいて心配だが、朝起きられない学生がちゃんと来ていて、学祭の出し物について中心になって話し合っていた。あとは、校務。現代マネジメント学科の方がきちんと次年度のゼミ体制などを議論している。こちらも話し合う機会をつくらなくちゃと思い少しだけ2回生ゼミのことを教えてもらった。結構出席率はいいようだ。ある先生と私はどうしてこの二人のゼミだけ出席率が悪いのだろうか、と顔を見合わせたがたまたまだろうと思っておく。 なかなか顔を見なかった4回生が来て、卒業研究のテーマを前のものに戻すという。6月から就職活動をしだしたともいう。みんな4回生になるとどうも私に優しくなるなあ、不思議だ。専門ゼミを持たなくなるとこの感慨がなくなるのだが、まあ、全員が文化政策学科の学生だし、アーツマネジメントスペシャルコースみたいにすれば、そちらの方が有意義になるはずと言い聞かす。 夜は互助会。一昨年、酔ってかなりやばいことをしたようで(みんなよく覚えているなあ、私はかなり記憶があいまいになっているのに・・・)、今日は自粛。高校の先生と歓談したり、日頃お話ができない人と最後まで話して若い事務局の二人を待たせて悪いことをした。さて、明日は中間テストだ。
ただし、コンテンポラリーダンスとか演劇でもかなり高度なものを突如見ることになるので、その準備体操をどうしていくのか、また、こちらで出来ることを考える必要がある。特に自分は舞台芸術が好きだと思っている学生が実は商業ミュージカル程度の鑑賞経験しかないというのが実情だから。喩えれば、やっと将棋の並び方と動かし方が分かった人が初段の人とするためには、飛車角落としぐらいではまだまだ勝負にならないからなあ。 昼休みに京都府の人たちが大勢で来られる。先生、先週あたりクシャミを三回ぐらいしなかったですか?どうりで花粉症がなかなか解消できないのだなあ。 自分探しの旅は150名。また傘がなくなったという。大学内のこういうありふれた事件というか倫理観というか、気になるところ。NPO法人ユニークフェイスの話をしたり、澤田知子の写真集を見せたり。高校の授業で彼女の写真を見たことがあるという受講生が多くて、少しびっくりする。もちろんschool daysは見てなかっただろうけれど。終って「友達」の歌シリーズがかなり好評だったので、今度は「恋愛」歌シリーズを作ってみる。もちろん、研究室にあるCDからつくるので「先生、どうしてそんなレア(変)な歌知っているのですか?」と書かれるだろうけれど、ね。
今日は、先週絵本の読み聞かせで少し声を出すことも大丈夫そうだったので、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」を朗読しあう(限界芸術的な相互鑑賞であり、かつ、アーツを活用したコミュニケーション誘発ワークショップでもある)授業を試みた。まず、絵本つながりで手元に用意しておいた「セロ弾きのゴーシュ」の4冊の絵本を見せる。おもに、絵のタッチの違いによる絵本観察としながら、この童話を思い出させる準備1である(まったく読んだことがないとコメントしていた学生もいたが)。 準備2として、私が紙芝居の「セロ弾きのゴーシュ」を演じて、きちんと鑑賞させる。これは学生が自分で演じるためにこちらも演じる姿勢を示すことが空気を作ることになるという裏の理由もあるが、絵本から紙芝居へという流れでその違いを見てもらうことが必要だと思ったわけである。また、活動写真館における楽士であるゴーシュは、動物たちに音楽療法的なことをしてうまくなったので三越百貨店などの楽隊に入れたかも知れないが、だいたいの流れとしてトーキー映画になって用済みになった楽士は、チンドン屋とかサーカスのジンタになっただろうから、そういう話もちょっとしておきたいからでもある。ここで、20分経過。 さて朗読(劇)のワークショップ。17名の参加だったので、5,6,6名の3チームに分けた(遅れてきた学生には演出助手とか批評家になってもらう)。あらかじめ「セロ弾きのゴーシュ」を6つのシーンに分けておき、担当部分を決める。会話のところは少し演技的に固定化しつつ、地の文は、最初だけ全員で読み、あとは交互朗読にしてください(最後も一緒に読めばよかったという感想もあったので少しこれも今後考慮)と告げて各チームに任せる。 なかなか役割が決まらないところ、すぐに決めて読み合わせをはじめるチーム。10時から30分あればできるかなと思ったが、4/6で終った。これをきちんとするには、準備1と2をまず前の週にしておき、冒頭からワークショップにする必要があった。9:40ぐらいからリーディングドラマとして発表すれば、そのあと感想とかも言える時間が取れるだろう。 早めの昼食を生協で食べ、A先生からタクシー代ぐらい出ないのか?といわれ、一回1万円旅費込みでやっていますからと言いつつ、汗だくで、椥辻まで下り、六地蔵経由(朝の通勤経路を逆流して)、京都橘高校へ。31名全員出席の「文化政策」、商店街フィールドワークを終えてグループ学習した結果の発表会は、無事終わる。教頭先生あたりは見に来るのかなと思って始まりますから、お時間あったらどうぞ!と教頭先生などにしゃべっていたが、忙しかったのか、遠慮があったのか、誰も来なかった(まあ、そのほうが生徒はしやすかったかも知れないし、逆に高校の先生が見に来たらもっとハッスルしたかも知れず、まだ想像は及ばない)。 嬉しかったのは、昼休みに「こぐれせんせ〜い」と職員室に来て、発表用の模造紙を完成したいといいにくるチームがいたことだ。自然に他のチームも作成を始める。13:20にいったん出席と来週のテストの概要を示したあと、14:00まで準備を行い(発表の仕方まできちんと準備させることが出来なかったが)、みんな、それぞれ楽しく発表する(20分ずつ3班、9チーム)。あとで、事務の北井さんから、こんなカラフルな用紙の発表をしていたのだったら、広報の先生に写真を撮ってもらったのに、と言われる。来週、アンコールでちょっとやらせになるかも知れないが、もう一度黒板の前にこの模造紙を並べて生徒たちに登場させてもいいなと思う。最終テストが終わった6限目に。 内容であるが、ここでは書ききれないが、よく短時間で取材もしていたし、改善点やそれに対する提案も彼女たちなりに出来ていたと思う。こちらが気づかなかったところでは、たとえば、ソーラー発電のアーケードなのに、クーラーを利かしつつドアを開けっ放しにしているお店の矛盾であるとか、竜馬通り商店街が平日はシャッターが下りているところが結構あって、だったらそのシャッターを利用して、テーマにあった展示したり絵を描いたりしたりしたらいいのでは?というアーツマネジメント的な提案もあって感心する。イベントもいろいろ高校生らしくて、子どもに人気のぬいぐるみなどのアトラクションとか、竜馬そっくりさん募集とかいろいろあった。 昨日のテストの採点をしようと思っていたが、これは土曜日に研究室ですることにして、少し伏見の商店街をぶらぶら。大中というラーメン屋にも入る。ここはさまざまなオーダーが出来て、とくに、味も濃いめ、普通、薄めという注文が出来るのがいいなと思う。町屋を改造した美容院の奥にある喫茶店で次年度の文化政策学科の体制ともし私が基礎論のコーディネーターを引き受けるとすると自分の科目群をどう調整するか(金曜日に基礎論があるからまず高校の「文化政策」を火曜日に移して、では火曜日の非常勤をどこに移すかなどなどのシミュレーション)など、ぼんやり考える。 2回生の学生が出るというので東福寺のスペースイサンでお芝居を見る。ありふれた三角関係とか風俗とかの話(普通に演じれば数分ですむ)をばらばらに分解したようなもの。19:00〜20:22。携帯電話がとても重要なアイテムになっている。若い人たちにはその関係が一番リアルなんだなあとつくづく思う。それ以外はもうただシーツの中の覚醒と睡眠の間の白昼夢のようなものなのだという感じで、そういうお芝居だった。欄干スタイル「フコク」。 昨日も帰りのバスで、バスがすでに動き出したのに、ずっと学生が携帯でしゃべり続けていたので、普通のお客さんが乗り込む可能性のある停留所に着く前に注意してやめさせたのであるが、東福寺で乗った淀行きの各駅停車でもみんなが携帯でメールをしたりにらめっこしている(若いサラリーマンは携帯を切りたいのだがお客なのでなかなか切れなくて困ってしゃべっているのも聴こえて)なかに座ると、こちらの方がずっとお芝居的で面白くて仕方がない。 まあ、直前に劇場に座ったからそういう感慨も起きるのではあるが、特にワカメちゃん(ミニスカ制服)の高校生二人が、向かい合わせに座って大声で、ミスドでは「お次の方どうぞ」というと叱られるという話、その理由について滔々と教えているのが、特にサービス産業研究としても面白いし、こういうネタをどうしてもっと観察してお芝居にしないのだろうと思う(五反田団あたりがやってしまっていると思われているのかなあ。でも、演出的にバリエーションは可能ではないかしら、それに東横線と京阪普通電車との違いとか結構微妙にあると思うし・・)。髪の毛をいらう仕草も実に面白いし、ミニスカを強調するために少し椅子に半身に座っているところとか、もうルンルンと観劇してしまう。
そのあと、85名の採点。結構、点数にばらつきがある。これだけ事前に問題を知らせ(用語の問題は12知らせて、そこから4つ)、ノートと教科書は持ち込み可としても、なかなか出来ない人は出来ないものだ。基本的に文章が作れないような答案もあったし、そもそも字が乱雑で下手で読解不可能なものまであった。もちろん、小気味よいものもあったが、40点満点(最終試験も40点満点で、あとは出席点)は、なかった。 (注)6.8に黒板に書いた用語 ここから4つ出すからという(○印が実際に出したもの)
今年度の事業は、引き続き「アーティスト@夏休みの病院」が大阪市大付属病院であり、サウンドアート系では、View mastersが大阪とメルボルンのトラム(路面電車)内で行われる予定だという。海外の方が日本よりも評価が高いのが特徴だなあと思う。それでも、秋にはアサヒビール吹田工場で「ビッグビッググバンド」が開催される予定で、これは、アサヒビールメセナの真骨頂。私ももちろん行きたいし、学生たちにも知らせよう。100名の演奏家と100名のリスナーが募集されるというもの。 14時から、小島剛さんによる「アポリアの音楽 その1」と題したトークがあり、一昨年築港赤レンガ倉庫で演奏(+ライブアニメーション)されたDVD(ラストのクレジットを見ると、どうもベルギーのゲントでの模様のようだった)を鑑賞した。Between Science and Garbage。その前に、ワットとアンペアの基礎知識とかプラグとコンセントのこととか、音楽ライブなど音響関係ではいまいつも必要なことがちょっと伝えられる。 映像はぼんやり見出したが、60歳を超えているというピエール・エベールのライブでアニメーションを作っていって、それを変化させ組み合わせコラージュしていく即興感(もちろん大まかな手順は二人〜ボブ・オスタータグが音はじめ様々なオペレーションをしているというが、なかなかその全容などつかめるものではない)が映像なのに引きつけられるものがあり、50分弱の間十分に刺激的な映像と音であった、最後は映像の変化はあるけれど繰り返しなので、いささか疲れたが。 特に、ゴリラの人形が横断するちょっとマヌケな動きとか、ばね仕掛けの人形たちの単純な動きがかわいい。カエルやアヒル、ペンギン。人間が筆で描かれ、アニマ(魂)を入れられたように落下していく。リンゴのアニメと実物。それがかじられる。オブジェとしての音と映像。オブジェサウンドとオブジェの映像、そこへ手描きの人間の形が動き落ちる。戦車や戦闘機。イラク戦争にブッシュ。はじまりは新聞記事だった、戦争の写真。コーラ缶がぺちゃんこになる。石ころたちに、ポテトチップス。 19時からNHK教育トップランナー、皆川明。ゆったりとした口調。既存のファッションデザイナーというイメージから最もかけ離れたスローステディーな探求者、「口笛を吹きながら疾走する」長距離ランナーの45分間。フィンランドの森が絣の伝統的な日本の技術で表現できることや100年続けるブランドのこと。魚を捌き、アサリの貝殻の模様にうっとりとする。 |