こぐれ日録 KOGURE Diary 2009.10/19〜10/25


こぐれ日録663 2009年 10/19〜10/25

10/19(月)

3回生ゼミ、久しぶり。
卒業研究には、まず、アーツマネジメントのフレームの基本を押さえようね、と黒板に書き出すと、Hさんが、今日は、授業っぽいねという。
そう、たまには、授業あそびだってするのだよ。
12月にWさんが子どもの文化フォーラムとかえっこバザールの取り組み中心に発表するのだが、その締め切りが今月末ということで、来週は、それをみんなであれこれよくしていくことにしようということに。今日は、文化フォーラムの実行委員長あいさつ文を4年間分、打ち出してみんなで読むことに。初年度は書いたのかどうか忘れていて、パソコンには少なくとも残っていない。
「地域イベント」も5年間つづくと、考察の対象にしていいから、とか、すこし、イベント論とも接合したりする。

行政法は、公法と私法という二区分が崩れて行く過程を話して行ったのだが、ずいぶんと難しいということだったので、二つの判例をできるだけ噛み砕いて話す。法律上の利益と(法規の)反射的な利益の関係など。

あわてて、大津市へ。厚生会館はすでにしまっていて、なんだか泥棒さんみたいに2階のベランダ沿いに歩く。
アウトサイダーライブ研究会の2回目。関西スタッフのみ。第1回がかなり濃かった(がちんこ)ので、その反芻とゆるやかなフレームワークづくり。
ずいぶん頭を使うなあ、昨日お寺で舞台づくりにカラダをいっぱい使っていた西川さんがいうのが実に可笑しかった。親密圏(家庭)とその延長の施設だけの往復から、小さな広場へ。それがコモンというかカフェというかサロンというか。アーツセンターのような公共圏的場と親密圏的場の間をつくることを当面の課題にする。


10/20(火)

昨夜と同じ、大津駅。県庁前の厚生会館。廃止された武道場は立ち入り禁止になっているが、ここはどうなるのだろう。跡形もなくなるのかなあ。なくなるのなら、一度、何か公演などしたらぜひ見に行きたいもの。滋賀会館ももう風前の灯みたいだし、その前に一つの消滅祭のようなものがあってもいいかも。

そうそう、風景のお葬式。

糸賀一雄記念賞第八回音楽祭の実行委員会。20分も遅刻した。
どうも、滋賀県庁では文化行政予算を大幅に減少させるようで、第九回への言及はできるだけ避けるような雰囲気だ。せっかく、アウトサイダーライブという考え方も滋賀から生まれ少しずつ広めようとしている矢先なのになあ。
ツイッターなどを使った新しい口コミ伝播について委員会で発言しておく。

で、午後、研究室へ行ってから、ツイッターやブログで音楽祭関係情報アップなどをすこしあれこれ。
糸賀一雄氏はアーティストだったというつぶやきをされている人を発見したり、思いがけないつながり方が面白い。

そんなこともあって、午後は出席票の出席簿転記をすまそうと思ったのに(あと、TAM研のレシート整理とかあれこれの雑用)、政治学だけで行政法をやりだしたら、大学外部評価の関係の書類チェックなどが舞い込んできた。

ツイッターというメディアにまだまだ慣れないが、一つ嬉しく思い、これはいいかもと思ったのは、まったく知らない方(弘前市会議員さん)が、明日から津市と近江八幡市に議員視察で来る(13名)というつぶやきをしておられたので、近江八幡市にこられるのなら、ぜひ、NO-MAへとtweetを送ると、早速現地視察をされて、とてもよかったということがまたツイッターにアップされ、それをたぶん結構多くの人が見ていたということ。

以下、その方のツイート引用:
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NO-MAを見学。芸術家と障がい者の作品を展示すること、社会福祉事業団が運営していること、伝建地区の町屋を利用していること、驚きの連続です。 次の企画展の搬入中で、展示が見られないのが心残り。 http://twitpic.com/m7yvm

宿泊先からタクシーでしたが、ホテルの方も運転手さんも知ってました。 行ってみて、小暮さんが勧めてくださった理由がよくわかりました。ありがとうございます。 RT @kogurenob: 場所分りました?
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10/21(水)

授業は、1限目のみ。
イベントデザイン論。はじめて、受講者数が30名を切る。
糸賀一雄音楽祭の当日台本原案などを昨日いただいたので、それらを使った現場的授業。
去年の映像も見せる(ダンスはみんな見たことが無かったし、かなり強い反応あり。音楽部分は1回生のとき授業として見せた学生もいたので、それらの学生にとっては確認ということになるが、懐かしいという感想とともに、生と映像編集したものとの違いに言及する者あり)。

入学課の取材が入る。このときは、みんなを前にあつめ、ペットボトルや鞄を下にしまわせ、よそいきの姿にしなくちゃいけない。
取材、あさってだけかと思って、今日のわたしは、うすぼけた服だった。まあいいけど。
11/3のさきらの学外授業も撮影したいっていってきたし。

3つの会議。
そのあと、少しインターンシップ報告を聞く(最後のほうだけだったが)。
さいきん、学部長さんの車に乗せてもらって、伏見桃山までつれてもらっている。

珍しく、中日が楽に巨人に勝って、これもまあ初めだけだろうが、気分はもちろんよい。

以下、うちの大学向けに、ツイッターの大学利用状況を報告しておく。

【大学のツイッター状況をすこし】
東京大学 http://twitter.com/Univ_of_Tokyo
東京大学ワークショップ部 http://twitter.com/workshop_bu

長岡造形大学 http://twitter.com/N_I_D

京都精華大学 http://twitter.com/seika_sekai

京都大学 http://twitter.com/KyotoUniversity

大阪大学サイエンスショップ http://twitter.com/scienceshop

慶應義塾大学アート・センター http://twitter.com/rcaaa

大分大学アートプロジェクト http://twitter.com/Lovetipococa

武蔵野美術大 学映像学科三年 進級制作展 http://twitter.com/shinkyu09


10/22(木)

午前中、shelfの公演をもっと多くの人に見てもらおうと、すこしあがく。
京都府庁の公開は11/8(日)ぐらいしかない。すこし告知期間が短いが、これを11/23の振替授業にしようとあれこれチェック。

大阪成蹊大学芸術学部「美術文化政策研究」、同志社大学大学院総合政策科学研究科「文化行政論」。無事、終わる。いまのところ、内容は言及部分でもちろん違うことがあるが、同じテーマを3限目と6限目にしている。10/10に放送された山元能楽堂+井上信太さんと子どもたち(水の輪)のビデオを見せるところも同じ。ただ、後者がやっぱり、ちょっと早くなったかな。
アーツマネジメント(ミクロ文化政策学)の基本・本質・実践・・・5つの「と、ま、つ」。


10/23(金)

午前中に2つ授業。
137名の1限目、今日はとても入りが悪く、撮影のカメラさん(入学案内)向けに、学生の近くによってポーズとりながらのまちさがしとは地域の歴史から、というお話と仏教の基礎知識。

そのあと、出席簿の整理をしようとしたが、半分もできず。100人を越えるとものすごく時間がかかることを痛感。まあ、学生コメントを読み直したり、事務的なこと以外をしているからでもあるが。
Kちゃんが、12月の政策学会議だったか、そういうコンソーシアムでの発表原稿を見てくれというので、いくらかアドバイス。全部言ってしまうと勉強にならないので、研究の目的と方法のところだけ添削。

で、17時すぎに研究室を出て、アトリエ劇研へ。東山からバス。18時20分ぐらいには到着。もう少しゆっくりでてもいいな。75分ぐらいの道のり。たまたまだが、今回見たイプセン最後の戯曲もそれぐらいの持続だった。まず、始まる前の音楽がいい。作曲家とか題名とか聞きたかったが、聴かず(グリーグとかそういう北欧の人のものかな?)。

矢野靖人さん(演出家であるとともに、制作的なこともされているようで、直球的芸術志向の演劇ユニットがこのshelfなのかもしれない)から、すこし授業で話した効果などがチラホラでていると言われて、実際はあんまりお役には立てなかったけれど、やはり嬉しい。

アフタートークも、田辺剛さんが話した、何もない舞台と語り(ト書きなので風景が具象的に展開する言葉)の関係がこちらがぼんやり感じていたことの明確な言語化(具象的なものが、舞台上で解けていくという指摘。リアリズムのままでシンボリズムを生む演出効果)で有り難い。
何もない空間と役者間、台詞間のそれぞれの間が、シンプルな舞台にこれほどの饒舌を生むことの面白さ、というような、非常に重要なお話もされた小堀純さん。でも、彼は飄々と自分は編集者だからということで、大阪芸術創造館で行われていたクラシック・ルネッサンスの話などもされて、私も強く納得。

そういう地味だけれど、いま、ここと、かつてのどこか(このお芝居では100年前のノルウェー)との往復が、演出家、劇作家、役者を鍛え、強くするのだなあとぼんやり思う。

ク・ナウカの二人の役者さん、とりわけ、阿部一徳さんの声と動きが、ク・ナウカのお芝居をどこかで呼び寄せている気がして懐かしさもひとしお。出初めだけだが、一瞬、山田宏平さんの声が異質で戸惑って言葉に意味を聞き取れなかったのも新鮮な経験。
一番気になったことの一つは、ほとんど言葉を発せない従者ラルスの役割、最初獣かな?とうなったようなそうでなかったような。そして、最後にお祈りの言葉(これも日本人には意味が伝わらない謎の音)を発しただけの尼僧看護人の存在。オーケストラで最後にシンバルを鳴らす人のように、その一言がずっと残る。

もちろん、ト書きを読み=語り手であるとともに、役者として、若い妻と一緒に山に登る地主(農民)役をする男3の複数の役割にも興味深々。能舞台との比較を無理とすれば、彼は始めワキの僧の役なのだが、後半ワキの立場とともに、なぜか、無謀にもシテツレと絡むという感じか。若い妻の歌が耳に残る。これが中世ではなく近代、モダーンの苦悩と孤独、自由と決断の形であるのはいうまでもなく。

はじめ、このお芝居の題名が「復活の日」だったというお話も興味深かった。それが、女2=旅の夫人(彫刻家のすべてのモデルをしてきた伴侶だったのに、「エピソード」と男1が失言して消えてしまった女性)が語る台詞でもある「死んだものが目覚めたら」になり、ここに「私たち」が追加されてこの題名「私たち死んだものが目覚めたら」になったという。なんと深くて象徴性の強い題名になったものだろう。

以下、まねきねこさんの劇評のサイト(http://homepage1.nifty.com/mneko/play/SA/20091013s.htm)を一部借用して、配役などをしるす。

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Theatre company shelf volume10
 「私たち死んだものが目覚めたら When We Dead Awaken」

@京都 アトリエ劇研 10/23のステージ。75分ぐらいかな。3幕がいっきに息をつめてみる感じ。
 
 作:ヘンリック・イプセン 
 構成・演出:矢野靖人
 
 出演:
 阿部一徳 :男1 アルノン・ローベック(著名な彫刻家)
 櫻井晋  :男2 温泉保養所の監督
 山田宏平 :男3 ウルフハイム、語り手 [山の手事情社]
 秋葉洋志 :男4 ラルス

 片岡佐知子:女1 マイア・ルーベック
 川渕優子 :女2 旅の夫人
 大川みな子:女3 尼僧看護人

 音響:荒木まや (Stage Office) 照明:則武鶴代 衣装:竹内陽子
 宣伝美術:オクマタモツ 舞台監督:小野八着(JetStream)翻訳:毛利三彌
 企画制作:shelf 主催:shelf http://theatre-shelf.org/ 
 提携:七ツ寺共同スタジオ(名古屋)、アトリエ劇研(京都)
 後援:ノルウェー王国大使館


10/24(土)

きがつけば、めくるめく紙芝居、来週の日曜日には本番なのね。11/1。10/31に最後のあつまり。
でも、山科青少年活動センターはこの11/1のやませいまつりの準備のため使えず、京都橘大学の第3学生会館にて行うということになった。

で、今日は、
10時からめくるめく紙芝居WS。20分ぐらい遅刻する。15時まで(14時まで大会議室でそのあと和室を急きょかりて、井上信太さんが持ってきた水色ホースもあって、あれこれ楽しい。なんだか、最近、管があると、吹きたくなのだ。天狗→山伏→法螺貝なのである。)

どうして、午前中からになったのか?と思ったら、Y兄弟などが、バレエの練習などが午後からあるからだった。そして、午前中に、今度の新作(ザ・マイクマン〜おんがくは、のろい、ほんとうにおもしろい〜)に出られない人の録音をする。声の出演と当日パンフには書いてもらおうとEちゃんには言っておく。

信太さんが、どこでもドアみたいな、そこから出るとステージのような、ドアを作ろうかという話もでて、やっぱり、美術家がいると、がぜん、そのイメージが華やかにしかも具体的になるので、すごいこと。いや、林加奈さんも美術家でもあるのだが、彼女の場合は、どちらかというと、即興性とパフォーマンスの時間編集の方に力を入れてもらっているので、時間と空間がこうして交差して、ようやく、ステージができて行くのだ。

帰りに、昨日の授業で話した志賀直哉の住居(1924.10.26〜1926.4)跡の石碑をチェックしておく。小説「山科の記憶」(1926.1)にある川と土橋(コンクリートにいまはなっているが)が確認できる。刈田はもう付近にはまったくといっていいほどないけれど。
三条京阪駅の近くの、銭湯、柳湯も同じくチェック。実際の場所を知っておくことってホントに大切だ。

以下、メックのブログでの紹介文
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めくるめく紙芝居プロジェクト シュー団」は11月1日京都市立山科青少年活動センターでおこなわれるやませいまつりのステージに出演します。

とき:11月1日(日)、14:30〜15:00  一連のライブの最後。すこし時刻は流動的だと思います。アンコールとかできるのかな??

11時ぐらいからトリのメック公演まで、ライブが繰り広げられて、周囲にはフリーマーケットや屋台などが出ます。学園祭と同じようなのり(30歳までというのが原則)だろうと思われます。
もちろん無料(今回はたぶん投げ銭もなしになる予定です)

場所:山科青少年活動センター、テニスコート特設ステージ(雨天の場合は室内)
アクセス:京阪・地下鉄・JR山科駅から徒歩10分
地図: "http://www.jade.dti.ne.jp/~yamasei/map_cls.htm"

新作を上演します!!
題名は、
『ザ・マイクマン〜おんがくの、のろいは、ほんとうに、おもしろーい!』(ほぼ言葉は決定:表記方法は変わるかも)

絵は、はじめのタイトル以外は完成。台本も今日ほぼ全容が見え出していて、6場構成で、5分ずつで30分の計算。でも、私、テングマンとクノイッチャンの前説はもっと早く終わるでしょうし、第三場「おとのたいけつ」は、5分では終わらないと思います。
・・・・


10/25(日)

MONOだから、そりゃあ面白いのは間違いないのだが、こんなに面白いとは思わなかった。

思わなかった理由として、以前、このお芝居の原型を京都芸術センターで見たのだが(『チェーホフは笑いを教えてくれる』2003)、ベケット的な設定で、チェーホフの短い喜劇が演じられる(今日は4本だったが、前もそうだったかどうかも記憶があいまい)。その接合がちょっとゆるいというか、あんまり必然性がないなという感想を持ったからだった。
さらに、チェーホフの喜劇の悲しさにくらべ、役者さんたちが若くて朗らかに思えて、そのギャップもちょっとあったようにも思うし、やっぱり、土田英生さんのあのオリジナルな台本を味わってきた自分としては、すこし借り物ぽかった。

という長い前振りで、今回、そんな感想がぶっとぶぐらい楽しくて、『熊』のしゃべり口が普段のMONOぽいとか(奥村泰彦を見ていると、変なイタリア人が京都11区に来たシーンを思い出しつつ、初恋と接合する)、『結婚申込』の男ぽい妹(尾方宣久)とか、なんだか、20周年おめでとうという感じで、70分ぐらいしかないのだが、満足して、気持ちよく帰った(からほりアートも気になったが)。

あと、水沼健『煙草の害について』が一番爆笑ものなのだが、これは、アトリエ劇研などで行っている落語企画もかなり役立っているのではないかな、と思ったりもした。なお、『余儀なく悲劇役者』って、チェーホフの原作を忠実にしたものはまだ見たことがない気がするが、これぐらい短い喜劇になると、「おち」が重要かも、とも感じた。

ラスト、ロシアのどこ?モスクワ、そしてその「モスクワ」をばらばらに指すところで、ふと、MONOも、ひょっとしたら、三人姉妹や桜の園などをするときが来るのかもな、その喜劇性がより体感できたときに・・という妄想も頭をよぎる。

以下、AI・HALLのサイトからの引用:
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MONO+AI・HALL共同製作 MONO特別企画vol.4
MONO
『チェーホフを待ちながら』
■作・演出/土田英生
■出演/水沼健、奥村泰彦、尾方宣之、金替康博、土田英生
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山科のまちづくり授業の関係で、中世に興味がわくこの頃。
今谷明『天文法華一揆―武装する町衆』洋泉社、2009(1989年平凡社刊の復刊)読了。
細川晴元と高国とか、三好元長、木沢長政など、あんまり知らない武士がどんどん身近になるし、面白いこと極まりなし。
この時代の近畿は、有名な戦国武将が活躍するような舞台ではなく、僧侶は僧兵となるような宗教戦争部分が多く小説やテレビ向きではないのだけれど、できれば、僧侶とか町衆でしかも法華教徒とか、近江の浄土真宗の門徒である町人とかが主人公のドラマ、映画とか演劇とかを見たい気もする。


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